ソーシャルゲームでのマネタイズ手段!アプリ内課金には限度がある?

スマホと円記号

すでにさまざまな企業がアプリを配信しているソーシャルゲーム。
マネタイズ手段は非常に限られており、アプリの開発資金のほうが高くついてしまっているという現状に追い込まれている開発者もいるのではないだろうか。

今回は、ソーシャルゲームでのマネタイズ手段をひも解くとともに、海外では日本のマネタイズ手段が通用しない理由を解説するため、参考にしていただきたい。

1. 現在のソーシャルゲームのマネタイズ手段

現在のソーシャルゲームはフリーミアム型ビジネスモデルが主流で、マネタイズ手段はアプリ内課金が多い。
日本では、もっぱらキャラクターなどを「ガチャ」によって獲得するというシステムにマネタイズ手段を頼る形となっている。

近年のスマートフォン向けゲームでは開発費としておよそ5億円が見込まれている。
3億円が実質的な製作費、1~2億円をマーケティング費用に回し、およそ3カ月分遊べるように下準備をしておかねばならない。

すなわち、3カ月程度で開発費が勝るようであれば撤退してサービスを終了している企業が多数なのが現状なのだ。開発費やマーケティング費用を賄うマネタイズ手段は日本では「ガチャ」システムに頼っている。

「ガチャ」とは課金してガチャのボタンを押すと、ランダムでキャラクターが得られる仕組みだ。
キャラクターは選べず、プレイヤーが欲しいキャラクターを得られるまでガチャを回すケースが非常に多い。そのためゲーム内課金が主流となっているのだ。

通常遊ぶ分にはガチャを引かなくても良いが、キャラクターを強化したりより強い性能を備えたキャラクターが欲しいときに「ガチャ」をしなければいけない。
イベントごとに服装の変わったキャラクターを引くためにガチャの売り上げが増えるというビジネスモデルが一般化している。

現在、ソーシャルゲームのマネタイズ手段はガチャシステムに依存する形になっている。
これは以前のソーシャルゲーム全盛期とは異なるマネタイズ手段だ。なぜガチャシステムに頼る形になってしまったのだろうか。

2. なぜガチャシステムに頼ってしまうのか

ソーシャルゲーム全盛期では、コンテンツの消化が早かった。
ソーシャルゲーム全盛期では、「スタミナ」を消費して遊び、クリックでクエストやゲームのシナリオを進め、レイドバトルなどで協力し合いながら戦うという体制をとるものが多かった。

スタミナを消費して遊ぶため、スタミナ回復のために課金するユーザーが多かったといえる。
次第にソーシャルゲームはスマートフォン型に移行し、ただタップするだけではなく、よりアクション性が高いゲームが増えたのだ。

また、スタミナ回復のために課金する必要がそもそも減ってきて、ガチャシステムに収益化を依存する形になってきたといえるだろう。

ガチャシステムに収益化を依存している企業が多い。
しかし、スマートフォンでのソーシャルゲームのマネタイズ手段は主に4つある。

3. スマートフォンソーシャルゲームのマネタイズ手段

ここでは、スマートフォンソーシャルゲームでいかにマネタイズするかという手段を4つ紹介する。

3-1. 売り切り型ゲーム

売り切り型は、有料でゲームを売り出すタイプのマネタイズ手段だ。
売り切り型の特徴は、これまでゲーム機で遊んでいた有名タイトルなどをスマートフォン向けに移植するという点にある。

人気タイトルのゲームを有料で販売し、ユーザーはゲームを購入してスマートフォンで遊ぶという形態をとっている。

有名なタイトルのゲームでない限り、売り切り型でマネタイズを狙うのには限界があるだろう。また、移植費用もかかるため、それらを回収できる見込みがない場合は手を出さない方が無難だ。

3-2. 広告付き無料型ゲーム

無料ですべてのシナリオを遊べるが、ゲーム内のさまざまな部分に広告が表示されるマネタイズ手段のことだ。

ゲームのシナリオ切り替え時や、画面の下部などに広告を挿入し、広告費を得るゲームだ。
無料ですべてのシナリオを遊べる点はユーザーに人気だが、誤って広告をタップしてしまう、広告が邪魔だというクレームも生みやすいモデルだといえる。

広告を挿入する量やバナー広告を貼る位置をよく考えて開発するとよいだろう。このタイプのゲームには、有名タイトルでないゲームや製作者のオリジナルゲームが多い傾向にある。

3-3. アプリ内課金ありの無料型ゲーム

先述した通り、ゲームを遊んだりキャラクターを強化したりする際に課金する必要があるゲームである。
日本のソーシャルゲーム市場でのメインとなるマネタイズ手段だ。
スタミナ回復、キャラクター強化、イベント限定キャラクターなどをゲットして遊ぶ際に課金が必要となる。

この手段を確立させるには、ユーザーに有償アイテムを購入したいと思える魅力を作らねばならない。3カ月で軌道に乗らないようであればサービス終了する企業が多い。

3-4. 広告、アプリ内課金ありの無料型ゲーム

現在注目され始めている、ソーシャルゲームにおける新しいマネタイズ手段である。
成功のカギを握るのは、以下の事項をいかにうまく配分するかだ。

  • 課金アイテム
  • アイテムの価格
  • 広告を入れる量や手段

課金アイテムにできる限りラインアップをそろえておくことが大切である。
新参プレイヤーと既存プレイヤーで遊び方に差がついてしまう可能性が高いからだ。

効率よく強化するために課金する人もいれば、目当てのキャラクターが欲しくてガチャを回す人など、課金ユーザーにはさまざまなニーズがある。
それらに応えるためには課金アイテムに多様な種類が必要となるだろう。

価格に関しては、ユーザーの財布事情にあわせて5、6種類程度の幅を設けるとよいだろう。
新規ユーザー限定のパッケージを備えておくなど、新参プレイヤーの獲得、その後のゲームへの継続にも注力すべきだ。

広告に関しては、ポップアップ型であれ下部表示型であれよいイメージをもっているユーザーは少ない。
広告を閲覧することでアイテムを得られたり、スタミナが回復したり、シナリオをやり直せたりするなどユーザーにとって魅力的なポイントを用意しておくと悪印象は抱きにくいだろう。

しかし、毎回のように広告が表示されれば面倒に感じるユーザーが多いため、頻度はユーザーの声を聴きながら調整すべきだ。

値下げセールを行ってマネタイズしようと考える開発者もいるだろうが、頻繁に行ってしまうとユーザーが次の値下げセールを待って通常価格ではアイテムを購入しなくなってしまうおそれがある。
そのため値下げセールはマネタイズ手段としてオススメしない。

4. 日本のガチャシステムでのマネタイズ手段は海外では通用しない?

キーボードを打つ人

日本では主流のガチャシステムだが、海外では売り上げが伸びていないのが現状だ。
そのため、ゲームの知名度を上げたい、世界的にヒットする商品を作りたい、世界で販売することで売り上げを伸ばしたいという開発企業のもくろみが崩れているケースが多々ある。

ガチャシステムが成功するためには次のような条件を満たしている必要がある。

  • 大量のデータをサーバーから、ガチャをひくたびにダウンロードしなければならないこと。
    これには通信速度が求められる上、パケット通信を大量に消費する。
    海外の追加パケットは日本と比較して2~3倍のコストがかかる。
  • スマートフォンなどのダウンロード先の端末に容量が確保されていること。
    海外では古い端末を長く用いることが通常であるため、高速大容量のゲームをダウンロードすることに向いていないケースが多い。

海外でスマートフォン向けソーシャルゲームを販売しようと考えている場合、「まずは日本」という考えは捨てるべきである。
なぜなら、日本で最も多いマネタイズ手段であるガチャシステムが海外では通用しないからだ。
日本向けのゲームを海外で販売するのは敗北そのものを意味している。

5. 海外で稼げるゲームの特徴

先述のとおり、海外のスマートフォンは高速大容量のゲームをダウンロードすることに向いていない。

海外で稼げるゲームの特徴は、もともと製品版が海外でも売れている有名タイトルをスマートフォン版ゲームに合わせて簡略化して楽しめる作品だ。
製品版に近づけると開発費や宣伝費がかかり、コスト回収に手間をさかなければいけなくなる。簡略化して遊べるゲームだと、海外のスマートフォンにも柔軟に対応できるだろう。

6. 日本とは全く異なる海外での開発事情

日本は大規模プロジェクトとして立ち上げ、膨大な人員をつぎ込み、さらに運営コストも多いのが一般的。
失敗すれば即撤退するケースが多い。

しかし、海外では人員が少なく、運営コストをかけないため、売れない場合は開発しなくなり、低コストのサーバーを放置しておくだけになる。
日本とは全く異なるマネタイズ事情をよく理解してから開発に取り組むべきだろう。

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