アンデルセン公園はなぜ多くの人を魅了するのか?人気の秘密に迫る!

アンデルセン公園は、非常に高い人気をもつ国内屈指のテーマパークだ。
日本には他にもたくさんのテーマパークがあるが、なぜアンデルセン公園がそこまで多くの人を魅了しているのか、今回はその詳細に迫ってみよう。

1. アンデルセン公園とは?

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ふなばしアンデルセン公園

アンデルセン公園は、千葉県船橋市にある市営のテーマパークだ。
昭和62年11月に船橋市が市政50周年を記念してアンデルセン公園の前身となる「ワンパク王国」を開園させたのを皮切りに、さまざまな施策を打ち出しながらこれまで多くの人を楽しませてきた。

有名芸術家が手がけた作品や人気アニメキャラクターの銅像を建てたり、雨の日でも楽しめるようにドームを開設したりと、開園当初から集客には力を注いでおり、平成3年5月には入園者が100万人に達成している。

市営ということもあり、特筆するほど財政状態が恵まれているわけでもない中、5年間で100万人の来園者を集めた。
それももちろん立派なことだが、翌年の11月には来園者が200万人を突破したというから驚きだ。

それまでのペースをはるかに凌駕する勢いで集客することに成功している。
アンデルセン公園の人気の高さは、前身のワンパク王国のときからすでに築き上げられていたことが見てとれるのではないだろうか。

ワンパク王国がアンデルセン公園として新装開園したのは、平成8年10月のことだ。
平成元年4月に、船橋市がデンマークのオーデンセ市と姉妹都市提携を調印していたことが大きなきっかけとなっている。

オーデンセ市といえば、アンデルセン童話の生みの親ハンス・クリスチャン・アンデルセンの出身地だ。
こうしたこともあり、アンデルセン公園の開設プロジェクトはオーデンセ市の全面協力のもとで進行された。
アンデルセン童話はデンマークをはじめ多くの国で愛されていることもあり、新装開園後も変わらず多くの人たちが来園している。

園内にはアンデルセン童話の世界が具現化された施設があったり、デンマークの田園風景が再現された空間が広がっていたりして、他ではなかなか味わえないような気分に浸ることができる。新装開園後の来園者も平成11年に100万人、平成14年に200万人、そして平成22年には600万人を突破したことから、多くの人に長く愛されている公園であることが証明されている。

平成27年に某有名旅行口コミサイトで集計された人気テーマパークランキングでは、並みいる競合テーマパークがいるなか国内で第3位、さらにはアジアの人気テーマパークランキングでも第10位に選ばれている。

民間の強大な企業が運営するテーマパークをも抑えるほど高い人気を集めていることから、いかにアンデルセン公園が優れたテーマパークなのかがわかるであろう。

2. アンデルセン公園のビジネスモデル

先ほどから軽く触れている通り、アンデルセン公園は市営のテーマパークだ。
船橋市によって運営されている。

人気のテーマパークといえば、大掛かりなアトラクションがあったり、壮大なパレードやショーが行われていたりするものであるというイメージを抱く人も少なくないだろう。

実際、人気のテーマパークには必ずといっていいほどそのようなコンテンツが揃っており、たくさんの人が集まってくる。

しかし、これらを運営するには設備の建設費や維持費など多額の出費が伴うことになるため、簡単に揃えようとしても揃えられないのが現実だ。

たくさんの資金を持った民間企業が有利になるのはいうまでもなく、公営のアンデルセン公園に派手なアトラクションなどは存在しない。

集客面では圧倒的に不利であるともいえる状況の中で、なぜアンデルセン公園は多くの人気を集めることができるのだろうか。
限られた手段の中で多くの人を満足させるのは決して容易なことではないが、アンデルセン公園は資金に頼らないビジネス手法を実践している。
どのような方法で高い人気を維持させているのか、もう少し具体的に解説してみよう。

3. 常連客と新規客を同時に魅了するコンテンツ

アンデルセン公園には、新規客と常連客のどちらもが楽しめるコンテンツやサービスが整っている。
集客とひと言にいっても、そのターゲットは実にさまざまだ。ある一方の客層ばかりに目を向けていても、継続的に結果を出すことはできない。

たとえば、豊富な資金で大掛かりなアトラクションを建設したからといっても、アトラクション一つで獲得できるファンというのはかなり限定的になってしまうだろう。
建設したばかりの頃は、口コミなどで多くの人が集まるかもしれないが、その集客効果は長くは続かない。どれだけ派手なアトラクションだとしても、その内容は基本的に変わることはなく、一度体験すればその面白さはだいたい把握できてしまうからだ。

アトラクションを売りにしたいのであれば、どうしても複数のアトラクションを建てなければならなくなるだろう。

アンデルセン公園は派手なアトラクションがいくつもあるわけではない。
むしろ、スリルや迫力とは一切無縁のテーマパークといってもいい。

それでもアンデルセン公園に訪れる人の多くが満足しているのは、さまざまなワークショップが開かれていることが関係しているといえる。

「こども美術館ゾーン」と呼ばれる区域では、版画や染物・織物、陶芸のアトリエで実際に物作りが体験できるほか、アンデルセンスタジオと呼ばれる場所では、アンデルセン童話の劇にもチャレンジできる。
新規客はもちろん、ワークショップの内容は月ごとに定期的に入れ替わるため常連客も楽しむことができるのがミソといえるだろう。

そして、これらは子供だけではなく、大人も同様に楽しめるということも忘れてはならない。
日本の文化にあまり馴染みのない外国人客などが貴重な体験を楽しんでいる光景もよく目にする。
豊富な資金がなくても楽しいコンテンツを提供できるということを、アンデルセン公園は示している。

4. 規制が少ない

アンデルセン公園には芝生や水辺のスペースもあるため、非常に開放的な気分にさせてくれる。
水辺では水遊びをすることができ、芝生ではテントを張ったりキャッチボールをしたりすることができる。

一般的にこのような公園では安全のために規制がしかれていることも少なくないが、アンデルセン公園ではどのような遊びも基本的に制限されることがない。
フリーダムな体験ができるため、老若男女問わず多くの人たちがまるで子供のように楽しんでいる。

アンデルセン公園は絶叫マシンに乗ることもできなければ、パレードやショーを観覧することもできない。
他のテーマパークでは当たり前のように体験できるようなスリルや興奮も、アンデルセン公園で味わうことはできないかもしれないが、アンデルセン公園ほど自由度の高い遊びが実現できるテーマパークは他にないだろう。

派手な演出が施されたテーマパークが楽しいのは紛れも無い事実だが、その分規制が多かったり待ち時間が長かったりしてはかえってストレスになってしまうこともある。
アンデルセン公園では多額の費用をかけて大掛かりな設備を建設することはできないが、なるべくたくさんの人たちが楽しめるようにストレスフリーな空間を演出し、それにかかるリスク管理も徹底している。

民間企業のように多額の資金がなくとも、自然を利用したり、あえて広いスペースを確保したりすることで資金面でのハンデをリカバリーしているのがアンデルセン公園のビジネス的成功の秘訣だといえるだろう。

5. 来園者に優しいサービス精神

利用者目線に立ったサービス精神も重要なポイントだ。
まず挙げられるのが、入園料。一般客が900円で入ることができるだけでも十分驚きだが、高校生は600円、小・中学生はなんと200円で入園できる。

その他のテーマパークが何千円とかかることを考えるとかなり格安料金であることは間違いない。

また、テーマパークはどこも食事の料金が高い傾向にあるが、アンデルセン公園は非常にリーズナブルとなっている。
さらには写真撮影がしやすいように、写真スポットにはスマートフォンやカメラが固定できる台が置かれているのも良心的だ。
このような配慮がされていることで、気軽に来園できるようになっているのも、アンデルセン公園が愛される理由の一つだろう。

6. アンデルセン公園の人気の秘訣は客目線に立ったサービス内容にあり

アンデルセン公園は市営のテーマパークだ。
民間のテーマパークのように派手な設備を積極的に建てることはできない。

それでも多くの人気を集めているのは、客目線に立ったサービス内容に起因しているといえるのではないだろうか。
アンデルセン公園は資金力がなくとも成功できることを体現している唯一のテーマパークである。

 

 

 

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