顧客満足度が低下した原因には、企業が抱える課題を見つけ出すヒントが隠されている。
しかし、たとえ課題を見つけても、どのように克服すべきか頭を抱える企業も多いのではないだろうか。
今回は、顧客満足度を回復させるために、ICT(情報通信技術)を駆使した新たなシステム開発に踏み切った東京ディズニーリゾートの事例を紹介する。
1. 「待ち時間」の課題をスマホで解決したTDR
世界最大級の旅行サイト「トリップアドバイザー」が旅行者の口コミ評価をもとに2018年、国内の人気テーマパークランキングを発表した。
これまで首位を守り続けていた東京ディズニーリゾートが初めて降下した。
“常に混雑していて待ち時間が長い”ことが顧客を不満にさせた原因だった。
「来場者が時間を有効活用できる仕組みを作る」
この課題を克服すべく、東京ディズニーリゾートは並ばずに優先して入場できる“ファストパス”の改善に着目した。
実はファストパスは園内に設置された発券機でしか手に入れられず、そこでも待ち時間が発生していたのだ。
そこで、ICTとスマートフォンを連動させ、待ち時間を短縮させるシステムを開発したのだ。
そのシステムは、スマートフォンでファストパスを発券できるというもので、今夏から導入される。
中には、人気アトラクションに乗るために開園3時間以上前から並ぶ人もいたため、ファンにとってはありがたい機能だ。
まさに顧客満足度の低下した原因をICTで克服した事例であると言えるだろう。
ICT技術は今後さらなる発展を遂げる可能性を秘めている。
ICTを活用することで、思いもよらない新しいビジネスモデルが出来上がるのではないだろうか。
顧客満足度の低下を克服するならば、ぜひ一度注目してほしい。