生理日予測などの機能がある体調管理アプリ「ルナルナ」は、リリースしてから長きにわたって女性の支持を得てきた。
この記事では、ルナルナのビジネスモデルが成功した理由、メリットや社会人が参考にしたいポイントを解説していく。
目次
1. ルナルナの詳細を紹介!生理以外の体調も管理
1-1 生理から妊活まで女性をサポート
基本的なルナルナの機能は無料プランでも利用可能だ。
生理日を予測し、スケジュールを画面上で管理できる。
有料の「プレミアムコース」になると生理以外の体調管理や妊活もサポートしてくれる。
日々の体調管理を希望する「ベーシックコース」や妊活に特化した「ファミリーコース」など、用途に合わせてプランを選べるのはルナルナの特徴といえるだろう。
さらに、ルナルナには体温ノートもそなわっている。毎日の基礎体温をシステム内に記録し、後から振り返ることも可能だ。そのほか、治療の記録をつけることもできる。
1-2 通院もルナルナで楽に
体調の予測、記録だけでなく、ルナルナは通院記録用としても知られているアプリだ。
産婦人科や婦人科をアプリ内で検索し、予約するまでが可能である。
妊娠について調べたり、妊活を始めたりしたい女性でも手軽に使えるのは大きな魅力である。
そして、ルナルナに記録されていく情報は担当医とも共有できるのだ。
基礎体温などの情報が伝わっているので、通院するたびに細かく説明する手間が省ける。
女性の健康状態、妊活の経過を医師が詳しく把握してくれるのも安心だ。
ルナルナは、女性目線に立って「こんなサービスがあったら便利なのに」という思いに応えてくれている。
2018年の時点でダウンロード数は1200万を超えており、業界を代表するヒットサービスとなった。
2. ルナルナ開発の経緯!ヒットを支えている努力とは?
2-1 最初は情報サイトとして誕生
2000年、株式会社エムティーアイによってルナルナはリリースされる。
当時は女性のための情報サイト「ルーナ」という名称だった。
もともとエムティーアイは携帯電話向けのサービスの企画・販売を行っている会社だった。
数々の事業を手がけるかたわら、女性ユーザーが安心して使える妊娠や妊活についてのサービスが少ないことに気づき、ルーナに力が注がれていく。
2007年にはアプリサービスという形でルナルナが発表され、その後のビジネスの基盤ができあがった。
ルナルナは時代とともに進化を続けながら、多くの女性や病院、クリニックから高評価を得ている。
2-2 膨大なデータが新サービスのアイデアになる
大ヒットした後も、事業部がルナルナにかける情熱は変わっていない。
ルナルナの担当スタッフは1年かけて、約200名の女性をモニタリングし、データを収集している。対象となっているのは10代の少女から40代以上の中高年までさまざまだ。
徹底した調査の成果として、ルナルナ事業部には女性のさまざまな悩みを把握するまでになった。ひとつひとつに寄り添いながら、解決に向かおうとする姿勢がルナルナのクオリティを高めているのである。
2016年から導入されたファミリーコースにおける「妊娠確率の高い日を割り出す機能」などは、ユーザーの声があったからこそ提案できたアイデアだといえるだろう。
3. ルナルナを生み出した現場の考え方とは?
3-1 データから潜在的な欲求を想像する
現代社会は、ビッグデータがものをいう時代になってきた。
どれだけのデータを収集し、解析しきれるかが企業戦略の方向性を決定づけるのだ。
ルナルナ事業部も例外ではない。
しかし、ルナルナがユニークな点は、データ分析のその先まで想像して開発を進めていることである。
生理や妊娠といったナイーヴな問題において、女性ユーザーは決して雄弁ではない。
だからこそ、企業側がユーザーの声にならない声を汲み取らなくてはいけないのである。
ルーナから派生してルナルナが誕生したとき、「生理予測をアプリにするなんて」と世間は驚いた。
ただ、ルナルナのヒットはサイレントマジョリティーの意見が無視できないことを物語っている。
3-2 多様性を認める
ルナルナが便利なアプリとして高評価を得ているのは、どのようなタイプのユーザーからも受け入れやすいからだろう。
妊活などの現場では、ともすれば女性は多大なプレッシャーを背負わされてしまう。
サポートする立場のサービスが、女性を苦しめてしまう恐れもあるのだ。
ルナルナ事業部ではスタッフの多様性ある意見を認め、ルナルナの使い方に幅をもたらした。
ユーザーの求めている情報は人それぞれである。
「女性ならこうするべきだ」と押しつけるのではなく、ユーザーの個性に合わせて利用できることがルナルナの愛される理由なのだろう。
4. ユーザーの声を知る!ルナルナのどの点が優れているのか
4-1 女性たちの声が魅力を伝えてくれる
実際に、女性ユーザーたちの声からルナルナの魅力を分析してみる。
使ってみた張本人だからこそわかるメリットはたくさんあった。
・アドバイスがもらえて安心
ルナルナの「アドバイス機能」を重宝している女性たちは多い。
ルナルナは入力された情報をもとに、女性に体調管理のアドバイスを送ってくれる。
たとえば、「今は体調が優れないのでダイエットは控えるべき」などのコメントが表示されるのだ。
・日記代わりにも使える
メモ機能では500字以内で簡単な文章を残すこともできる。
ユーザーの中には日記として利用しているとの意見もあった。
スマホなどで簡単に見返せるので、妊活中の思いや行動を振り返りたいときなどに便利だ。
・自分の体調のバイオリズムを把握
日々の記録をつけていると見えてくるものもある。
ルナルナによって、自分のバイオリズムを理解できたというユーザーもいた。
どんなときに体調不良や生理不順が訪れるのか、パターンを把握すれば対策も立てやすい。
・日々の予定が立てやすい
女性にとって生理などのイベントが不意に訪れると、どうしても予定をキャンセルせざるをえないときが出てくる。
ルナルナなら、体のイベントの周期を予測しやすい。
「友だちと気軽に約束できるようになったので、ストレスがなくなった」との口コミもネット上には投稿されていた。
5. ルナルナのビジネスモデルが成功した理由
5-1 誰のための商品・サービスなのかを考える
多くの企業はつい、「売りたい商品」「おすすめしたいサービス」を強く訴求する傾向にある。
しかし、成功しているビジネスモデルでは逆であり、「ユーザーがほしい商品・サービス」を企業が提供しているのだ。
ルナルナは、幅広い年代の女性たちが安心して使えるサービスにこだわった。
初期からコンセプトは一切ブレておらず、新機能が追加されるときもおおむね好評で迎えられている。
ビジネスにおいては、誰を喜ばせるために行うのかをよく考えるべきである。
いかに技術が優れていても、ユーザーに受け入れられなければ売上につながらないのだ。
5-2 情報収集と分析を大切にする
会社が通信サービスをメインに行っているだけあり、ルナルナ事業部はビッグデータの重要性を正確に理解している。
開発時からヒットにいたるまで、事業部ではデータ収集を怠っていない。
そして、ビッグデータとは一目見てはっきりと正解が映し出されるようなものではなく、隅々を見渡してようやく法則性が浮かび上がる代物である。
ルナルナは、ビッグデータの深い分析があったからこそ充実した内容になった。
ITや通信業界だけに限らず、現代ではデータを制するものがジャンルを制する。ルナルナは貴重な成功例をビジネスパーソンに指し示してくれた。
6. ルナルナのビジネスモデルはユーザーに安心感を与える
体調管理アプリのようなサービスでは、ユーザーに安心感を与えなくては爆発的なヒットが望めない。
徹底的なリサーチとユーザーに寄り添う気持ちで信頼をつかんだルナルナのビジネスモデルは、社会人に成功のヒントを与えてくれる。