AIが人を評価する「信用スコア」は、個人の社会的信用を数値化する。
日本での知名度はまだまだ低いが、中国ではすでにサービスが展開され、ビジネスだけでなく結婚にも一役買っているというのだから驚きだ。
今回、日本でも先駆けとなる「J.Score」がサービスを始めた。
国が違えば経済・価値観・宗教など全てが異なる。果たして「信用スコア」は日本で定着して、これから起業を考える個人にもメリットはあるのだろうか?
今回は、「信用スコア」の特徴や起業家へのメリットに焦点を当てていく。
1. J.Scoreが最新のAI技術でスコアリングする
出典:J.Score
大手企業である、みずほ銀行とソフトバンクが設立したJ.Scoreは、「AIスコア」をサービスとして提供する。
個人の信用度をスコアとして算出し、信用度が高い人ほどサービスや、特典を受けることができる。
もちろん、融資の判断基準としても活用されている。
質問に答えるだけで自分のスコアが算出され、スマホで簡単にできる手軽さも魅力の一つだ。
スコアの算出には、個人を特定するような情報は聞かれない。さらには、みずほ銀行とソフトバンクが保有するデータをベースにしているから、スコア自体の数値にも信用度が高い。
人が行う評価は、どうしても曖昧なものとなり正確さに欠けるが、AIが行うことで適切なスコアリングであると、サービスも好評だ。
すでに中国では、社会信用スコアとして「芝麻信用」が活用され、保証金の免除・決済サービス・出国手続きなど、スコアが高いことで得られる特典が大きい。
2. 起業家として未来の可能性も評価対象となる
出典:J.Score
このAIスコアによるサービスが、日本でも幅広く活用されていく可能性はある。その場合、注目したいのは、起業家やこれから起業を考える人たちに、どれだけメリットがあるのかだ。
例えば、個人で融資を受けるには現時点での年収・勤続年数などが重視されるため、企業に属さない起業家は融資を受けるハードルは非常に高い。しかし、AIスコアは、「将来の可能性」も評価基準となるから、融資を受けられる可能性も出てくるのだ。
とかく起業時には資金調達は欠かせない。金融機関からの融資に期待が持てるなら、起業を前向きに考える人も増える。
副業を良しとする動きを見せつつある日本において、AIスコアの導入はチャンスを拡大してくれるサービスになるかもしれない。