中小企業・フリーランスを救った人気企業「Fundbox」が掴んだビジネスチャンス

Amazonから多額の出資を受けるなど、注目を集めている企業の一つがFundboxである。

ここでは、「Fundboxがどのようなサービスを提供しているのか」「ビジネスモデルはなにか」「成功の秘訣といわれている要素はなにか」などを説明していく。また、Fundbox創業のきっかけや日本進出の可能性なども紹介する。

1. 注目を集める「Fundbox」のサービス内容

Fundbox

Fundbox

1-1 Fundboxの提供するサービスとは?

Fundboxは、主に中小企業や個人事業主向けに請求書を現金化(短期貸付)するサービスを提供している。

請求書を発行するすべての事業者を対象としているものの、最低100ドルという少額の請求から対応していることや手軽でスピーディなシステムが特徴だ。

Fundboxのホームページを閲覧するとわかるように、スマホなどを使って誰でも手軽に簡単かつ、リーズナブルに請求書を現金化ができる。

コアとなっている取引額は、1,000ドルから7万5,000ドル程度であり、Fundboxによれば2015年時点で2万事業者がサービスを利用、請求書の数にすると1,500万以上という実績だ。

1-2 Fundboxは期待のスタートアップ

アメリカのカリフォルニア州に本拠地があるFundboxは、スタートアップと位置付けられている。

現在のところ、ほぼアメリカのみのサービス提供であり、本格的な海外進出はまだしていない。
しかし、Amazonの出資を受けるなど今後の急成長が期待される企業の一つである。

2. Fundboxのビジネスモデル

Fundboxのビジネスモデルを特徴づけるキーワードは、

・BtoB(ビートゥービー)
・ファクタリング
・FinTech(フィンテック)

である。

2-2 BtoB

BtoBとは、「Business to Business」の略であり企業間の取引のことを指す。
BtoBは、インターネットをはじめとしたIT技術の発展により、小規模の取引が活性化している。

また、実店舗を持たない小規模な会社なども飛躍的に増加傾向だ。

そういったなかで、こうした事業主を対象とする金融分野のBtoBビジネスはほとんど存在せず、そこに目をつけたEyal Shinarによって創業されたのがFundboxである。

2-3ファクタリング

ファクタリングとは、売掛債権に保険をかけたり、売掛債権を買い取ってもらったりすることをいう。

欧米では、一般的な資金調達方法であるが、日本ではあまり普及していない方法だ。

Fundboxもファクタリング会社の一種といわれることもあるが、対象とする利用者の規模は最も小さい。
それゆえファクタリングを利用できない層のニーズを掘り起こしたのがFundboxといえる。

2-4 FinTech(フィンテック)

FinTechとは、金融サービスと情報サービスを結びつけた新たなサービスのことをいう。
金融(Finance)技術(Technology)をくっつけた造語だ。

FundboxのFinTechの技術は、突出している。

なにしろ、Fundboxのサービスと連携した会計データソフトからデータを読み込み、現金化したい請求書をクリックするだけで、自動的に1分ほどで売掛先の企業情報を解析し融資の判断が決定される。

日本でいえば、

弥生会計
・freee(フリー)

など小規模会計ソフトにあたる

・QuickBooks
・FreshBooks
・Zoho

などと連携しているので、操作や管理も非常に簡単な傾向だ。

2-5 将来性の高さでフィンテック250に選出される

FundBoxでは、独自の自動化技術により審査を通過すれば翌日には、現金が振り込まれている流れとなる。

もともとファクタリングはスピードを重視する際に用いられる資金調達方法なので、これは大きな魅力だ。

そうしたすぐれた技術が評価されたこともあり、FundTechはCBインサイツが発表した2018年の「フィンテック250」に選ばれている。

これは、金融サービス業界にIT技術を駆使して変革を起こす可能性のある世界中の企業のうち250社を選出したものである。

3. Fundboxのマネタイズ

money

3-1リスクフィーが利益の源

融資をする金融機関は、利子によって利益を得るが、Fundboxは利子によるフィー(料金、手数料)は取っていない。

代わりに売掛先から請求金が回収できない場合のリスクフィーを取っているのだ。

仮に1万ドルの請求書を現金化した場合、それにかかるリスクフィーは3カ月で482~782ドルである。
つまり、請求書の金額の4.82~7.82%のリスクフィーが発生する。

3-2 損失発生率は1%以下

このリスクフィーがFundboxの利益の源となっているわけだが、実際どれぐらいの損失が発生しているのか気になるところである。

Fundboxによると2017年の段階で損失発生率は1%以下となっており、企業の信頼性を評価する精度を高めることで今後も下がり続けるだろうとのことだ。

4. 成功の秘訣は高精度かつ高速の自動融資判定システム

なんといっても、成功の秘訣であり、今後の成長の鍵となるのは人を一切介さない自動融資判定システムの技術といえるだろう。

この点についてCEOのShinarは絶対の自信を持っており、Fundboxと同じことをやりたい企業はたくさんあるが、決して簡単に追いつけないだろうと語っている。

4-1 既存技術をアップグレードしているわけではない

Shinarによると、Fundboxは既存の分野をオンラインに置き換えているだけではないそうだ。

たしかに、個人事業主であっても、このようなBtoB、あるいはファクタリングを手軽に利用できるのは革新的だろう。

Fundboxにより資金繰りが大幅に楽になった中小企業や個人事業主は数知れないといわれている。

たとえば、日本においては審査に経費がかかり、リスクの算出も専門的な知識が必要なことから大手銀行すら小規模のファクタリングにはあまり参入していない。

しかし、すべてをコンピューターに任せるFundboxならば、人間のスキルを上回る知識とスピードでファクタリングを成立できるのだ。

4-2 ファクタリングの裾野を飛躍的に拡大させる可能性

ファクタリングは、売掛先の信頼性を証明する書類を作成するなど、手間や時間がかかるものなので、個人事業主が利用するにはハードルが高すぎる。

そのため、多くの国では中小企業などはファクタリングをまだまだ利用しにくいのだ。

こうした状況を一足飛びできる可能性を持つのがFundboxのサービスであり、大勢のユーザーを獲得できるのではないかといわれている。

おそらく、Amazonのジェフ・ベゾスもこうした見立てをしているため、彼が経営するコースラベンチャーズやゼネラルカタリスト、Bezos ExpeditionsなどからFundboxへ1億800万ドルもの巨額の投資をしているのだろう。

5. Fundbox創業のきっかけは母親の苦労

やや保守的で変革スピードが遅いといわれる金融分野において、ShinarがBtoBやファクタリング、FinTechなどに着目した面はもちろんあっただろうが、創業のきっかけはもっとシンプルで人間的なものである。

Shinarの母親は、イスラエルからアメリカに渡ってきた移民であるが、彼女は、小規模な人材派遣会社を運営していた。
そして、彼女の悩みはいつでも資金繰りのことだったのだ。

5-1 Fundboxのアイデアが閃く

中小企業や個人事業者などは、銀行から簡単に融資を受けることはむずかしい。

そのため、事業が順調でないときはもちろんのこと、黒字経営であっても出金と入金のタイミングが合わないだけで資金繰りが厳しくなる。

ファクタリングも、ある程度大きな規模の企業でないと相手にされにくいうえ、面倒で手間のかかり、スピーディな資金調達はできないかもしれない。

中小企業や個人事業者が直面するこうした問題は、各国で共通といえるだろうが、Shinarはそうした母親の打つ手なしの苦しい状況を目の当たりにしてきた。

そのような経験から、Fundboxのアイデアを思い付いたというのだ。

6. Fundboxのターゲットはあくまで中小企業や個人事業者

中小企業や個人事業者の資金繰りをサポートしたいという理念は、世界的に注目される企業となった現在においても変わっていない。

Shinarは、このような企業や人々が本業に集中できる環境づくりに貢献したいと語っている。

7.日本進出はあり!?Fundboxの今後の成長性

現時点においては、ほぼアメリカだけでサービス提供を行っているFundboxだが、将来的には海外進出を考えているようだ。

Shinarが挙げた国の名前は、

・イギリス
・オーストラリア
・中国
・日本

などだ。

もし海外進出をする際には、

・現地の銀行
・クレジットカード会社
・決済代行者

などの金融機関と手を組みたいという。

各国には、さまざまな金融規制や既得権益があるが、Fundboxがこうしたものを変えていくことになるかもしれない。

7-1 Fundboxが日本に与える影響は?

日本においては、大手銀行系のファクタリング会社が取引するのは大手のみであり、売掛先もある程度規模があるところがほとんどだ。

2社間ファクタリングすらほぼ提供しておらず、多くは売掛先の承認が必要だ。また、たとえばGMOはEC事業者を対象としているが、個人のフリーランスをカバーするところにまでは達していない。

もしFundboxが日本進出をしたら、このような状況がどうなるのか注目したいところである。

Fundboxの強みは、アーティストやフリーライターWebエンジニア、庭師といった個人事業主をがっちりと取り込んでいるところだ。

日本でもこうした層のユーザーを急速に獲得する可能性があるだろう。

8. 急成長のFundbox!日本進出を含めた今後に期待

BtoB、ファクタリングという高まるニーズに対応したFundboxは今後の成長が期待されている。

その成功の核となっているのは、すぐれたIT技術であり高い次元でFinTechを実現していることだ。
日本を含む海外進出も視野に入れており、今後もFundboxの事業展開に注目したいところだ。

  
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事