食べログとぐるなびはどこが違うのか? ビジネスモデルを徹底検証

「食べログ」は美しい収益構造をもったビジネスモデルなどといわれる。

そこで、食べログがどのようなビジネスモデルを採用しているのか、他のWebサービスとは何が違うのかなどを解説していく。

食べログのビジネスモデルを理解すれば、他のビジネスにも活用できるだろう。

1.「食べログ」のビジネスモデルとはなにか

飲食店を検索すれば、必ずといっていいほど検索上位に表示されるのが「食べログ」だ。


食べログ

食べログはWebサービスのひとつを提供しているわけだが、Webサービスのフレームにはいくつか種類がある。

食べログはそのうち「リボン型ビジネス」というビジネスモデルを採用している。リボンの形状を想像してもらいたい。その中心に位置しているのが「食べログ」、そして左右にはそれぞれ店舗とWebを閲覧して利用するユーザーがいるというわけだ。

その役割は、店舗とユーザーをつなぐことである。つまり、ユーザーに有用な情報を提供することによって店舗に来店する橋渡しをしているプラットフォームを担っている。

2.「食べログ」のマネタイズとは

では、食べログはどのようにして収益をあげているのだろうか。

主なマネタイズ方法は、ユーザー側からの収入が「有料情報(月額300円)」、店舗側からの収入が「店舗有料掲載費」「ネット予約手数料」である。他に「アプリ・サイト内広告」がある。

2-1. 主な収入源はユーザーから

このうち、食べログの主な収入源となっているのが、ユーザー側からの収入である。

つまり、リボン型ビジネスで中間に位置してはいるものの、重視しているのはユーザー側ということになる。ネット予約手数料もアプリ・サイト内広告も結局はユーザーありきだからだ。

2-2. 「食べログ」がもっとも注力して取り組んだこと

食べログは「失敗しないお店選びのサポート」をコンセプトにしている。

そして、圧倒的な店舗数と豊富な口コミ情報を武器に、月間ユーザー数は9800万人以上、ウェブサイトの月間PVにすると実に18億を獲得している。

Googleトレンドを調べてみても、似たサービスのぐるなびに比べ、メディアとしての支持を多く得ているのは食べログのほうである。

できるかぎり多くのユーザーの役に立つことが、ユーザー側からの収入を重視している食べログにとっては最も大切なことなのだ。もっとも力を入れて取り組んだことが実を結んでいるといえるだろう。

3.ぐるなびやRettyなどとどこが違うのか

食べログと似ているビジネスはいくつもある。

たとえばユーザーレベルでは、食べログとぐるなびは特にこだわりがなければ、区別がつかないほどだ。

また、Retty、ホットペッパーグルメなど、他のWebサービスも存在する。食べログとぐるなびの違いは、ユーザー側か店舗側のどちらの収入を重視するかの違いが大きい。

3-1. ぐるなびの収益源


ぐるなび

食べログはすでに説明したようにユーザー側であるのに対し、ぐるなびは店舗側で、店舗にさまざまなサービスを有料で提供することで主な収益を上げている。

たとえば、IT活用支援であったり、デリバリー展開を支援したりということだ。また、データを解析した情報をもとにメニュー開発支援を行ったりする。

3-2. Retty、ホットペッパーグルメの収入源


Retty


ホットペッパーグルメ

Rettyやホットペッパーグルメとの違いは、おおまかにいえばユーザーに提供するサービスの違いなどであり、リボン型ビジネスでユーザー側の方を向いているという意味では変わらないといえる。

たとえば、Rettyは実名のみの投稿となっており、信頼性の高い口コミを提供してユーザーを集めている。

ホットペッパーグルメは、ネット予約機能が充実しており、これによって予約が入るたびに店舗側から収入を得ている。

この場合、直接的には店舗側からお金が入るが、利用者が多くなければ収入は増えないため、やはりユーザーの方を向いたリボン型ビジネスといえるのだ。

4.明暗くっきり!? 食べログとぐるなびの違いと共通点

食べログとぐるなびは比較されることが多い。

というのも、リボン型ビジネスにおける立ち位置が違うことによって、明暗が分かれてきているからだ。

そこで、食べログとぐるなびの共通点と違いがどのように企業の成長率に影響しているかみていきたいと思う。

4-1. 労力をかけない収入の仕組みを構築した食べログの戦略

結論を先に書くと、食べログのほうがインターネットを上手に使い、労力なしに収入を得るシステムをつくりあげたがゆえに、将来性があるということだ。

知っている人もいるだろうが、食べログは年率40%で成長している。売上高の推移をみても、安定して成長しているといえるだろう。

この土台となっているのが「ユーザー課金」である。

食べログはユーザーに有用な情報を提供することにこだわっているため、こうした有料サービスは必然の成り行きだ。ユーザー課金にはふたつのメリットがある。

ひとつは潜在的なユーザー数が膨大なため、将来性が見込めるとともに、安定した成長が見込めるということだ。

しかも、労力がほとんどかからないため、粗利の収益的にも非常に大きい。月間ユーザー数は9800万人以上となり天井が近いと分析する人もいる。しかし、仮に成長が鈍ったとしても膨大な収入が見込めることに変わりはない。

4-2. 手間をかける積み上げ型戦略のぐるなび

一方、ぐるなびの売り上げの多くを占めるのが店舗からの収入である。これは営業などによって開拓した、中小規模の店舗が中心だ。

そのため、今後の開拓の仕方によっては、食べログのユーザー数よりポテンシャルを持っていると分析されることもある。しかし、成長率という意味では食べログに劣るといってよい。

ぐるなびは、いわば店舗という1本ずつの木を植えていくようなビジネスモデルであり、着実に成長するが、手間はかかる積み上げ型といってよいからだ。

一方、食べログの場合、種をばらまいて収穫を待つというようなビジネスである。

食べログは、現在収穫期に入り、急成長している。ただ、その段階になるまでには大量の店舗情報を網羅し、ユーザー数が十分に増えるまで待たなければならないのだ。

5.この親(価格.com)にしてこの子(食べログ)あり!

食べログのビジネスモデルは、食べログを運営するカカクコムグループが同じく運用している「価格.com」から引き継いだ手法といってよいだろう。

いろいろ分析の仕方はあるだろうが、上手に引き継いでいるといわれているのは「大規模なサイトの運営方法」「SEO対策」という2点だ。


価格.com

カカクコムグループは、すでに価格.comをビジネスとして成功させていたから、種をまいて収穫を待つということが可能だったといえる。

そこで、家電などの分野から裾野を広げ、飲食業を対象に、似たようなビジネスモデルを提供しようと考えたのだろう。

実際これは成功し、今や国内最大数の紹介店舗数とユーザー数を持つのが食べログだ。しかも、食べログの事業目的をお店選びに絞ることで成長を早く確実にした。

価格.comではユーザー、店舗、メーカーと3者を密につなげるプラットフォームの役割があるので、今後、プラットフォームを充実させる取り組みも積極的に行っていくのかもしれない。

また、どのような対策を行っているのか詳細は不明ながら、明らかに優れたSEO対策を行っているのが食べログだ。

おそらく、価格.comのノウハウなどが転用されているのだろう。検索上位になることは、ユーザー数を増やすうえで絶対必要なことなので、これは大きな武器となる。

価格.comから引き継いだこれらのサイト運営方法によって、食べログも多数のユーザーから支持を集めるようになった。

これだけの人気サイトが存在していると、中小規模の企業にとっては大きな参入障壁となるだろう。仮にビジネスモデルが詳細に公開されたとしても、これを真似るのは、大規模な会社でなければむずかしい。

6.食べログの成功フレームワークを上手に移植する

パソコン、家電、本、車とあらゆるものを扱う価格.comや、多数のユーザーがいる飲食業と違い、もっとユーザー数が少ない分野で食べログのビジネスモデルを採用して成功した事例がある。それが「みんなのウェディング」である。


みんなのウェディング

この業界も古くからあったので、ぐるなびと同じように店舗からの収入をメインとしている「ゼクシィ」が存在した。しかし、「みんなのウェディング」はリボン型ビジネスでユーザー側に向くことで成功したのだ。

つまり、古くからある業界では、食べログ・ぐるなびと同じ構図が存在する可能性が高いということである。

そして、食べログのフレームワークを抽出して上手に当てはめることによって成功のチャンスがあるといえるだろう。事業機会をみつける際には、食べログなどの先行事例を適用できないか考えてみるとよい。

7.「食べログ」のビジネスモデルは汎用性あり

成長著しい食べログのビジネスモデルは、ユーザー側を重視したリボン型ビジネスだ。

Webによって世界中の人々がつながる現在において、安定的に収益をあげている食べログのフレームワークは、他の事業でも応用可能である。

先行している成功事例から類推して、事業に当てはめていけば成長のチャンスが広がるだろう。

  
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