DeNaは日本経済の何を変えていった?成功のビジネスモデルを徹底分析

株式会社DeNaベイスターズの勢いが止まらない。プロ野球経営にも進出した後、チームの観客動員も成績も大幅に改善されており、いまや強豪と呼んでも差し支えないだろう。

この記事では、DeNaのビジネスモデルを解説していく。

 

DeNa

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1. DeNaの理念とは?成功の中心にある考え方を知ろう

1-1 ビジネスモデルを限定しない

株式会社DeNaは1999年に設立されたインターネットやモバイルゲームを取り扱っている企業である。

設立者の南場智子はハーバード大学で経営学を学んだ後、マッキンゼー日本支社で役員を務めた経歴も持っている。
DeNaのビジネスモデルが独特なのは、企業の手掛けるジャンルを限定していない点にある。球団経営は最たる例だろう。

万年Bクラスと揶揄されてきた横浜ベイスターズの経営権を獲得したのが2011年で、それ以降の成績と観客動員数はうなぎ上りだ。

また、タクシーやヘルスケア、メディア運営などさまざまな分野で成功を収め続けている。いわば、「ビジネスモデルがないことがビジネスモデル」と形容してもいい。

1-2 インパクトで世間の信頼を得る

DeNaの理念では「インパクト」が非常に重要視されている。
すでに誰かが敷いたレールの上を走るだけでは、収益は出せてもインパクトは残せない。

業界内で評価され、消費者の記憶に企業名を刻みつけるにはインパクトが大切だ。

そのため、DeNaは巨大企業の仲間入りを果たした現在でも挑戦を止めない。
それでいて、「勝てる市場」に挑むことも大切だと南場代表は語っている。

挑戦しただけでは世間の評価は上がらない。

肝心なのは成功する姿を見せつけることだ。
つまり、自社が絶対に勝てる分野を見極め、絞り込んだ市場に対して的確にマーケティングを行うのがDeNaの戦い方なのである。

2. DeNaのマーケティング戦略とは?ベイスターズでの事例を紹介

2-1 自虐的と言われながらも成功を

ターゲット層の心をつかむため、DeNaが実施してきたイベントはたくさんある。
横浜DeNaベイスターズを例に見ていこう。中でも話題になったのは「負けたらチケット全額返金」キャンペーンだろう。

2012年に行われたこの企画は、「自虐的」「プライドがない」との批判を受けながらも、若者層からは熱烈に支持された。

当時のDeNaといえば長い低迷期の終盤である。
いまだ世間からのイメージは「万年最下位」であり、熱心なファンすら積極的には球場に足を運びたがらずにいた。

しかし、「返金」というオプションがつくことにより、かつてのファンたちが球場に戻ってきたのだ。そのうえ、キャンペーン自体の面白さも相まって、「DeNaはユニークな球団」とのイメージが定着していった。

2-2ライトな野球ファンを取り込む

そのほか、球場に動物園を作ったり、観客がプロテストを体験したり、独特のキャンペーンは続いていく。

いずれも、スポーツ的精神からは遠のいているなどの批判が寄せられたのも事実である。
しかし、それ以上の反響としてライトな野球ファンからの関心を集め、動員数増加へとつながっていった。

かつての球団のスターだったラミレスを監督に招へいした2016年以降は、Aクラスにも複数回入るなど成績もついてきている。

2017年にはクライマックスシリーズを制して19年ぶりの日本シリーズ進出を果たした。
こうした、弱小球団から這い上がったストーリーもまた、世間の心をつかむ材料になったのである。

3. DeNaに対する世間の反応はどのように変わったのか

3-1 ユーザーエクスペリエンスに重点を置く時代

ビジネスシーンで、DeNaが衝撃を与えたのは「ユーザーエクスペリエンス(UX)」中心の考え方を浸透させた点だろう。

これまで、日本では企業がユーザーに対してモノを売るのが当然だとされてきた。
モノは売上が分かりやすい。市場で確実に可視化できる商品である。

しかし、サブスクリプション・サービスの台頭などが示すように、世界は徐々にモノではなく感動や喜びといった抽象的な概念を求めるようになっていった。

DeNaはユーザーが企業から受けるポジティブな反応を「Delight」と呼ぶ。
そして、どれほどユーザーにDelightを感じさせる体験を提供できるかが企業の価値だと定義したのだ。ユーザーの体験を表す言葉がUXである。

3-2 UX中心のビジネスモデルが経営戦略を変える

DeNaをはじめとする大手企業がUX中心のビジネスモデルを打ち出したことにより、経営戦略の本質が見直されることとなった。

DeNaではUXありきでマーケティングプランを作っていく。
特定の計画に沿って事業を進めていくのではなく、根底にあるのは「ユーザーがサービスをどのように感じているのか」という一点だ。

ユーザーが快適に感じる商品やサービスを開発してから、「どの層に需要があるか」と考えていく。
従来のマーケティングありきで進んでいく企業経営とは一線を画している。

ビジネスにおけるマーケティングの立ち位置を再考させたのは、DeNaの大きな功績だろう。

4. 数字で見るDeNaの成功!今後の展望でグローバルを目指す

4-1 横浜DeNaベイスターズの動員数が急増

動員数の推移を見ると、いかにDeNaの経営プランが成功しているかが見えてくる。
横浜DeNaベイスターズは2011年から順調に動員数を伸ばし、2018年の年間来場者数は200万人を突破した。

2011年から計算すると、実に1.8倍である。
ただし、DeNa本体の収益はやや下降線を辿っている。

2013年には2000億円を超えていた年間売上も2019年の決算では1300億円を下回った。
これで2年続けて前年度からのマイナス決算となっている。

しかし、DeNaも無策ではない。かねてより掲げていた展開を積極的に行うなど、海外市場に広く目を向けている。

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4-2視線は米国に!グローバル化の努力は続く

DeNaは海外進出のターゲットとして米国を定めている。
IT業界や通信業界が大きな市場を持っている米国で、進出に成功すれば大きなマーケットは開けるだろう。

しかし、DeNaには米国での実績がないので足掛かりを欲していた。
そこで、DeNaは2010年にngmocoを買収するなどして、グローバル化の準備を進めてきた。

ngmocoは2016年に解散してしまうものの、DeNaの本気を世間に知らしめた出来事だったといえる。さらに、サムスンやAT&Tなどの海外企業との連携を深めつつ、海外拠点の数も増えてきている。

日本で磨いてきたユニークなゲーム開発の技術は米国にはないものであり、DeNaの海外戦略は今後も続いていくだろう。

5. DeNa成功の秘訣は?起業家が参考にできるポイント

5-1 ペルソナを明確にする

設立以降、横浜DeNaベイスターズは「20~30代のビジネスパーソンに訴求する」という明確な理念を打ち出した。

そもそも野球観戦にはお金がかかるし、体力もいる。子供や中高年はメインのターゲット層として不適格だ。

若いビジネスパーソンなら恋人や家族と一緒に球場を訪れてくれる。
居酒屋やスポーツバーで仲間と一緒にテレビ観戦を盛り上がってくれる。

何より、インターネットに慣れており、情報収集のスピードが速い。
DeNaは低迷から脱出するために、ターゲットを絞った経営戦略を展開した。

そして、若いビジネスパーソンが食いつくようなイベントを積極的に開催し、話題性を高めていったのである。

ターゲット層のペルソナ化がビジネスの成功を呼び込んだのだ。

5-2 記録だけでなく記憶に残す

無料タクシーなどのユニークな試みが多いのもDeNaの特徴だろう。
ベイスターズの経営にせよ、成績が低迷していた球団をDeNaが買収する意図を、2011年当時に理解していた人は少なかった。

しかし、これらの取り組みは記録以上に、日本人の記憶へと刻み込まれている。
ビジネスで成功するには世間からの認知が不可欠だ。

そもそも、印象に残らない事業しかしていない企業は長期的に存続できない。
インパクトのある事業が、企業の知名度を引き上げてくれるのだ。

6. DeNaに学ぶ「ビジネスモデルは変化する」ということ

時代とともに成功のビジネスモデルは変化する。
DeNaはその点を理解したうえで常識を打ち破る経営プランを提唱してきた。

正解にとらわれず、今の時代に対応していく勇気こそ起業家に求められている姿勢だといえるだろう。

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