複数人で賃貸を共有するシェアハウスは、一人暮らしよりも初期費用や家賃が抑えられることから近年大きな注目を集めている。
利用者は若い人を中心に広がっており、シェアハウスの需要は今後も増えるだろう。
この記事では、シェアハウスの経営を成功させる秘訣を解説する。
目次
1. シェアハウスとは
自分の部屋以外にキッチンやバスルームなど共有スペースを持つ賃貸住宅で、複数人が同じ屋根の下に住む新しい賃貸スタイルである。
一般的な賃貸に比べて初期費用や家賃を抑えられるうえに、駅に近い場所や広い部屋を使えることがシェアハウスの最大の特徴だ。
さらに、光熱費やインターネット料金が家賃に含まれていることも多いため、学生や新卒の社会人には最適な物件だといえるだろう。
また、近年では女性専用のシェアハウスも増加傾向にある。
なぜなら、一人暮らしの場合、防犯やセキュリティー面を心配する女性も多いが、複数人で住んでいれば安心して生活が送れるからだ。
一人暮らしをするうえで、シェアハウスも選択肢の一つになっているといえるだろう。
2. シェアハウスを経営するメリット
最大のメリットは、一般的な物件に比べて高い収益を得られるということだ。
通常シェアハウスは、トイレやバスルーム、キッチンなど一つの共有スペースを複数人で共有するため、一つの住宅でも個室の分だけ住居者を入れられるのである。
個室を増やして住居者を増やせば、それに比例して多くの家賃収入を得られるということだ。
たとえ、家賃を低く設定しても、部屋の数だけ入居できるため、高い利益が期待できるのである。
また、一人暮らし用の一般的な賃貸は入居者がいなければ家賃収入は得られない。
しかし、シェアハウスの場合1室が空室であっても残りの部屋が埋まっていれば収入は得られるのだ。
入居者が退去する際は、1カ月前に申告するなど申し出の時期を契約内容に記載しておけば、退去日までに新しい入居者を探すことができる。
大きな問題が起きない限り、全個室が空室状態になることはないため、安定した家賃収入を得られるだろう。
近年注目を集めるシェアハウスは、入居者が集まりやすいことが挙げられる。
入居者がシェアハウスに住むメリットとしては、
・「保証人が不要」
・「初期費用がかからない」
・「入社同士で交流できる」
などさまざまだ。
しかし、その個人のニーズに合ったシェアハウスは、比較的入居者が決まりやすいことがいえる。
複雑な審査も必要ないため、シェアハウスに絞って賃貸を探す人も少なくないだろう。
3. シェアハウスの経営方法は3つ
3-1 自分が物件の所有者になる場合
1つ目は、自分が物件の所有者になり、シャアハウスの管理も行う方法である。
シェアハウスとなる一戸建てを購入、もしくは賃借して入居者に貸し出すのだ。
実際にシェアハウスの管理や運営を行うため、ある程度の知識が必要になる。
自分ですべて行うため、大変さはあるものの管理会社に委託費などを支払う必要がない。
そのため、コストがかからないことが大きなメリットだろう。
直接シェアハウスに行く機会も増えるため、入居者と交流を持つことが可能だ。
3-2 シェアハウスの運営や管理のみ管理会社に委託する場合
2つ目は、自分で物件を所有するがシェアハウスの運営や管理は専門の管理会社に委託する方法だ。
シェアハウスに適した物件を探す必要はあるが、運営や管理は自分で行わなくてもいいので負担にならない。
ただ、物件を購入する費用に加え、管理会社に支払う費用も発生するためコスト面では負担が大きいといえる。
しかし、専門の管理会社はその道のプロであるため、失敗する確率は非常に少ないだろう。
3-3 物件は所有せずにシェアハウスの運営や管理を委託する場合
3つ目は、物件を所有する人からシェアハウスの運営や管理を委託する方法である。
委託費用が利益になるので若干報酬は少なくなるが、物件を保有しない点ではリスクが低いといえる。
委託する以上シェアハウスの管理や運営するノウハウや実績は必要だが、ある程度信頼が得られれば複数のシェアハウスを委託できるだろう。
初心者がいきなりこの方法ではじめると失敗するリスクも大きいため、まずは物件を賃借して運営や管理を行うのが賢明だ。
4. シェアハウスを成功させる秘訣
4-1 シェアハウスのコンセプトを明確にする
どのようなコンセプトのシェアハウスを提供するかは、入居者にとって非常に重要である。
たとえば、交流を好まない人は入居者が盛んなシェアハウスは選ばないだろう。
どのようなシェアハウスにするかで、入居者も変わるのだ。コンセプトの例としては、以下のようなものがある。
・女性専用
・社会人専用
・外国人と暮らせる
・キッチンの設備が充実している
・100人が暮らす大規模シェアハウス
近年は、シェアハウスの生活に憧れる人も多いため、その期待に合ったコンセプトを提供することで入居者も増えるだろう。
4-2 ルールを設定する
シェアハウスの入居者は、他人同士である。
異なった環境で育った入居者が快適に過ごすためには、ある程度ルールが必要だ。
特に、キッチンやバスルームの共有スペースは重要である。
入居者全員が使う場所だからこそ、洗い物をそのままにしていたり、遅い時間にバスルームを使用したりすることは、トラブルを引き起こす原因になりかねない。
男女兼用のシェアハウスであれば、恋愛関係の問題も発生する可能性もあるだろう。
入居する前に、共有できるルールブックなどを作成して、ルールに沿って生活してもらうことが必要だ。
4-3 入居審査は対面で行う
物件の中でもシェアハウスを選ぶ理由はさまざまである。
「コストを抑えられる」「シェアハウスでの生活に憧れていた」「交流関係を増やしたい」など人によって理由が違うのだ。
シェアハウスは、複数人での共同生活になるため、中には共同生活に合わない人もいるだろう。
そのため、入居審査は書類だけでなく対面で行うことが重要だ。
対面といっても短い時間であるため、その人の性格をすべて把握できるわけではないが、直接話すことで人となりは分かるだろう。
逆に、対面で話してみて不審に思う点があれば、入居させないという判断も必要である。
5. シェアハウスのビジネスモデルに学ぶ!東京と大阪エリアのシェアハウス6選
5-1 東京エリア
ここでは、東京エリアのシェアハウスにおけるビジネスモデルを4つ紹介する。
・ハーブのある暮らしを楽しめるガーデン付き「Herbs de Sakurashinmachi」
Herbs de Sakurashinmachi
ハーブの中で暮らせるライフスタイルが実現する男女兼用で25世帯のシェアハウス。
ハーブを育てるためのカーデン付きで、そこで収穫されたハーブは料理や石鹸などに使えるのだ。
初めての人もハーブを使えるように、イベントなども定期的に開催されている。
・男性専用ドミトリータイプの「高田馬場 小野田ハイツ」
閑静で落ち着いた高田馬場エリアにあるシェアハウスでは珍しい男性専用のシェアハウス。
ドミトリータイプなので、住人同士すぐに仲良くなれるのが最大の魅力だ。
ベッドの周りはカーテンで仕切られるため、プライベートも確保されている。
ホームセキュリティ設置済みで、玄関もオートロック式のため安心して生活ができるだろう。
・ペットと一緒に暮らせる「HOUSE-ZOO弐番館」
ペット一緒に生活したい人におすすめのシェアハウス。
ペットOKの土間や専用のシャンプーシンクをはじめ、テラスも完備されているため軽い運動もできるだろう。
大型犬は相談が必要だが、小型犬や猫であれば3匹まで許可されている。
ただ、2匹目以降は別途料金が発生するので注意が必要だ。
・リーズナブルなシェアハウス「GGハウス C63 コリビングハウス富士見台」
共益費込みで家賃が5万円のシェアハウス。
初期費用もかからないので、コストを抑えたい人には最適なシェアハウスである。
最寄り駅の近くには、コンビニやスーパー、スポーツクラブ、飲食店があり、生活に必要なものはすべてそろえられるので非常に便利だ。
個室はすべて鍵付きで、週に一度は清掃スタッフが清掃してくれる。
5-2 大阪エリア
大阪エリアのビジネスモデルについても2つ紹介する。
JR難波駅、近鉄なんば駅に約5分以内に行けるなど、最高のロケーションである女性専用のシェアハウス。
シェアハウスの近くにはスーパーやドラッグストア、ホームセンターが点在しており、お買い物にも非常に便利な立地だ。
部屋数は13世帯で、家賃も共益費を含め7万円以下だ。同居人とも仲良くなれる居心地の良いカフェのような空間に仕上げている。
・2019年6月にオープンしたシェアハウス「ターミナルズ茨木」
新築のソーシャルアパートメントであるターミナルズ茨木は、総戸数100世帯と大型の物件である。
JR西日本が展開する大型商業施設「VIERRA」の5~6階部分を専有し、1階には大型スーパーのイズミヤが入居している。
近郊には、カフェやラーメン店、内科や整形外科など生活に便利なお店が施設内に点在している非常に便利なシェアハウスである。
6. 安定的な家賃収入で利益が得られるシェアハウスに挑戦してみよう
シェアハウスの運営や管理はある程度ノウハウが必要になるが、経験を積むことで安定的な家賃収入を手に入れられるのが特徴だ。
一番大変な運営や管理は、管理会社に委託することもできるため、興味がある人は一度挑戦して見るのもいいだろう。