ビジネスの成功に欠かせないのが、マネタイズ。
マネタイズの成功に役立つ1つの方法は、成功事例を調査し、手本にすることだ。
ここでは、インスタグラムがどのように世界中に爆発的に広がっていったのか、世界中の人々を魅了しているのはなぜかを解説。
インスタグラムのビジネスモデルから、マネタイズ成功の秘訣を学ぼう。
目次
1. インスタグラムの歴史
2010年10月6日、アップルストアでリリースされたインスタグラム。
リリース3カ月でインスタグラムユーザーは100万人を超え、翌2011年にはユーザー1000万人を突破した。
2012年にはユーザー3000万人を突破し、Android版でもリリースを開始。
Facebookによる10億ドルでの買収に合意した。2012年末には、世界25言語での使用が可能になっており、翌2013年には、ユーザー1億人を達成。
2016年にはインスタグラムユーザー数は5億人を超え、2018年には全世界のユーザー数が10億人を突破した。
インスタグラムは日本国内でも普及。
2014年には日本語版公式インスタグラムアカウントが開設され、ユーザー数は400万人を獲得していた。
2015年には広告機能の追加により企業アカウントが増え始め、カメラ性能が向上した「iPhone6s」が発表された頃には、ユーザー数は1200万人ほどに増加。
2017年には「インスタ映え」が流行語大賞に選ばれるほどにまで、インスタグラムが普及する。2018年には、日本国内の月間利用者数が2900万人を突破した。
2. インスタグラム開発のきっかけとこだわり
世界中に爆発的に広がったインスタグラムだが、初めから成功が見えていたわけではない。
創業者のケヴィン・シストロムとマイク・クリーガーが最初に開発したのは、「Burbn」という、位置情報とともに写真などのコンテンツを共有できるアプリケーションであった。
期待していたような成果は出なかったが、彼らはユーザーの情報を分析。
その結果、多くのユーザーがアプリを用いていた目的は、写真を共有するためだったという事実が判明したのである。
2-1. ユーザーのニーズに着目する
そのため、どう使ってほしいかよりも、「どう使われているか」という観点からユーザーのニーズに着目し、写真共有機能にフォーカスしたインスタグラムを開発したのだ。
2人は、関係のない機能は除いてアプリをシンプルにし、サービスの改善に努めた。
まずiOS対応アプリのみに絞ったのは、確実さを追求したからである。
そして、世間にインスタグラムに注目してもらうために、有名なデザイナーやインフルエンサーを招待した。
インスタグラムで重視されたのは、ユーザーを増やすことよりも、満足のいく体験を提供することでユーザーを離脱させない質の高さ。
ユーザー体験を大切にすることで、自然とコアユーザーの口コミが広がり、世界中に広まっていったのだ。
人気の高まりを見て、早い時点でさまざまな外国語に対応したのも、世界中にインスタグラムが普及した要因の一つと言えるだろう。
3. インスタグラムはユーザーのニーズに応えた
写真共有機能ユーザーたちの願いの1つは、美しい写真を撮ること。
その当時、携帯電話で撮る写真の画質はとても悪く、既存のアプリでは高額なフィルターが提供されていた。
そこで、より魅力的で無料のフィルターを提供。
カメラ好きの創業者のこだわりとアイデアがつまったフィルターは多くのユーザーをひきつけたのである。
3-1. 「自分の幸せな体験を残したい、シェアしたい」を叶えるアプリ
良い写真が撮れたら、他の人にも見てほしい、というのが次の願いだ。
インスタグラムを利用すれば、写真を撮り、より良くみえるように加工をし、シェアすることが簡単にできる。
「自分の幸せな体験を残したい、シェアしたい」という自然なユーザー心理を実現できるアプリなのだ。
また、友人や家族など、他の人の写真を見ることも可能。
有名人の投稿を見れば、食べ物や服装などに関する旬の情報がいち早く手に入る。
現在では、使用できるフィルターの種類が格段に増えた。明るさや色など、写真の基本調節機能と組み合わせれば、こだわりの写真加工がよりスムーズにできる。
インスタグラムを利用すれば、特別な技術がなくても、高精度のカメラがなくても、手軽にプロのような写真が撮れるのだ。
お気に入りの写真は、シェアするだけでなく、作品として残すのも選択肢の一つ。
さらに、スマホの普及やカメラ性能の向上などの状況やニーズの変化に伴い、新サービスの追加や向上も継続的に行われている。
24時間で投稿内容が消えるストーリーズ機能は、日常の何気ないシーンを撮影した写真を気軽に投稿するのにぴったりの機能だ。
動画の投稿も開始されている。
ハッシュタグ機能を使って検索をしたり、他のユーザーと交流したりできるのもインスタグラムの魅力。
観光やレシピなどの情報を検索するのにも便利だ。
4. インスタグラムは質の高いサービスを提供し、ユーザー体験を向上させた
インスタグラムの開発当時、写真共有アプリの問題点は、写真のアップロードにとても時間がかかることであった。
そこで、スピードが遅いとアプリの利用頻度が下がることをふまえ、スピードの問題を解決するためのある工夫を考案。
写真やフィルターを選びながら、バックグラウンドでアップロードを開始しておくという方法で、ユーザーにアップロードが早く終わったという感覚を持たせることに成功したのだ。
また、他のアプリで発生していた問題は、しばしばサービスがダウンすること。
そのため、インスタグラムでは、サービスがダウンしないように、ユーザーがいつでも快適に利用できるようにという点にも注意が払われた。
インスタグラムは、ユーザーに提供する体験をしぼり、その質の向上を目指すことで、ユーザー体験をさらに向上させることに成功。
多くの人に支持されるサービスへと成長したのである。
5. インスタグラムが目指したマネタイズ
現在、インスタグラムの収益の大半は広告による収入だ。
しかし、当初から広告収入を得ていたわけではない。
インスタグラムのリリース当時は、写真加工フィルターの販売がビジネスモデルであった。では、インスタグラムはどのように広告事業を拡大させていったのだろうか。
5-1. 「ユーザー体験を壊さない」ための広告運用への細心の注意
広告掲載の開始に伴い、常にユーザー体験を大切にしてきたインスタグラムの課題となったのは、ユーザー体験を壊さないこと。
おしゃれな写真や動画を見ることを期待するユーザーが、商業的な要素の強い宣伝を見ることで、居心地が悪く感じるようになる懸念があったのだ。
そのため、インスタグラムは、慎重に時間をかけてサービスを進めていった。
最初のキャンペーンには、インスタグラムのイメージに合ったブランドだけを選び、広告の使い方にもこだわったのである。
広告を、商品の宣伝ではなく、ブランドの認知度を向上させたり、ブランドの価値観を浸透させたりするために用いたのだ。
そして、この方針を徹底させるため、インスタグラムのイメージに合った広告作りをサポートする専門部署を設けた。
最近は、さまざまな広告形態やビジネスプロフィールの導入など、ビジネスに関係した機能がますます拡大している。
5-2. カルーセル広告
「カルーセル」と呼ばれる形式の広告は、ユーザーが画面をスワイプすることで、複数の広告画像をスライドショーのように見られるタイプの広告だ。
より雑誌に近い見せ方をすることに成功したのである。
それぞれにリンクがつけられるため、ユーザーとブランドの距離も近くなった。
5-3. ストーリーズ広告
「ストーリーズ広告」は、フルスクリーン広告。
自然に、より具体的にブランドのイメージを伝えることが可能だ。
広告はスキップできるため、興味のないユーザーを煩わすこともない。
Facebookの傘下に入ったことで、Facebookのシステムやマネタイズのノウハウを応用できるだけでなく、じっくりと時間をかけてマネタイズに取り組めるのもインスタグラムの強みであろう。
6. インスタグラムのユーザーを大切にしたビジネスモデルが成功のカギ
世界中で爆発的に普及したインスタグラム。
収益よりも、ユーザーのニーズとユーザー体験を大切にするビジネスモデルが、結果的にマネタイズにつながったと言えるだろう。
マネタイズを成功させるには、ユーザーのことをできるだけ具体的にイメージし、サービスをニーズに合わせて向上させていくことが不可欠だ。
6-1. 番外編:大成功したビジネスモデルの事例
起業をする上で、どのようなビジネスモデルを構築していくかは、とても重要だ。
本来であれば、独自のビジネスモデルを構築したいところだが、起業時には、どのように進めていけばいいのかわからない起業家が多いのも事実。
本記事で紹介した、すでに成功しているインスタグラムの事例のほか、実際に成功している企業のビジネスモデルを紹介する。
起業時のみならず、事業拡大にも大いに役立つ情報だろう。
これをマネすれば大儲け間違いなし?大成功したビジネスモデル5選
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