エンタメ企業アカツキのビジネスモデルから感情の必要性を学ぼう

モバイルゲーム業界で大きく業績を伸ばしている株式会社アカツキ。海外への進出も果たしているアカツキの成功の秘訣とは、いったいどのようなところにあるのだろうか。

この記事では、アカツキが大事にしている理念や特徴的な社内環境を紹介し、成功の秘訣に迫る。

アカツキのロゴマーク出典:アカツキ

1. アカツキの理念とは

アカツキは理念をとても大事にしており、社員一人ひとりにも理念が浸透するように育成している。では、アカツキの理念とはどのようなものなのだろうか。

1-1. 「A Heart Driven World ~ハートドリブンな世界へ~」というビジョン

ドリブンとは、体の内側から湧いてくる原動力という意味だ。ハート、つまり心や感情といったものを揺り動かすことによって、エネルギーがあふれてくるような世界にしていきたいというビジョンの表れである。

どのような会社にしたいかという視点だけでなく、どのような世界になるのが理想的で、そのために自分たちができることは何かという視点を持っている。

人間の幸せを決めるのは、お金があるかどうかではなく、心が満たされているかどうかだとアカツキは考える。アカツキは感情を大切にし、ワクワクするような感情をモチベーションとして行動する人間が多くいる世界を目指す。

1-2. 「Make The World Colorful ~世界をカラフルに輝かせよう~」というミッション

アカツキがモバイルゲームなどのエンターテインメント事業をメインに行っているのは、エンターテインメントが人間の心を動かし感情を豊かにするものだからである。

アカツキのミッションは、一人でも多くの人の心に触れることによって、その人の可能性も開くことだ。気持ちを動かされると、見える景色が色づくように感じる。

見える景色が色づくと、明るい気持ちや楽しい気持ちになって行動が変わる。行動が変われば、性格や人生すらも変わっていく

一人ひとりの人間、そして世界全体がこういった好循環を生み出すようになるきっかけとして存在したいとアカツキは考えている。

2. アカツキの事業紹介

アカツキ事業紹介出典:アカツキ

アカツキの業績を支えているのはモバイルゲームがメインだが「八月のシンデレラナイン」などの自社看板タイトルだけでなく、他社とのコラボレーションにも積極的だ。ここでは、アカツキがたどってきた軌跡や事業展開について紹介する。

2-1. アカツキの軌跡

2010年に塩田元規氏と香田哲朗氏が共同でアカツキを創業。2014年には台湾にて子会社を設立。2016年には東証マザーズへ、2017年には東証1部へ上場している。

2019年には複合型エンターテインメント施設「アソビル」をオープンさせ、ゲーム業界だけにとどまらない姿勢を見せている。

2-2. 積極的に他社とコラボレーション

2015年にはバンダイナムコエンターテインメントとの協業タイトル「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」をリリースし、2018年にはスクウェア・エニックスとの協業タイトル「ロマンシング サガ リ・ユニバース」をリリースした。

どちらも人気タイトルのモバイルゲーム版であり、アカツキが積極的に他社とコラボレーションしている傾向がうかがえる。アカツキの理念を見ても、自社だけが儲かることを考えているのではなく、世界中に楽しさを届けることが最優先だと認識していることがわかる。

2-3. 東京ヴェルディとコーポレートパートナー契約

Jリーグ開幕当時はトップチームであった東京ヴェルディだが、2019年現在はJ2のチームとなっている。

そんな東京ヴェルディとコーポレートパートナー契約を結んだのも、再び強く輝かしいチームとなるストーリーに貢献したいという思いからだ。

かつて輝かしい地位にいたものが復活するのは、ワクワクすることだといっていいだろう。ここでも、ワクワクすることに携わるという理念に沿った事業をしている。

3. アカツキ成功の秘訣

夢が広がるようなビジョンを描き、それを実現しているアカツキ。その成功の秘訣とは、どのようなところにあるのだろうか。

3-1. ビジョンと利益の融合

共同代表である塩田氏は、学生時代に幸せと経営との関係を学ぶために経営者へインタビューして回ったことがあるという。

そこで学んだことは、ビジネスモデルや売り上げがよければいいわけではなく、会社に明確な思いがあって社員がそれを理解しており、社内の雰囲気がよいことが大切だということである。

ただし、当然ながら理想論を口にするだけでは経営は成り立たない。何かを成し遂げるためには、利益の追求も必要なことである。成功するためには、ビジョンと利益が絶妙なバランスで成り立っていることが必要なのだ。

3-2. あえて社内に感情を持ち込む

人間の心を動かすようなものを作るためには、感情について知らなければならない。一般的には、ビジネスシーンに感情を持ち込むのはよくないという暗黙の了解があるが、アカツキではあえて社内に感情を持ち込んでもらうようにしている。

ポジティブな感情は周囲の人間のモチベーションを上げることにつながり、ネガティブな感情は苦しい状況を打破するにはどうしたらいいかといった発想が生まれるきっかけになる。誰かが苦しいときには助け合おうという雰囲気にもなる。

感情のやりとりをすることで社内の雰囲気がよくなるだけでなく、人間の心を動かすものを作る一助にもなるのだ。

4. アカツキが求める人材とは

理念を徹底するためには、人材育成も必要になる。アカツキが求める人材とは、どのような人間なのだろうか。

4-1. 「自立型人間」

どのような環境下に置かれても自分の力で道を切り開いていけるような人間を、アカツキでは自立型人間と呼んでいる。

能力が高いかどうかよりも、プロ意識が高いかどうかのほうをより重要視している。年齢に関係なく、若手であっても熱意を持ってがんばることができ、自分のやることに責任が持てる人であれば、大きなプロジェクトを任せてもらえる可能性がある。
実際に、アカツキでは若手社員の活躍が目立つ。

4-2. 自社の理念や文化にフィットする人

なぜアカツキで働くのかという問いにしっかりとした答えを持ち、やりがいを持って働ける人がアカツキの求める人材だ。答えの内容は、それぞれ違ってもいい。

逆に言えば、上司の言いなりになって仕事をこなしお金をもらうのが楽だと考えているような人間では、アカツキでの勤務は続かないだろう。自分の頭で考えて提案をし、自分のやったことの責任をとる。それができるのがアカツキであり、同じような考えを持つ仲間と一緒に働けることも楽しみのひとつとなる。

自然とモチベーションの高い社員が多くなる傾向になり、短期的な利益を数字で目標として掲げなくても、長期的に見たときに成長する会社となるのだ。

5. アカツキの特徴的な社内環境

アカツキには、特徴的な社内環境がある。それを2つ紹介したい。

5-1. 書籍購入制度

アカツキには、書籍購入にかかる費用を会社が負担してくれるという制度がある。技術書やビジネス書など一般的に仕事に必要だと考えられるもの以外にも、漫画やゲームの攻略本など、一般的には会社が負担してくれないような書籍も対象となるのだ。

人間的な成長やものづくりに必要なエッセンスが入っているものであれば、すべて対象となる。購入した書籍は、アカツキの本社にある図書室に献本される。

5-2. 裸足での勤務

アカツキのオフィスでは、裸足で過ごすという変わった文化がある。

少しでもリラックスできるような格好で過ごすことによって、クリエイティブな発想を生み出しやすい環境にしようという目的だという。

6. ビジネスにも感情を吹き込もう

ワクワクを届けるという理念に共感し、仕事への高いモチベーションを持つ人が集まっているのがアカツキである。

無感情に淡々と仕事をこなすのではなく、ビジネスに感情を持ち込むことでよい効果を発揮した事例だろう。

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