オンリーワン商品が成功の鍵!治一郎のビジネスモデルの秘密に迫る

バウムクーヘンといえば、おいしいけれどもパサパサとしていて、食べる際には飲み物が欠かせないという人もいるかもしれない。
そんなバウムクーヘンの常識を覆し、飲み物がいらないほどしっとりとした究極のバウムクーヘンを生み出し人気を博したのが、「治一郎」だ。

治一郎はどのようにしてオンリーワンの商品を生み出し、成功したのか。
そのビジネスモデルの秘密に迫る。

1. 「治一郎」とは? 究極のしっとりバウムクーヘン

治一郎

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1-1. 治一郎とは?

治一郎とは、静岡県浜松市に本店を構える洋菓子店だ。2009年に創業した。
本店以外にも大阪や福岡、東京、神奈川などに23店舗展開している。

治一郎を象徴するのは、一般的なバウムクーヘンとは一線を画する、しっとりとした食感のバウムクーヘンだ。
そのしっとりとした食感から、飲み物がなくてもおいしく食べることができるといわれている。

その代名詞であるバウムクーヘン以外にも、ロールケーキやガトーショコラなど、さまざまな洋菓子を販売している。

その品質の高さから、「手土産スイーツの名店」とも呼ばれているのだ。
治一郎はヤタローグループが運営している。
タローグループ全体の売上高は95億円ほどで、その5割を治一郎が占めるという。

 

1-2. 究極のバウムクーヘンを生み出した治一郎の歴史

治一郎は、浜松市内でパンや菓子の製造卸としてスタートした。
1977年に現代表取締役CEOの中村伸宏氏が代表取締役社長に就任した後、中村は卸業からの脱却を目指し、「シャンボール」という焼きたてのパンを提供する店を静岡県内に多数出店した。しかし、90年代後半のスーパーやコンビニの台頭により、中村は「シャンボール」の多くを閉店せざるをえなくなってしまったという。

そのような苦境の中で中村が打ち出した戦略が「大手に真似できない、オンリーワンの商品を作る」ことだった。
中村はそれこそが企業の生き残りをかける生存戦略だと考えていた。

そこで、卸業時代に作っていたバウムクーヘンに着目し、当時主流だったパサパサとした食感ではなく、しっとりとしたバウムクーヘンを作り出そうと決意する。
従来のものとは異なるしっとりとしたバウムクーヘンを生み出すことは簡単ではなく、試行錯誤の日々が続いたという。

そうした努力の末に生まれたのが、治一郎のバウムクーヘンだった。
一般的なバウムクーヘンとは異なるそのしっとりとした食感は、職人たちの努力によるもの。
そのため、職人たちに敬意を表し、当時の職人の一人の名前をとり、「治一郎」と名付けられたのだ。

 

1-2. 社長の中村伸宏はどんな人?

治一郎を運営するヤタローグループの代表取締役CEOである中村伸宏は、もとは東急不動産で働いていた。
しかし、ヤタローの創業者の娘との結婚を機に、後継者としてヤタローグループに入社した。

ヤタローグループは現在、食品製造卸、店舗運営・直販、レストラン運営、給食事業、学生・社員食堂、レストラン運営などを行う多角化企業である。
マレーシアやインドネシアなどの海外にも、積極的に進出している。

売上の5割を占める治一郎を有しながらも中村が多角化を進める根底には、「300年企業」の理念があるという。
300年企業が存続するためには、どうしたらよいのか。

多角化はその300年企業の理念を実現させるための戦略なのだ。
また中村が300年企業を実現させるために重視しているのが、人材である。

人材の特性を見極め、適材適所を徹底する。
人材の経歴にとらわれず、独自の人材活用戦略を行うことで、店舗売上増加など好成績につなげている。

2. 治一郎のビジネスモデルとは?

 

2-1. 成功の秘訣ほかが真似できないオンリーワン商品

治一郎の成功の秘訣は、そのオンリーワン商品にあるといえるだろう。
中村はパンの事業が苦境に陥り治一郎を立ち上げる際、大手企業には真似することができないオンリーワンの商品を生み出すことを目指した。

そこから卸業時代の経験を生かし、従来のものとは全く異なる、飲み物がいらないほどしっとりした食感のバウムクーヘンを作り出した。

この、他とは一線を画するバウムクーヘンが消費者の間で人気となり、治一郎は一躍人気店となった。
このようにオンリーワンの商品を生み出したことが、治一郎のビジネスモデル最大の成功の秘訣といえる。

2-2. オンリーワン商品を生み出すために、努力を惜しまない

ほかが真似できないオンリーワンの商品を生み出した治一郎だが、その過程は決して平坦なものではなかった。
その類をみないしっとりとした食感を生み出すために、職人たちが長い期間、試行錯誤を重ねた。

そうした努力なしには、治一郎のオンリーワンの商品は誕生しなかっただろう。
その職人たちの努力に敬意を表して、当時の職人の一人の名前をとり、「治一郎」と名付けられたのだ。

3. 治一郎バウムクーヘンのおいしさの秘密

 

3-1. 職人技が光る、しっとり感とずっしり感が特徴

治一郎のバウムクーヘンは、職人がつきっきりで火加減などを調整し作られている。
その層は24層にも及ぶ。薄く重ねたその24層を、季節によって焼き時間を微調整しながら、じっくり時間をかけて焼き上げることで、他にはない究極のしっとり感を生み出しているのだ。

また、バウムクーヘンの高さは8cmもあり、ずっしりとした重さがある。
このボリュームは、分け合うことで大切な人たちとの団らんのひとときを過ごしてほしいという願いから生まれた。
こうした職人の技によって、治一郎のバウムクーヘンのおいしさが生み出されているのだ。

ほかにも、ふんわりとした食感も治一郎のバウムクーヘンの特徴である。
このふんわりとした食感は、卵白と卵黄を別々に分けて混ぜる「別立て法」によって生み出されている。

別立て法は、手間暇がかかるため、大量生産には向かないとされているが、治一郎ではあえてこの方法を採用している。
ここに職人のこだわりを見てとることができる。

3-2. バウムクーヘン以外も多数!商品のラインナップ

治一郎のバウムクーヘンは、通常のバウムクーヘンのほか、1本のバウムクーヘンを店頭で切り分ける、切りたてバウムクーヘンや、キャラメルがかかった焦がしバウムなどがある。
バウムクーヘン以外にも、ラスク、ロールケーキ、プリン、林檎パイ、カステラ、ガトーショコラといった商品を販売している。

「手土産スイーツの名店」と呼ばれる治一郎だけに、どの商品も人気が高い。

4. 治一郎の評価は?

治一郎のバウムクーヘンを食べた人からは、その最大の特徴であるしっとりとした食感から、「しっとりしていて、本当においしい」という声が多く寄せられている。

そのほかにも治一郎のバウムクーヘンは一度食べると強く印象に残るようで、「一度食べたら、ほかの商品とは比べられない」「お土産でもらって、とっても美味しかったので自分で注文した」といった声があり、一度食べると忘れられない味であることがうかがい知れる。

「卵の味がちゃんと感じられる」「8センチメートルという高さに驚いた」といった感想も寄せられている。
また、贈答品としても人気が高いため、「送り先のご家族から大絶賛」「誰に送っても喜ばれる」といった評判も多い。

5. 治一郎の商品はどこで買えるの?

治一郎の商品は、直営の実店舗、もしくは公式ウェブサイト内にある公式オンラインショップで購入することができる。
実店舗は、静岡県、神奈川県、東京都、埼玉県、宮城県、愛知県、京都府、大阪府、福岡県に合計23店舗ある。

また、インターネット上で不正転売が頻繁に行われているため、注意が必要だ。
不正転売では公式価格より高額で商品が販売されている。治一郎の商品は、必ず実店舗または公式オンラインショップで購入しよう。

6. 大手には真似できないオンリーワン商品で成功した治一郎

治一郎が成功したのは、他には真似できない、飲み物がいらないほどしっとりとした食感のバウムクーヘンというオンリーワンの商品を生み出したビジネスモデルにあるといえるだろう。

またそのオンリーワン商品を生み出すために、試行錯誤を重ね、努力を惜しまない姿勢を貫いたことが、成功に導いたといえる。

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