独自の方針で運営できるフランチャイズのコワーキングスペース・co-ba

コワーキングスペースとは、異なる企業や団体、個人がオフィスや会議室として使える公共スペースを共有して仕事をする場所だ。

この記事では、コミュニティづくりを重視したコワーキングスペース、「co-ba」のビジネスモデルやフランチャイズの仕組みなどを紹介する。

co-ba

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1. コワーキングスペース・co-baとは?

2011年ごろから増え続けているコワーキングスペースのなかで、コミュニティづくりを重視しているのが「co-ba」だ。

全国に多くの拠点が、フランチャイズ契約により展開されている。それぞれの拠点のコンセプトは、各拠点のオーナーに任されているため、画一的な拠点が存在しないのが特徴だ。

どの拠点でも統一されたサービスを提供することが多いフランチャイズとは一線を画すコワーキングスペースだといえる。

1-1 拠点ごとにオーナー独自の運営が尊重されるco-baで共有される運営方針

各拠点が独自のコンセプトで運営できるco-baだが、共通の運営方針は存在する。
その一つが、その地域の特色や運営者の属性を生かしているかどうかといったローカライズだ。

たとえば、co-baとして最初にオープンした「co-ba shibuya」のある渋谷と「co-ba koriyama」のある福島県郡山市とでは、それぞれの地域で必要とされたり望まれたりすることが異なる。

そのため、共通のポリシーとしてローカライズが重要となるのだ。

それは、各拠点が存在する地域に根ざし、その地域で必要とされる事業や開発などへのチャレンジを応援するといったマインドを共有する必要性にもつながる。

加えて、co-baの定めるポリシー「地産地消のデザイン」を採用することや民間で主導するまちづくりの拠点になることといった方針にも現れている。

ちなみに、地産地消のデザインとは、各拠点周辺の資材を使用し、地域らしさを表現したデザインでコワーキングスペースを作ることだ。

このような運営方針に加え、ユーザー間や全国のco-baをつなぐため、登録した拠点以外を利用できる「相互乗り入れ」もポリシーに定められている。

これらは、各地域に根ざしたco-baのネットワークをすべての拠点で作り上げていくためのものだ。

1-2 co-baの入居方法と利用方法

co-baでは、全国の拠点のなかから、通いやすい場所や希望する分野の連携ができそうな場所など自身のライフスタイルに合わせた場所を選ぶことが可能だ。

そのco-baをメンバーとして利用するには、全国の拠点に無料で乗り入れができるネットワーク会員か割引もしくは特典付きで乗り入れ可能な一般会員のどちらかのメンバーになる必要がある。

入会方法は、各拠点に入居の申請をして面談した後、双方が合意したうえで契約するという流れだ。
面談では、すべての入居希望者に対して、仕事内容や人柄、コワーキングスペースに何を求めるかなどが聞かれる。これには、コミュニティづくりを行う際、ユーザー同士や各拠点とのミスマッチを防ぐ狙いがある。

そのほか、ドロップインで1日のみ利用できるプランもあり、拠点を決めかねている場合や入居申請をする前に特徴をつかみたい場合に役立つ。

2. 地域性や独自性のあるコワーキングスペースをフランチャイズで展開するco-baのビジネスモデル

co-baのビジネスモデルは、仕事をする場所を提供するだけでなく、co-baで形成されたコミュニティで互いに協業しながら新しいものを生み出す機会を提供することを重視したものだ。

また、全国各地に展開するco-baそれぞれにオーナーが存在する、パートナーシップ制を採用している。
契約するうえでフランチャイズという言葉を使用しないのは、画一的なものを展開するわけではないからだ。

そして、co-baの各拠点のオーナーになるためには、まず、地域でどのような働きをする場所となりたいのか、どのような存在になりたいのかなどを面談で聞かれる。

これは、不動産収入を得ることより、ワーキングコミュニティを育てることに前向きかどうかを確認するためだ。

3. co-baの各拠点オーナーのメリットとデメリット

co-baは、コミュニティづくりを重視しているため、多くのコワーキングスペースとの差別化が図れることがメリットの一つだ。

コミュニティで切磋琢磨したり、協業したりして新たなビジネスを生み出すことでコミュニティは、ユーザーにとって付加価値の高いものになる。

そのようなコワーキングスペースは、ユーザーの満足度も入居率も高くなる可能性が高い。

一方、運営する際、コミュニティづくりやそれにともなうイベント開催などで人手や手間がかかるため、不動産ビジネスと比べると効率よく収益を上げられるビジネスモデルとは少し異なる。

しかし、コミュニティを育てていくなかで、人脈づくりや地域との連携がしやすくなるといったメリットも期待できるビジネスモデルだ。

4. co-baのユーザーのメリットとデメリット

ワーキングコミュニティづくりを主軸に展開するco-baは、スタートアップや新たなビジネスを展開したい企業や個人にとって、さまざまなチャンスがつかみやすい環境だ。

というのも、co-baの各拠点では、新たなチャレンジを応援しようとする思いの強いオーナーやコミュニティマネージャーが会員をフォローしてくれるからである。

また、コミュニティ重視とはいえ、拠点によっては、個室など集中できる空間をもつco-baも存在する。
そして、多様な分野の人とつながれる空間など、自身が望む仕事環境を得ることができる。

反面、自身が求めるものと入居を申請した拠点とがマッチしない可能性も否定できない。そのようなことがないよう、ドロップインなどで事前に特徴をつかむことが大切だ。

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5. co-baのフランチャイズで成功する秘訣は?

単に仕事用のスペースを提供するサービスと異なり、co-baのコワーキングスペースの運用には、アイデアやさまざまな思いが必要だ。そこで、フランチャイズで成功するための秘訣を紹介する。

5-1 地域の特性にマッチしたコミュニティづくりが鍵をにぎる

co-baの拠点をオープンする際に重要になるのが、その地域の特性にマッチしているかどうかだ。
たとえば、農業従事者が多い地域や一般的な事務所の家賃が安い地域では、コワーキングスペースへの入居を検討する人が少ない可能性がある。

しかし、場所の提供だけでなく、農業と最新技術との出会いにより新しいビジネスが生み出せるようなコミュニティであれば、さまざまなチャレンジの場となっていく。

こういったオーナーのアイデアや思い、ローカライズが融合してコミュニティが育っていくと、一般的な事務所などとの差別化も可能だ。

一方、スタートアップやクリエイター、若手起業家などが集まる地域では、新しいものにチャレンジするコンセプトがマッチする。
そういったコンセプトにより、一層大きな化学変化を期待する人たちで賑わうワーキングコミュニティとなる可能性が高い。

5-2 オーナーの本業に還元できるコミュニティを形成する

運営に手間暇がかかるco-baは、スペースを貸した料金での大きな収益を見込むより、オーナーが営む本業や他の事業にとって有益なことが重要だ。

たとえば、倉庫や物流企業の場合、リノベーションした倉庫をさまざまな人たちが交流できる魅力ある場所にすることで、倉庫のリノベーション事業に生かしている。

そのほか、運営母体が税理士法人やまちづくりのNPO法人など、本業や他の事業に還元できるオーナーが多い。

co-baを経営する株式会社ツクルバでも、co-baでの事業が他の事業に生かされているからこそ、事業が続けられているのである。

したがって、co-baのフランチャイズで成功するには、地域の特性にマッチしたコミュニティをつくることと本業をもつことが重要なのである。

6. co-ba利用者の感想

co-baは、現役の利用者だけでなく、かつて利用していた会員が卒業生としても愛着をもっているのも特徴の一つだ。

その卒業生の一人の感想に、「会員同士で相談しやすい関係が築けている」というものがある。
とはいえ、会員同士の距離が近すぎたり、遠すぎたりといったことがなく程よい距離を保っているというのだ。

また、会員同士で開発をすることも珍しくない。コストを考えると、クラウドソーシングで外注したほうが安上りにも関わらず互いに連携するのは、顔が見える安心感と信頼によるものだといえる。

そのほか、フリーランスとして働く際にありがちな、メリハリのない時間の使い方やコミュニケーション不足もco-baで解消された。

さまざまな現役の利用者や卒業生からの感想に、コミュニティが形成されていることで目標や夢を実現できたという意見が多くくみられる。

7. オーナーの思いやローカライズ重視のフランチャイズでコワーキングスペースの差別化を実現したco-ba

co-baは、仕事をするためのスペースを貸し借りするだけの場ではない。
会員が会費を払っているからといって、サービスを受けるだけという考え方やオーナーが不動産ビジネスとして収益性を重視する場合は、co-baの良さを生かすことはできない。

co-baのオーナーになるには、会員のチャレンジを応援し、ツクルバと会員とともにco-baを作り上げる姿勢が重要である。

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