中国に関する情報は、良くも悪くも常に伝わってくる。
ジャンルも様々で、政治・経済・人種・モラルと多岐に渡る。
これだけの広いジャンルで、多くの情報を聞いてしまうと、「中国はいったいどんな国なのか?」という疑問が生まれる。
日本や海外起業でビジネスを展開している人には、中国との関係は切り離せない。
今回は、中国がどんな国であるかが分かるエピソードを交えてビジネスのポイントを紹介する。
目次
中国企業の信頼度が「最低レベル」となる
米国のPR会社Edelman(エデルマン)の調査によると、中国のファーウェイ(通信機器メーカー)に対する信頼度が、大きく低下しており「最低レベル」までに落ちたという。
ファーウェイといえば、世界有数のICTソリューション・プロバイダーであり、SIMフリースマートフォンなど、端末を手がけるまでに急成長した中国企業としても有名である。また、2017年には世界シェアにおいて、アップルを抜いて世界2位になったという実績もある。
世界的なトップ企業であることは間違いないが、ファーウェイに大きなダメージを与えたのは、CEOの孟晩舟(Meng Wanzhou)の逮捕だろう。
思い出して欲しい。 アメリカの対イラン貿易制裁に違反した疑いがあるとして、2018年12月にがカナダで逮捕された。
どんなに企業が成長して、良い商品を提供していてもCEOが逮捕されたとなれば、話は別だ。一気に信頼を落とすことは言うまでもない。
しかし、この信頼度についてファーウェイだけにとどまらない。Edelmanの信頼度調査「エデルマン・トラストバロメーター」によれば、この逮捕されたという報道が出た頃には、中国企業に対する信頼度はすでに、最低レベルになっていたという。
この調査の実施期間は、2018年10月中旬から11月中旬とされ、2019年1月に公開されている。調査結果は、以下の通りだ。
- 中国企業を信頼する 40%
- アメリが企業を信頼する 54%
- ドイツやスイス、カナダの企業を信頼する 70%
中国企業への信頼は、半数を割る結果となった。
世界トップクラスの企業を抱える国として、この結果は大きく受け止めるべきである。
信頼度の低下は、ビジネスへの悪影響となる
中国が、この結果をどう受け止めているのかは分からないが、今後のビジネス展開のためにも、早急な対応が必要である。
- ガバナンスの向上
- 情報な改善など適切な報告
まずは、これらに取り組むべきである。
「都合の悪いことは隠す」のではなく、オープンにしてその後の取り組みも含めて評価してもらうことは、ビジネスにおいても大事なことだ。
先進国での中国・中国人のイメージについて
このニュースから考えられるのは、中国・中国人とのビジネスに危険はないのかということ。
企業にとって、「信頼する」という言葉は非常に重みがあり、重要とされている。
- ユーザーの購買意欲に繋がる
- 優秀な人材を確保できる
信頼されることで企業は実績を上げていく。
信頼される企業とビジネスをしたいというのは、必然のことだ。しかし、中国の企業はこうした情報に関して対応することは、ほとんどないのだ。そのため、先進国の企業やビジネスマンからの信頼度が、そもそも低いといわれる。理由には、下記のことが挙げられる。
- 企業や情報の透明性
- 環境に対する意識
- 従業員への待遇
理由を聞けば、納得される方もいることだろう。
だが、信頼できないとしながらも、アメリカや日本など先進国は、中国との関係なしにビジネスすることはできない。
製造工場を建設して自社製品を製造したり、中国製の部品や商品を買い付けている企業も多い。人材が豊富なのも魅力だ。
情報通り、本当に中国は信頼できない国なのか? 事例をまとめてみた。
年収は日本の3倍! 高給待遇で迎えられる日本の技術者
高度成長期において、日本は世界を驚かすような発明をして販売してきた。
特に大手電気メーカーと言われる「ソニー・パナソニック・シャープ」などは、まさにその先駆者ともいえる。
しかし、近年はこの3社でも苦戦を強いられている。携帯電話など通信機器も展開していたが、すでに撤退をしている。シャープに至っては、台湾の鴻海精密工業に売却されている。
こうした状況の中、この3社でも大幅なリストラが実行され、奇しくも高度成長期に業績を伸ばした世代が対象となっている。
そんな背景を踏まえ、中国では日本を支えた技術者をヘッドハンティングしている。
商品や製品は売れなくとも、日本の技術力の高さは世界でも評価されている。そこに目をつけたのだ。
実際に、ヘッドハンティングされると、まずは現地で視察を行い、年収など待遇について話が進めていくが、その提示される金額に驚くという。
日本での年収の3倍以上の金額が提示されるケースもあるという。その他にも、住居や休暇、交通費(飛行機代)など全て高待遇だ。
突然の解雇や条件違いはあるけど、やりがいがある
中国からヘッドハンティングされる人の数は、数千人にも登る。実際に働いている人たちは、やはり日本のトップ企業に在籍していた技術者が多い。
立場としては指導者となり、これまで培ってきた技術や環境などが伝えられ現場が改善されていく。
中には、契約時の条件と違うことや、「用済み」として突然解雇されることもあるという。実際にヘッドハンティングされた人の中には、こうした話を聞き、断る人もいる。
しかし、それでも現地に赴く人たちは、現場を変えていきたい、認められた技術を伝えたいという情熱にあふれているという。
そこにはかつての、高度成長期だった日本があるのかもしれない。
ホテル再生! 香港のホテル女王の登場
東京・大阪・京都など日本には有数の観光地がある。古くから観光地や温泉などで栄えた地方も多い。
近年は、海外からの観光客も増えたこともあり、観光ビジネスは売り上げを伸ばしているが、成功しているケースばかりではない。
その中の一つに、長崎県平戸市が挙げられる。
世界遺産に登録されたこの街は、古くから貿易が盛んで異国文化の香りがする。
そして、その中でも「国際観光ホテル・旗松亭」は、昭和天皇から代々、天皇家がご宿泊されたという代表的なホテルだ。
歴史的な街もいまは、観光客もまばらであり、ついには旗松亭も経営破綻をしてしまった。
そこへ名乗りを挙げたのが、中国・香港でホテル女王と呼ばれるリー・サンディ社長だ。これまでに100以上のホテルを立て直した実力者で、その取り組みは見事なものだ。
まずは、2億円を投資する。
- 老朽化した建物の改修
- 部屋に露天風呂を設置(部屋数に限りあり)
- 壁紙の張り替え
そして、自らの人脈を使い中国からのツアーに、平戸を入れてもらえるように働きかけたのだ。
これが当たり、業績は回復してきている。
中国に媚びない日本のスタイル・良さを引き出す
中国のビジネススタイルや、観光客のイメージとして、押しが強く「我れ先に」というイメージがある。お客様といえどもモラルが守られないのは、やり対応に困ってしまう。
だから、旗松亭の社員も社長交代には、リストラをはじめ様々な不安がよぎったという。
しかし、蓋を開けてみれば。
- 現従業員全員を雇用する
- 約100社との取引の継続
- 屋号を継続しての営業
建物や設備以外は、これまで通りだった。これには多くの従業員が安心したことだろう。
さらに続けて、リー・サンディ社長は言う。
- 中国人に媚びる必要はない
- 日本の雰囲気を味わってもらう
平戸市民や従業員、関係者の全ての人へに配慮された再生計画となった。
中国の本質を知り、確かな情報でビジネスをする
2つの事例を挙げてみたが、やはり中国の良い面と悪い面はある。リスクの高い相手なのかどうか? と問われれば、やはりまだ疑問が残る。
現在、中国は、アメリカによる中国への制裁関税によって、大きく揺れている。両国で対話をするという方針ではあるが、メディアが伝える中国側の意見には「屈しない」という姿勢がみられる。
今後、中国・中国人とビジネスをするのであれば、中国がどのような対応をするのか、国内はどんな状況なのかを把握しておく必要がある。
そして、信頼できるかはやはり重要なことなので、入手した情報をすぐに活用せず、慎重に進めることも必要だ。出元なども確認したい。
キャッシュレスやITにおいては、日本人よりもはるかに馴染みがあり、当たり前のように活用している。観光で受け入れる日本人の方が戸惑ってしまうほどだ。
イギリスのブレグジットのようなことも起こりうるから、今後も中国の動向から目は離せない。