アップルが販売する「アップルウォッチ」は、ウェアラブルという「身に付けることができるデバイス」としてビジネスマンに人気が高い。
しかし、こうしたウェアラブルは普及しているものの、その価値が広くユーザーに知れ渡っているかといえば、そうではない。いまだ潜在市場ともいえる。
今回は、そんな状況を打破できるような調査結果が、アップルから発表された。
1. アップルウォッチで心房細動を検知する
出典:Apple
今回、アップルが行ったのは心電図機能で、心房細動を検知するというものだ。スタンフォード大学と共同のもと、アップルウォッチユーザー40万人を対象に行った。
心房細動は、脈の乱れの他に動悸やめまいを発症する。患者自身も重症と捉える人が少ないが、実は、突然死のリスクの高い心疾患である。
調査結果では、参加者の0.5%が心房細動の可能性があると検知された。年齢など詳細は分からないが、この数字から「突然死のリスクがある疾患を抱えるビジネスマンが多い」ことが予測される。
2. ウェアラブルを装着するだけで健康管理
出典:Apple
日本では、過労死やハラスメント問題など、労働時間・職場環境などを見直す「働きかた改革」が進められている。
しかし、健康管理の重要性について分かっていながらも、時間が取れないというビジネスマンは多く、働き盛りの40代が突然死するケースも実際にある。
こうした背景からも分かるように、いま体や心の健康に大きな関心が寄せられている。
今回の調査のように、「身につけているだけで健康管理ができる」というのは、忙しいビジネスマンにとって好都合だ。体調・食事・運動・睡眠など、日々のデータから重大疾患が回避できるとなれば、ウェアラブルの需要はさらに伸び、医療という新たな市場開拓にもなる。
ウェアラブルは、今後も多彩な機能が搭載されることは間違いない。医療市場が開拓できれば、ビジネスマンだけでなく、幅広い年齢層のユーザーを増やすことも可能だ。
アップルの着眼点は、素晴らしいものだ。