【サイバーマンデー】タイミングを活かした効果的なマネタイズ戦略

人がモノやサービスを購入するためには理由が必要である。

その理由は必ずしも商品の価値や性能、価格だけではない。
購入の理由として強力な威力を持つのが「タイミング」であり、米国から始まった「サイバーマンデー」はまさにタイミングを活かしたマネタイズである。

このサイバーマンデーについて詳しく考えてみよう。

 

Cyber Monday

1. サイバーマンデーとは

「サイバーマンデー」とは、感謝祭の休暇明けの月曜日を呼ぶ言葉だ。

この日は、オンライン店舗において売上が急増することから、その名称が広がった。

日本でも、2012年にAmazon.co.jpが12月の第2月曜日をサイバーマンデーとして日本記念日協会に申請し認定されている。

1-2 感謝祭とブラックマンデー

サイバーマンデーの前に、米国における感謝祭とブラックマンデーについての話をしよう。

米国では、11月の第4木曜日が感謝祭(Thanksgiving Day)で祝日となっている。

この日は、現在は慣習的に多くの親族や友人と大規模な食事会を行うことが多くなっており、日本での盆や正月のような雰囲気になる。

この感謝祭は木曜日に固定されており、金曜を挟んで週末に入るため金曜は多くの企業で連休を取得する人が表れ、開店休業状態に入る企業も多い。

感謝祭では、家族や友人間で多くのプレゼントの交換が行われ、その売れ残りが翌日に一気にセールで叩き売られ、小売店が繁盛して黒字に転換するという。

そのため、感謝祭翌日の金曜は「ブラックフライデー」と呼ばれ、米国の小売業界では最も売上が見込める日と期待されている。

さらに、感謝祭から始まる休日が終われば、米国では本格的なクリスマスシーズンに突入する。

米国ではクリスマスから正月にかけてが、ホリデーシーズンであり、クリスマス前から長期休暇に入る人も多い。

小売業から見れば、感謝祭が終わればクリスマスから正月までを見据えた年末商戦が開始されることになり、感謝祭から年末までで年間売上の約半分がこの1カ月ちょっとの間に集中するのだ。

1-3 サイバーマンデーに売れる理由

サイバーマンデーにオンラインショップの売上が急増する感謝祭からの連休中は、実店舗を訪れたり帰省のために外出をしたりしている人が多くなる。

そのため、連休後に自宅でゆっくりとオンラインショッピングを行う人が多くなる傾向だ。

意識的にも財布のヒモが連休モードで緩みやすく、衝動買いも多くなる。また、それを見越したセールの情報発信や、当日の大売り出しを行うことで実店舗の購入者がオンラインにどんどんシフトしてきている。

スマホなどの情報端末でのオンラインショッピングがどんどん容易になり、サービスも増えていることもサイバーマンデーにモノやサービスが売れる理由だ。

サイバーマンデーでは、感謝祭で売れ残った在庫処分だけではなく、クリスマスに向けた需要の取り込みも意識され、小売業が一気に活気づく。どのようなマネタイズ方法が行われているか見てみよう。

2. サイバーマンデーのマネタイズ例:Amazon

世界で最もサイバーマンデーに積極的と思えるのが、オンラインショッピングの定番Amazonだ。
Amazonではブラックマンデーはもちろん、サイバーマンデーでもセールを行っており、人気の目玉商品や売れ残り品などが50~90%引きで販売される。

薄利多売にはなるが、インターネットを通し世界中から集客が可能であるためにその売上高は非常に大きい。

そして、Amazonにとってのサイバーマンデーは商品販売に終わらない。
Amazonの有料会員サービスAmazonプライムの会員は、セール会場(Webサイト)に30分早く入ることができるのだ。

送料の割引・無料などのサービスもあるため、この時期にプライム会員が急増し、大きな利益と顧客の囲い込みを実現している。

3. サイバーマンデーのマネタイズ例:エクスペディア

ホテルやツアーサービスを提供しているオンライン旅行会社であるエクスペディアも、サイバーマンデーをうまく意識した需要の取り込みを行っている。

先に触れた通り、感謝祭から始める連休に多くの人々が帰省や旅行などの家族サービスに従事するが、連休が終わればホテルは閑散とし空室が目立つ状況になってしまう。

そこで「サイバーマンデーセール」を行い、大幅な割引価格での宿泊を提案することで空室を埋め、かつ自サイトや宿泊施設の利用者を得て囲い込んでいる。

使い勝手がよく、値引き幅も大きければリピーターも出やすいため、サイバーマンデーを利用して新規の顧客開拓を上手に行っているといえるだろう。

4. サイバーマンデーのマネタイズ例:広告関連会社

サイバーマンデーで儲かるのは小売業や旅行業だけではない。
サイバーマンデーで儲けるためには、広告の力は必要不可欠だ。

そのため、感謝祭のだいぶ前、早ければ初夏のころから広告会社ではブラックマンデーやサイバーマンデーに向けた広告企画が行われ、チラシやポスター、Web広告、マスメディア広告などの準備が行われている。

サイバーマンデーはオンライン上でのイベントだからこそ、いかに多くの人に自社のセールの存在を知ってもらうかは売上を大きく左右することになる。

マーケティング戦略を立案する広告会社や、関連する制作会社や印刷会社も、またサイバーマンデーで大きく儲けることができる業種なのである。

営業マンにはサイバーマンデーのようなイベントを営業のネタとして利用するセンスが求められる。

5. サイバーマンデーのマネタイズのポイント

ここでサイバーマンデーからのマネタイズの成功ポイントを整理してみよう。

 

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5-1 売れるタイミングをつかむ

サイバーマンデーでモノやサービスが大きく売れるのは、そのタイミングに多くのニーズが発生するからである。

パーティー、プレゼント用の商品や、家族と素敵な時間を過ごすためのモノ・サービスなどが求められるからこそ、普段はなかなか売れないような商品も売ることができるのだ。

どんなに良いものが良い価格で提案されていても、消費者の心理的に財布のヒモが固い場合には売るのは難しい。
イベントによって心理的に財布のヒモが緩くなるそのタイミングでどんどん販売することが重要である。

5-2 タイミング次第で在庫が売れる

サイバーマンデーの特徴は、ブラックフライデーからの流れで在庫品が売れやすいという点にある。
小売業においては、在庫が多くなれば仕入れもできず、ビジネスが滞ってしまう。

しかし、サイバーマンデーは在庫処分セールでもあり、お祭りムードの中で割引価格にすることで多くの在庫品が販売できるチャンスでもある。

在庫を一掃してしまえば、その売上や余裕のできたスペースに、新たにクリスマス用の商品を仕入れて陳列できるので、次のチャンスも生まれてくるわけだ。

エクスペディアのサイバーマンデーセールも、本来は売れない宿泊やツアーを上手に売っている。
売りにくいはずのモノやサービスを販売することで、次の集客にどんどんつながっていくという意味で、在庫を売るのと同じ価値がある。

5-3 業種ごとにサイバーマンデーへの参入タイミングが違う

サイバーマンデーの主役は間違いなく小売業である。
しかし、小売業だけがサイバーマンデーで稼ぐことができるのではない。

広告関連業であれば、サイバーマンデーというイベントがあるからこそ、それを利用して稼ぐことができるのだ。

業種によって、サイバーマンデーへの参入タイミングはさまざまだ。
事前準備に関わる業種ならその期間の前に稼ぐタイミングが来るし、小売や旅行業、外食やサービス業はその期間注が最も良い時期だろう。

リサイクルショップやフリマの事業者なら、サイバーマンデーで安く仕入れてその後に販売するという戦略もある。

自分の属する分野で、どのタイミングでサイバーマンデーに参入するかを考えてみると良いだろう。

6. サイバーマンデーに見るタイミングの重要性

オンラインショッピングが普及した現在、サイバーマンデーはマネタイズに格好のイベントである。
しかし、マネタイズのための手法やタイミングは業種によって異なる。

イベントの性質をしっかり理解し、自分がいつ、どのように参入できるのかをよく検討して動くことが大切だ。

 

  
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