電力自由化を比較する時に知っておくと得する5つの豆知識

電力自由化により電力会社は比較して選べる時代になった。
顧客が自由に電力会社を比較できるようになるということは、“顧客の心をつかむ”ために電力会社同士で競争が激化するということだ。

つまり、電力会社は顧客にとって得だと思われるように”独自のサービスやユニークな戦略を打ち出しているとも言える。

そこで電力会社を比較する時に知っておくと得する5つの豆知識について紹介しよう。

1. 電力自由化とは?

2016年4月から始まった電力自由化。

今までは決まった住む地域によって大手電力会社での契約だったが、自分の好きなプランや電力会社を自由に選んで契約できるようになったというもの。

新しく参入した電力会社は顧客のニーズを考え様々なプランを出している。

新電力会社としては、ガス会社などのエネルギー関係の企業や、企業向け電気販売を行ってた「PPS事業者」、コンビニなどがある。

1-1. どうして電力自由化になったのか

電力自由化が進んだ背景には東日本大震災がきっかけになっている。

この時、福島の原子力発電所での事故で多くの電力が失われ、供給できなくなり、計画停電が実施され、一定時間停電の時間帯があったことを覚えているだろうか。

この出来事から国民のエネルギーに関しての関心が一気に高まったと言える。

元々1993年には当時総務庁からエネルギーに関する規制緩和の提言があり、電力自由化も進み範囲も拡大してきていたが、小規模な店舗や一般家庭にまでは届かなかった。

震災をきっかけに積極的な議論もされ、2014年から電力自由化の取り組みが始まったのだ。

1-2. 電力自由化のプランには型がある

電力自由化のプランは2つの型に分かれる。

1つは基本となる東京電力の従量電灯Bというプランは、基本料金(A)+電力使用量(kWh)+その他、という設定になっている。その料金体系に基づきながら、全体的に5%値引きするという形で、単価を安くしているプランだ。

そして、もう一つは多くの電力会社が電力使用量の単価が3段階にわかれているが、電力会社によって2段階から3段階に上がる値上げの幅が違うというプラン。つまり、たくさん使えば使うほど単価が下がるというプランがある。

選択はそれぞれのライフスタイルによるが、電力会社側は魅力あるビジネスプランを提案することで、安定的な収益につながるだろう。

2. 電力自由化によるメリット、デメリット

一般家庭向けにも行われるようになった電力自由化。それにより、地域ごとの電力会社に限らず、新電力会社も含め、多くの電力会社から選べるようになった事によるメリットとデメリットに迫る。

2-1. 電力自由化によるメリット

一番は各々の電力会社が顧客のニーズを考えプランを提供しているため、一度獲得した顧客が離れにくいようになっていることだ。

また、顧客側はそれぞれの電力会社が出すプランを比較できるようになり、ライフスタイルに合ったプランを選ぶことができる。

電力自由化で新電力が参入したため、今までになかった電力会社の競争が起こることで、それぞれが更に良いサービスを提供しようと考えるため、ニーズに合ったビジネスプランを打ち出されることも期待できる。

2-2. 電力自由化によるデメリット

電力自由化により、比較して安く抑えようとしていた電気料金も、値上がる可能性がある。

今までは高くなりすぎないようにと電気料金を国が審査をしていたため、大幅に値上がることを規制できていた。それが電力自由化により規制もなくなるため、先が見えないところがある。

2020年までは既存電力会社の規制料金プランも選択できるようになっているが、懸念されているのは、安定した電力が供給できている間は問題ないが、燃料費が上がったり、台風や地震など、災害や天候によって値上がりしてしまう恐れがある。

価格勝負をしているようなプランだと電気料金が値上がった場合、どのようなビジネスプランでニーズをつかむのかがポイントとなるだろう。

3. 得になる電力会社のサービスを比較してみた

毎日使う電気だが、電力会社のサービスはどのようなものが多いのか。比較すると大きく分けて4通りの方法があった。

3-1. 電気料金そのものを安くする

アンペアによって基本料金がかかる電力会社は多いが、Looopでんき楽天でんきのように基本料金を0円と設定している電力会社もある。東京電力ではアンペアの大きさでかかる基本料金も違うが、アンペアが大きい所であれば、毎月それだけお得になるということだ。

毎月の使用量が少ない場合は電力量の料金と最低料金を比較することが大事だ。

3-2. 再生可能エネルギーの発電方法に力を入れている

日本の発電のほとんどは火力発電だが、電力会社によっては届ける電気の電力構成が表記されている会社もある。みんなの電力自然電力では再生可能エネルギーからの発電の比重が大きいプランが紹介されている。環境に優しいものを選びたい、という気持ちから、再生可能エネルギーによる発電に力を入れている会社を応援したい気持ちで契約する顧客もいるだろう。

3-3. ガスの契約等とセットで割引になる

電力自由化に伴い、2017年4月にはガス自由化も始まった。会社によっては電気とガスのセットプランを出している会社も増えてきている。オール電化ではない限り電気とガスが使用されているが、電気の割合が大きいところがほとんどだろう。会社によってはガスと一緒に契約すると電気料金が安くなる、というプランを出している会社もある。Looopでんき+ガスでは関東エリア限定だが、ガスも一緒に契約すると電気料金が2%割引になる、といったものがある。

ただ、セット契約プランは他社でもあり、支払いが一本化できるというメリットはあるが、セット契約できるプランがすべてが割引になるわけではないことを知っておく必要がある。

3-4. 便利なアプリの提供やポイントの付加など他のお得がある

Looopでんきのように、電力会社によってはアプリ提供によって30分ごとの電気使用量が確認できたりする。電気料金を抑えたい顧客側は電気料金を簡単に確認できると節約の意識も高まる。

また、楽天でんきのように電気料金の支払額に応じてポイントが貯まる電力会社もある。貯まったポイントで支払うことができる会社もあり、顧客がよく利用する会社のポイントであればお得感が感じられるだろう。

4. 電力会社を乗り換えるときの注意点

比較をして新しい電力会社を決めた後は電力会社の切り替えが必要だが、その前に注意しておくべき点がある。

一つは電力会社によっては事務手数料や契約解除料がかかるところもあることだ。ここに顧客離れを防ぐ仕組みがあるわけだが、手数料や解除料を設定しても魅力があるかどうかが鍵となる。

また、新電力会社が参入してきたことにより、悪質な勧誘や訪問も増えたのは事実だ。メーター交換と言いながら電気の契約を勝手に変更したり、大手の電力会社を装って変更したりするといったことが起きている。

電気料金が安くなる、プラン変更による契約変更が必要なため情報の記入を迫られる、などが実際にあった手口だ。

電力自由化を利用したビジネスモデルは顧客の信頼があって成り立っているのだ。

5. 電力自由化でよくある質問

ここで実際に電力自由化で顧客が自分で比較して電力会社を選べるようになったことはわかるが、他にも疑問があるだろう。そこを解決していく。

5-1. 電力会社の変更による停電は起きる?

切り替えによる停電が起きることはない。

なぜなら、新しく参入してきた電力会社も今までと同じように送電されるからだ。そのため、電力会社やプランによって受け取れる電気量が変わることもない。
今まで契約していた電力会社を解約届を出して、といったような手続きもいらない。切り替え先の電力会社がすべて行ってくれる。申込後約1~2週間で切り替えられるように、資源エネルギー庁から伝えられている。

電気小売販売業に参入する際に資格や設備投資が不要となるが、停電が起きることはないため、顧客の信頼も失いにくい。

5-2. マンションでも切り替えることが可能?

一部を除き、マンションやアパート等の集合住宅でも切り替えが可能だ。

注意が必要なのは、世帯ごとの電力会社契約ではなく、建物全体(一括受電)としての電力会社契約の場合は切り替えができない。

逆に言えばそのようなマンションやアパートでは大家側で取りまとめているため、ターゲットをそこに絞るビジネスプランを打ち出すことも可能だ。

5-3. オール電化住宅ではできない?

プラン数は少ないが、オール電化向けのプランもあるため切り替えはできる。

オール電化家庭の特徴として、蓄熱暖房機や給湯機など夜間に電気を使うことが多い。そうすると、夜間の電気料金が安いプランを選ぶとお得感があるだろう。ただ、すでにオール電化プランの契約をしている場合の乗り換えには注意が必要だ。以前のオール電化プランと比べると割高になってしまう恐れがある。

つまり、現時点でのオール電化のプランを把握してから比較する必要がありそうだ

5-4. 法人と個人とサービスが違うの?

法人でも大手向けは2016年以前から電力自由化が取り入れられている。法人となると使用する電力量によって違うが、個人では低圧が選ばれ、ショッピングモール等の大きな施設では、高圧や特別高圧といったプランになる。

一般家庭よりも使う電気量も多いことから、コストが抑えられることは経営的にも助かる部分が多い。ただ、法人の場合乗り換えには1か月から2か月と期間を要するため、そのあたりも考慮すべきであろう。

法人をターゲットとするのか、個人をターゲットとするのか、電力会社側の力の入れ方にも注目できる。

6. 電力会社を比較する時に知っておくと得する5つの豆知識

顧客の心をつかむために各電力会社のサービスやユニークな戦略を知ることで、電力会社をより比較しやすくなるとも言えるだろう。

1.電力会社のサービスがニーズに合っているか
2.電力会社を乗り換えることで得られるメリットとデメリット
3.電力会社のサービスやプランにどれだけの魅力があるか
4.電気料金の細かいシミュレーションができるか
5.問い合わせ等に対応できるよう管理されているか

一見どの電力会社も比較する前は一緒に見えるかもしれない。
だがこの5つの豆知識を押さえておくことで比較の仕方も変わるだろう。

独自のサービスやユニークな戦略を打ち出している電力会社も数多くあり、知れば知るほど電力会社を比較する上で非常に役に立つ豆知識になるのではないだろうか。

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