RPAホールディングスのビジネスモデルとデジタルレイバーのインパクト

RPAと呼ばれる技術が、さまざまな分野の企業に革新をもたらしている。
RPAは労働者の働き方を変えるとともに、爆発的な生産性向上をもたらすものだという。

この記事では、日本国内でRPAを牽引し続ける「RPAホールディングス」のビジネスについて解説する。

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1. RPAホールディングスとは

RPAホールディングスは、2018年3月に東証マザーズへの上場をはたした企業グループだ。
まずは、同社の概要について紹介しよう。

1-1. RPAホールディングスの変遷

RPAホールディングスが設立されたのは2000年4月であり、当初は大企業向けのプロデュースに特化した企業だった。

主に、クライアント企業における新規ビジネスのコンサルティングを行い、業績を伸ばしていた。
その後、2008年に提供を開始したRPAツール「BizRobo!」によって、大きな転機を迎えることとなる。

現在では、日本で最も長くRPAの専業企業として事業を展開する存在となっている。

1-2. RPAホールディングスの事業内容

RPAホールディングスは純粋持ち株会社として複数の事業を行っているが、特に「RPA」「アドネットワーク」の2つの柱に支えられている。

平たく言えば、AIとアフィリエイトを推進する企業だ。
一見すると、まったく異なる2つの事業を展開しているようにも見えるが、実際はそうではない。

同社のビジネスモデルは、企業名にも表れているとおり「RPA」を中心に据えたものとなっている。

2. RPAとは何か

RPAホールディングスのビジネスについて理解するためには、「RPA(Robotic Process Automation)」という技術について知ることが必要だ。
ここでは、RPAの概要について説明する。

2-1. RPAは自動化技術

RPAとは、ホワイトカラーの業務を自動化するIT技術のことである。
かつて工場の製造ラインに産業用ロボットを導入することで生産性が飛躍的に向上したように、オフィス業務にもソフトウェアのロボットを導入しようという考え方だ。

これまで人の手で行っていたルーティンワークをロボットに代行させることで、爆発的な生産性を引き出そうというのである。

実際に、すでに絶大な効果をもたらすことに成功した事例も少なくない。

2-2. RPAは新たな労働力

RPAの実体はソフトウェアに過ぎないが、これまで人が行っていた作業を代わりに遂行するという性質から、労働力そのものとみなすこともできる。

これをRPAホールディングスでは「デジタルレイバー」と呼ぶ。デジタルレイバーは新しい経営資源であり、24時間365日働き続けることが可能なため、劇的な経営効果を見込めるだろう。

さらに、ミスなく正確に作業を行ううえ、労務管理の必要もない。企業にとっては単なる業務改善ではなく、革新というべきものだ。

2-3. RPAは日本企業の救世主

RPAの価値は、現在の日本が抱える少子高齢化問題と切り離しては考えられない。
2060年には約2.5人に1人が65歳以上の高齢者になると予想されるなか、労働力の確保と生産性の向上が企業にとっての重要課題だ。

その解決策として、AIなどの技術を活用した効率化・省力化が期待されている。

そのなかで、あらゆる分野に広く応用できるRPAは、労働環境に変革をもたらす「デジタルトランスフォーメーション」を実現する技術の有力候補と言える存在になっている。

3. RPAホールディングスの第1の柱:RPA事業

AIの活用が大きなムーブメントとなるなか、当然ながらRPAホールディングス以外の企業にもRPAのツールを取り扱うベンダーは多数存在している。

では、同社のRPAツールであるBizRobo!のビジネスには、どのような成功の秘訣が隠されているのだろうか。他社との違いについて説明しよう。

3-1. 導入先の技術革新をサポート

すべての企業がRPAに満足しているというわけではない。
夢のような謳い文句につられて導入してみたものの、思ったほどの効果が得られなかったとがっかりする企業も少なくないのが実情だ。

しかし、それは導入のやり方に問題があったからかもしれない。
日本のホワイトカラーがルーティンワークに割く時間は全体の5割にものぼるといわれており、適切に自動化を行えば生産性は高くなるはずだからだ。

RPAの導入で業務改善を成功させるためには、これまで当たり前だと思われていた仕事を見直し、新しい方法に切り替えるチャレンジが必要となる。

これを現場の力だけで行うのは、決して簡単なことではないだろう。
その手助けを行っているのがRPAホールディングスなのだ。

同社が提供するサービスは、ツール本体とテクニカルサポートだけにはとどまらない。
国内で最も長くRPA事業に携わってきた優位性を活かし、日本企業がRPAを導入・運用する際に特有の課題を解決するためのきめ細かなアドバイスを行っている。

RPA導入先の技術革新を成功に導くことが、RPAホールディングスのビジネス成功の秘訣だといえるだろう。

3-2. RPA普及に向けてパートナー企業と連携

さまざまなRPAソフトウェアベンダーからOEMライセンスを調達し、複数の製品を販売できる体制をとっていることもRPAホールディングスの特徴だ。

これにより、数多くの導入経験をもとに最適なツールを提案できることを強みとしている。
企業ごとに最適な種類のロボットをマッチングして提供できるため、「デジタルレイバー派遣サービス」のようなイメージだ。

自社製品ありきの提案しか行えない企業では、このサービスに勝つのは簡単ではないだろう。

さらに、RPAホールディングスではツールの直接販売のみでなく、パートナー企業を通した提供も行える体制をとっている。ERPやSI、コンサルティングなどさまざまな領域における大手企業とのパートナーシップをすでに実現させており、RPAの普及をさらに加速させていく狙いだ。

4. RPAホールディングスの第2の柱:アドネットワーク事業

RPAホールディングスのアドネットワーク事業は、従来のものとはまったく異なる方法で行われている。その基盤となっているのは、RPAの活用だ。

4-1. 広告領域のデジタルレイバーサービス「PRESCO Robo」

従来のオンライン広告では、出稿元と出稿先のマッチングをいかに効率的に行うかが主要なテーマだった。これに対し、RPAホールディングスが手がけるPRESCO Roboは、マッチング業務にRPAのデジタルレイバーを導入したサービスだ。

主要業務をRPAが担うことにより、同社ではスタッフがより本質的な業務にフォーカスできる環境を実現している。
その結果、クライアント企業が抱えている深い課題に耳を傾け、解決に導くためのサービス構築という付加価値を提供できるようになった。これまで労働集約的なやり方が当たり前だと思われていたアドネットワークの事業分野において、このアプローチは大きな技術革新といえるだろう。

4-2. なぜ広告なのか

RPAホールディングスが、どのような理由でアドネットワーク事業に進出したのか疑問に思う人もいるかもしれない。

オンライン広告のマッチングは、業務内容そのものがRPAと相性のよいものだからというのがその理由の一つとして挙げられる。

実際に、PRESCO Roboでは人間の限界をはるかに超えるスピードと品質で、広告のマッチングが行われている。

しかし、RPAの技術に特化した事業を行う同社にとって、広告領域への活用は数あるテーマのなかの1つに過ぎない。

さまざまな業界でRPAを活用した100個の新規事業を創ることを目指す、「RPA100」という意欲的な取り組みも行っている。

今後も新たな事業領域でデジタルレイバーを活躍させるべく、スタートアップを全力で支援していく構えだ。

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5. RPAホールディングスが描く未来とは

RPAホールディングスのビジネスは、今後どのようなビジョンに向かって進んでいくのだろうか。
同社が思い描く未来について紹介しよう。

5-1. よりクリエイティブな社会を実現

RPAホールディングスのビジネスが目指す先には、誰もが主体性をもって働ける社会がある。
疲れることなく働き続けるデジタルレイバーが普及すれば、人間は単調な労働から解放されていくだろう。

ルーティンワークから生じるミスもなくなり、これまで人の目で行わなければならないと信じて疑わなかった確認作業も過去のものとなる。

同時に、人間の仕事は、デジタルレイバーのマネジメントへと移り変わっていくことになる。
ひとりひとりが担当業務の責任者となることで、よりクリエイティブな仕事に時間と能力を注げるようになっていくのだ。

5-2. 目指すはRPAの大衆化

RPAホールディングスは、徹底した現場主義の姿勢をとっている。
同社にとってのRPAは、専門家にしか使いこなせないようなものでは意味がなく、使いやすくなければならないのだ。

そのため、プログラミングのような専門知識やIT部門の力を必要としない作りを採用しており、現場主導の自動化を推進できるようになっている。これはRPAの「大衆化」というべきものだ。

これまで業務効率化の流れから置き去りにされ、改善などすっかり忘れ去られていたような部門でも、当事者みずからの手による革新が可能になっていくだろう。

6. RPA成功の秘訣は業務に対する本質的な理解

RPAホールディングスの成功は、日本で最も長くRPAと向き合ってきた経験に支えられている部分が大きい。
一方、RPAを導入する企業にとっても、現場の業務経験とデジタルレイバーへの理解の深さが技術革新を成功させるカギとなる。

RPAホールディングスのサービスで恩恵を受ける企業は、これから確実に増えていくだろう。デジタルレイバーが誰にでも使える身近な存在になる日は、そう遠くないのかもしれない。

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