「ルパン三世」といえば、世界中を駆け巡り狙ったものを鮮やかに盗んでしまうという、世紀の大泥棒だ。
そんな彼の生みの親である、漫画家モンキー・パンチ氏が2019年4月11日に肺炎のため亡くなられた。
この訃報に多くのファンが悲しんだことは言うまでもない。
そして訃報を受けて、ルパン三世の愛車として有名な「FIAT JAPAN」がメッセージを配信した。
ルパン三世とFIATの関係は、アニメとコラボする企業との関係にも似ている。
今回は、アニメ製作者と企業との関係について迫ってみたい。
ルパン三世の愛車と呼ばれるFIAT500
モンキー・パンチ氏の訃報から一週間後にFIAT JAPANは、公式Twitter(FIAT フィアット@FIAT_JP)にて追悼するツイートを配信した。ルパン三世がFIAT500に乗る画像とともに配信されたツイートには、5万を超える「いいね」があり、ルパン三世の人気の高さと、彼の愛車として認められていることが伺える。
ルパン三世は、テレビアニメや映画などでいろんな車に乗っている。このFIAT500が愛車と言われるには諸説あるが、最も人気のある映画「カリオストロの城(1979年)」で見事なカーチェイスを繰り広げていることが大きな要因だと考えられる。
コンパクトで可愛いFIAT500を、自由自在に扱うルパン三世は今でも語り継がれている。
アニメ製作者と企業の互いがファンであること
今でこそ、日本でも人気がある「FIAT500」だが、ルパン三世のテレビ放送が開始された1977年には、国内で販売はされていなかった。正規販売が始まったのは、2008年である。
もちろん、ルパン三世の愛車としてFIAT500の認知度が高かったのは、言うまでもない。
ご存知だろうか?
アニメのキャラクターが愛用するものは、実はアニメ製作者が憧れるものであったり、愛用しているものが反映されているケースが多いと言われている。
FIAT500の場合は、「カリオストロの城」でアニメーターを務めた大塚康生氏の愛車である。
また、さらには、FIAT500を日本でローンチするために来日した、マーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセは、ルパン三世のファンであり、モンキー・パンチ氏に協力を求めたともいう。
双方がファンであることは、ビジネスにおいて強みである。ましてや、こんなにも自然な形で互いがファンであり、歩み寄れるケースは少ない。
「アニメとコラボしたい!」
「企業の協力を得たい!」
こう考えても、まずはコネクションがないし、双方の意見が一致しなければ実現までたどり着けない。
自分の好きなものやファンだと言うこと、言葉にして発信を続けることで思いもしないところから、声がかかるかもしれない。
改めて発信力のすごさが感じられた。