アプリとは、メールやゲーム、健康管理などのソフトウェアです。
スマホ(スマートフォン)の普及により、ユーザーが個々に必要だと思うアプリをダウンロードして利用しています。
とても手軽で便利なアプリを、誰もが一度は利用しています。
事業展開において、アプリを活用することは、新しい顧客を獲得したり、既存のユーザーにもさらなるサービスができます。
しかし、「いざっ!アプリ開発!」と、実際にアプリを開発するとなった場合に、どれくらいの費用がかかのるのか不安です。
なぜ、費用を不安に感じるのか?
そこには「知らない・分からない」というアプリの開発について理解ができていないという原因があります。
今回は、知らない・分からないを明確にして、知っておきたいアプリ開発の費用についてご説明します。
目次
1.アプリ開発の費用は「人×日数」で決まる
アプリ開発の費用として大前提に知って欲しいのは、関わる人(人数)と必要とする日数で費用が決まるということです。
関わる人というのは、SE(システムエンジニア)とプログラマーです。(場合によってもそれ以外の職種もあります)
アプリのためにどんな画面を作り、機能を追加していくのか?その一つ一つに、必要となる技術者の人数を決めます。
必要とする日数は、必要となる技術者が作業する日数をいいます。
業務の内容、関わる人数の他に、技術者のレベルによっても日数は違ってきます。
1-2.費用を決めるのはエンジニア本人
アプリ開発に関わる人と、日数によって費用に違いがあることは分かりましたが、では具体的には誰が決めているのでしょうか?
費用を決めるのは、エンジニア本人です。
様々なジャンルのアプリ開発をしてきたエンジニアが、「自身の技術ならどの程度で仕上げることができるかのか」で、費用を決めます。
アプリの質や機能、技術者のレベルなど、1案件ごとに違いがあるため「どれくらいでアプリは作れるの?」と質問されても概算を出すことができません。
技術職名 |
1人あたりの単価(目安) |
備考 |
プログラマー |
40~100万円 |
企業や個人によって異なる |
SE初級レベル |
60~100万円 |
SEのレベルの違いで単価は大きく異なる |
SE中級レベル |
80~120万円 |
|
SE上級レベル |
100~160万円 |
プログラミングをするプログラマーは、下請けなど立場が違うことで単価に違いはありますが、技術による単価の差はわずかです。逆にSEはシステムの管理など、できることがレベルによって単価に大きく影響があります。
2.アプリができるまでの流れ
アプリで新規顧客や新しいサービスを考える場合、1日でも早くリリースしたいところですが、どんな流れでアプリができるのかを確認しておきましょう。
要件定義・設計の段階で、どんなアプリにしたいのか?それを叶えるために必要なことなどを具体的に決めます。
- プログラミングでは、アプリでの動きを決めるプログラムを作ります。
- システムテストでは、プログラムや機能などが指示書通りに動いているかを確認します。
- 運用テストでは、実際に操作してシステムが問題なく動いているのかを確認します。
- リリース申請では、アプリを公開するために必要な手続きを行います。アプリの審査等ありますが、iphoneとAndroidによって仕様に違いがあります。
- 納品は、完成したアプリ以外にマニュアル・ライセンスなどを説明して依頼者に渡します。
- 運用・保守にて、納品後もアプリのバグに対応したり、アップデートを行なっていきます。
アプリ開発期間は簡単なもので約3ヶ月から1年はかかると言われています。
人と日数で金額が変わってくるので、見積もりの段階できちんと確認して費用を考えておく必要があります。
3. 見積もり前に決めておきたい6つの費用
では、どんなことを決めて見積もりを依頼するべきでしょうか?
大事なことは、作りたいアプリを具体的にすることです。
どんなジャンルのアプリであっても、見せ方に違いがあっても、アプリ内でしたいことは同じです。それは、エンジニアが見積もりを出すために知りたいことでもあります。
事前に決めておくべきことを、6つご紹介します。
3-1.OSを決める
開発したアプリをどのOSで公開するかを決めてください。
基本的にアプリはスマホ用に開発されますが、スマホには、iphoneやipad用の「ios」とXperiaやGALAXY用の「Android」の二種類があります。
この2つは、同じスマホでも異なるものと考えてください。プログラミングの言語や開発環境に違いがあるので、どちらにも対応できるアプリとなれば、アプリを2つ作ることになるので、費用は倍になります。
費用の相場としては、いずれも約100~200万円(1アプリ)です。
OSもバージョンアップしているので、旧バージョンをどこまで対応するかも決めてください。対応するOSが増えることで、費用も高くなります。
3-2.ユーザーの個人情報やデータの使用
ユーザーの個人情報を使用する場合のパターンは2つあります。
- すでにあるデータを使用する
- 新規でデータを取得する
ユーザーに関するデータを持っている場合は、そのまま活用できるので費用は約10~20万円です。しかし、新規の場合には取得したデータを保管・管理するデータベースが必要となるので、費用は約50~70万円となります。
3-3.ログインの必要
アプリの利用にログインが必要になるのかを決めてください。
ログインの方法としては、SNSのアカウントを利用してする場合と、メールアドレスでログインする場合とあります。
費用を決めるポイントは、「個人情報のデータを管理するのか? 」です。SNSのアカウントの場合は、SNS側で保存されているので管理の必要はありません。メールアドレスの場合は、管理する必要があります。
つまり、メールアドレスでログインする場合の方が、アプリ開発では費用がかかります。
相場はこちらです。
- SNSのアカウントの場合は、約10~20万円
- メールアドレスの場合は、約20~40万円
3-4.決済システム
商品やサービスの購入、ゲーム内での課金など決済システムが必要となります。
以前からの決済システムは引き続き使用することができます。新規の場合には決済システムの機能を作る場合には、システム構築が必要となります。
また、決済方法にもクレジットや銀行振込などあるので、こちらも決めておきましょう。
相場はこちらです。
- 決済システムを引き続き使用する場合は、約10~20万円
- 新規の決済システムを使用する場合は、約30~50万円
3-5.デザインの依頼
デザインは、アプリの人気を左右するのでこだわりたいところです。
色やボタンの形など、見た目の評価はもちろんですが、操作時の使い勝手の良さや、スマホの画面でも見やすいように文字の大きさや配置まで考える必要があります。
そのため、「誰に依頼するのか? 」によってアプリの良し悪しも決まり、費用にも影響してきます。また、デザイナーの経験と実績も単価に影響します。
アプリのコンセプトに合わせたデザイン資料がある場合は、約10~30万円です。一式デザインを依頼し、企画から参加してもらう場合には、その倍以上となり最低でも約50万円で100万円を超えるケースもあります。
3-6.他社のツールの使用
他社のツールを組み込んで、アプリで使用することができます。
一番分かりやすい例として、「Googleマップ」があります。最寄りや指定した地域の店舗を探したり、道順を確認できたりします。
その他にも、カメラや音声などが使用可能です。
相場としては、最も多く使用されるGoogleマップで約10~20万円となり、カメラや音声などは約20~80万円の費用がかかります。
一つ一つ項目を見ていくと、見積もりが簡単にできないことが分かります。これらの相場から、全て新規でアプリ開発をする際には、1,000万円近くの費用が必要となります。
知らないと損をします。見積もり前に決めておくことと、分からないことは相談しながら進めていくことが大切です。
4.まずは、シュミレーターで見積もりの概算
出典:https://www.creativevillage.ne.jp/mitsumori/#1
アプリ開発では、依頼者がとうていイメージ仕切れていない部分での費用が多くあることが分かりました。
なんとなく理解できたところで、シュミレーターを使って見積もりの概算を確認して、さらに理解を深めていきましょう。
実際の見積もりの場で、「どんなアプリを作りたいのか、制作してほしいこと、用意できるもの」などが伝えられたら、無駄な費用も発生しないので一度試してみましょう。
How much does it cost to make an app? – App Cost Calculator
いずれも、「アプリ開発の流れ」に沿って質問が始まります。流れとともに見積もりの場で聞かれそうなことも分かり、依頼者側の考えもまとめやすくなります。
5.見逃しがちな費用について
アプリ開発は完成して公開したら終わりではありません。ホームページなどと同じように見えない部分で必要となる費用があります。
見積もりに反映されていないケースもあるので、こちらの費用についても確認しておきましょう。
5-1.開発中からかかる費用
アプリ開発のために用意しておくものはこちらです。
- サーバー取得に関わる費用
- SSL証明に関わる費用
- ドメイン取得に関わる費用
まずは、サーバー等の取得に関わる費用があります。すでに用意があれば必要はありません。さらには、アプリの動作確認のために、該当する端末(スマホなど)を購入する場合にも費用が発生します。
諸費用を合わせて50万円前後と考えておきましょう。
5-2.開発後にかかる費用 その1
アプリが完成したら、まずは、リリース申請時に登録料が発生します。
iosアプリとAndroidアプリ、それぞれ登録が必要です。
iosアプリの場合は、「Apple Developer Program」に登録を行います。料金は99US$で日本円では1万円程度です。(為替レートによる変動あり)アプリを公開している限り、年単位で支払いが必要となります。
Androidアプリの場合は、「Googleディベロッパーアカウント」に登録を行います。料金は25US$で日本円では2,700円程度です。(為替レートによる変動あり)こちらは、初回のみです。
5-2.開発後にかかる費用 その2
最も大事なのは、運用と保守です。
アプリ公開後にバグの修正やアップデートなど、どのように対応してもらえるのか、年数や保守内容によっても費用は違います。
毎月数百万円の保守料金がかかるケースもあります。
ユーザーが求めるアプリは、使いやすくて便利なものです。公開して分かることもあります。迅速に対応ができなければアプリの評価は下がります。
高い保守料だから、内容が充実しているとは限りませんから、きちんと契約内容を確認してください。
6.まとめ
アプリ開発は、システムエンジニアやプログラマーによって作り出され、依頼する側から見れば分からないことばかりです。分からないを理由にしていると見積もりが取れず、アプリ開発もできません。
誰でも頭の中にはイメージがあります。まずは、そのイメージを書き出したり、仲間に話してみましょう。上手に伝えられないと思う時には、すでに公開されているアプリからイメージに近いものを選んでみてください。
スタートは意外と単純です。
あなたが伝えることで、周りにいるクリエイターが形にしてくれます。ここからより詳しく打ち合わせを進めていくことができます。
分からないと相手任せにせずに、少し理解する努力をしてみましょう。
費用を考える基盤を作りましょう。