次世代タクシー配車アプリmovとは?ビジネスモデルや特徴などを紹介

DeNAが提供するタクシー配車アプリmovが話題だ。効率よく乗客とタクシーをマッチングさせるmovは、関東だけでなく関西にも展開している。

この記事ではmovがどんなサービスなのか、特徴やビジネスモデルはどうなっているのかを紹介する。

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1. movはどんなサービス?ビジネスモデルや特徴は?

まずmovとはどんなサービスなのか。どのように収益を上げ、どのような特徴があるのかを紹介する。

1-1 movの概要

movはDeNAが提供する、タクシーに乗りたい客と乗客を探すタクシーを効率よくマッチングさせるサービスである。
客はスマートフォンにダウンロードしたアプリを使って身近なタクシーを呼べる。

わざわざ外に出てタクシーを探したり、タクシー会社に連絡して迎車してもらう必要はない。
いざ乗りたい時に最寄りのタクシー会社と連絡先を調べ、見つかるまであらゆるタクシー会社に連絡するといった手間が省けるのだ。

一方タクシー会社は、タクシー内に設置したスマートフォンを利用し、movを利用した客から来る通知を待てばよい。
従来のように客を探しながら運転する必要はなくなる。

勘や経験に頼って乗客を探したり、無駄な時間やガソリンを消費する必要はないのだ。

1-2 ビジネスモデルを紹介

movのビジネスモデルにはmovを提供するDeNAとタクシー会社、広告会社が登場する。
基本的にタクシー会社がmovの利用手数料をDeNAへ支払うことになるが、movの認知度を上げるべくプロモーションとして打ち出した0円タクシーでは、乗車賃は乗客が支払うのではなく広告会社の広告費をあてるビジネスモデルをとっている。

これは広告会社がDeNAへ広告費を支払い、乗車賃をDeNAが支払うモデルである。広告はタクシー内に設置されたタブレットを活用。

付属のカメラで性別や年齢層を把握し、各個人に見合った広告を流すしくみも検討されている。
0円タクシーのイベントは終了したものの、DeNAはタクシー会社からだけでなく、広告会社からも収入を得られるビジネスモデルを生み出したのだ。

初めてmovのアプリをインストールしたユーザーに対し、500円オフのクーポン券が特典として配布される。
movの利用を促す手段として、こういったクーポンの配信や期間限定イベントの開催、ポイント制度の開始など、マーケティングを仕掛ける方法はたくさんあるようだ。

1-3 特徴とは

movの特徴は、登録された多数のタクシー会社から身近にあるタクシーを手配できることだ。
そのため従来よりもスピーディにタクシーを呼び出せる。

またタクシーを手配して何分後に到着するかがわかるため、路上に立ったまま待つ必要はなく時間を効率よく使える。
目的地も事前に登録できるため、タクシーが来てから目的地を伝える必要がない。

乗車賃はネット決済を利用できるため、車内で支払う必要はなく目的地に着いてすぐに下車できる。
またタクシー内へのマルチ決済装置の導入が決定しており、交通系ICカード決済にも対応できるようになる。

将来的にはスムーズに決済ができるQRコード決済機能の提供も検討しているなど、柔軟な支払い方法に対応する方針だ。

2. mov誕生の経緯

movが開発された背景や目指すビジョンを紹介する。

2-1 movが生まれた背景

雨が降っている日や終電を逃した日など、時間をかけてタクシーを探しても見つからなかったという経験はないだろうか。

そんな不便を解消し、「ちょっと先の未来」を変えるためにmovは開発された。
日本の交通業界に対し、車を持たないDeNAがITの力で参入を果たしたのだ。

2-2 前身はタクベル

movの前身はタクベルという配車サービスであり、神奈川県内を中心に展開していたが、サービスエリアを拡大するタイミングでmovに改称された。

ちなみにmovは「移動する」のmoveから「Extra(余分なもの)」の意を表す「e」を除くことで、より快適な移動体験を提供したいという思いがこめられている。

3. movの内容を紹介

3-1.事前登録が簡単

movを始めるために必要なことは、スマートフォンにアプリをダウンロードして簡単な入力を行うだけ。
まずユーザーのアカウント登録で氏名と電話番号、性別等を入力。ネット決済を利用する場合はクレジットカード情報を入力して事前登録完了だ。
いたってシンプルに始められる。

3-2 利用明細の確認

movのアプリでは利用した履歴が確認できるため、いつどこからどこへ移動したのか、その時費用がいくらかかったのかが確認できる。
領収書をPDFでダウンロードできるため、個人事業主の確定申告や会社員の交通費申請時に重宝されるだろう。

また利用したタクシー会社名と連絡先も記載されているため、乗車後に忘れ物をした場合などの問い合わせが簡単にできる。

3-3 タクシーの現在地を確認

タクシーが今どこにいるのか、アプリを利用すればリアルタイムに確認できるようになっている。
そのためどこに行けばタクシーが拾えるのか、どこに呼べばよいのか、あとどのくらいでタクシーが来るのかが一目でわかる。

3-4 movの提供エリア

最初は2018年4月に神奈川県内を中心にタクベルが提供されていたが、同年12月には東京へ進出、2019年7月には大阪や京都の西日本エリアでも利用できるようになった。

3-5 AI搭載の次世代アプリ

2019年内にはタクシー会社向けのAI機能を搭載し、効率よく乗客を見つけ出すサービスの提供を予定している。
これは公共交通機関の運行状況や天候、イベントや商業施設情報を解析し、客がいるとされるルートを提案する機能だ。これにより経験の少ないドライバーでも効率よく営業できるようになる。

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4. movのメリット・デメリットとは?

4-1 メリット

なんといっても最速で身近なタクシーを呼べることが最大のメリットである。
movを使えば周辺のタクシー状況が分かるため、身近にタクシーがいなくてもどこまで自力で移動すればよいかが分かりとても便利だ。

目的地の登録も地図上でタップすればよいため、わざわざ住所を確認して入力しなくてよい。
movの利用料は無料であり、アプリを利用しても通常通り利用したタクシーに運賃を支払えばよい。

Uberと比べ素性が分かるタクシー会社のドライバーが運転するため安心であり、トラブルのおそれも無いだろう。
タクシー会社の立場からしても、ビジネスチャンスの機会消失を極力減らせるため、売上増が期待できる。

4-2 デメリット

タクシー配車アプリ「Japan Taxi」が全国で利用できることに対し、movは2018年に始まったサービスであるためまだ提供エリアがせまく、地方都市などの交通機関が少ないエリアでは利用できない。

movエリア内であっても、タクシーが身近に無い場合は効果が薄くなる。
またタクシーを呼ぶ際の迎車代が別途かかるため、運賃の合計額が比較的割高になってしまう。

AIが搭載されればタクシードライバー個人の売上が平準化してくると予想され、その場合は会社側も評価の差をつけにくくなるだろう。

ベテラン社員にとっては経験によるアドバンテージがなくなってしまうおそれがある。

簡単に乗客を獲得できるようになれば、社員のモチベーション低下につながる懸念もある。

アプリのダウンロード特典として500円クーポン券が配布されるが、決済方法がネット決済でなければ利用できないため別途クレジットカードの入会が必要になるのも手間である。

5.利用者の感想

movを利用したユーザーの評価は高いものが多い。
コメントしているユーザーのほとんどが配車のスピードが速いと評価している。

また、ネット決済の利便性が高いことも高評価だ。
タクシーの位置が分かるため、到着時間が多少遅れてもストレスが少ないとの感想もある。

アプリの操作については使いやすいとのコメントが見受けられる一方、タクシードライバーにとってはいまいち使い方が分からない場合もあるようだ。

改善の余地はあるかもしれないが、アプリの操作は利用するにつれて徐々に慣れていくだろう。
総じて便利さを感じているユーザーの声が多い。

まとめ

movは単純にタクシー会社と連携するだけでなく、広告会社や広告を出す様々な企業と関わるビジネスモデルを構築している。
今後機能が拡充し、利便性が高まるほどビジネスチャンスを広げるベースとして期待が持てるだろう。

 

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