創業10年で売上11億ドル! dropboxビジネスモデルに学ぶ成功の秘訣

オンライン上にファイルを格納でき、変更したデータ内容が各デバイスに同期され共有されるdropbox。

利便性の高さが多くのユーザーに支持され当然のように利用されているが、dropboxが生まれた時代の常識は「データはUSBメモリで持ち運ぶもの」だった。

一体どんなビジネスモデルを使ったら、わずか10年で常識が変わるのだろうか。

1. King of Freemiumと称されるdropboxとはどんな会社?

dropbox

dropboxは複数のPCやスマホ、タブレットでファイルの共有・管理ができるオンラインストレージサービスだ。
このサービスの登場によって、USBを忘れたり、無くしたりして大慌てするといったトラブルが過去のものになったと言っても過言ではない。

dropboxは2007年にドリュー・ヒューストンが共同創業者のアラシュ・フェルドーシと共に立ち上げた企業で、2人はマサチューセッツ工科大学(MIT)の同窓としても知られている。

2017年の時点でdropboxのユーザー数は全世界で5億人を突破した。

近年の売上を見ると、2015年6億380万ドル、2016年8億4480万ドル、2017年11億680万ドルと、前年同期比+30%以上の成長を維持し続けている。

一方で2015年に3億2590万ドル、2016年に2億1020万ドル、2017年に1億1200万ドルの営業損失を計上し、黒字化は果たしていない。

それでも損失額が年々小さくなっている点と2016年以降のキャッシュフローが黒字化している点は高い評価を得ている。

2018年3月にはナスダックに上場を果たし、今後の成長にさらなる期待がかかる企業だ。
そんなdropboxが採用するビジネスモデルは「フリーミアム」と呼ばれる。

フリーミアムを採用している企業は世界中に数多くあるが、中でもdropbox はKing of Freemiumと称されるほど、フリーミアムの成功事例として取り上げられることが多い。

2. dropboxのビジネスモデル「フリーミアム」とは?

フリーミアムとはサービスの基本的な機能部分は無料でユーザーに提供し、有料サービスを利用する一部のユーザーからの収益でマネタイズを実現するビジネスモデルのことをいう。

フリーミアムという言葉自体は造語で、無料を表す「フリー」と付加価値サービスを意味する「プレミアム」の組み合わせだ。

日本でフリーミアムが話題になったのは2009年、クリス・アンダーソンの『フリー<無料>からお金を生み出す新戦略』が発売された頃だと言われている。

それから約10年の間に、フリーミアムを採用したさまざまなサービスが誕生してきた。
たとえば、ソーシャルゲームのアイテム課金やニュースアプリの有料記事、ECサイトのプレミアム会員制など、日常的に見聞きし、実際に利用するユーザーも多いサービスの中にフリーミアムというビジネスモデルが組み込まれている。

これらのサービスはいずれも、基本のサービスは無料で利用できるが、有料化することで新たな機能が使用できたり、無料版に存在する制限が解除されたりする仕組みだ。

dropboxも、無料版のdropbox basicでは2GBがストレージ上限だが、有料化するとその容量が激増するようになっている。

dropboxの場合、有料版は2種類でdropbox plusは月額1200円で1TB(1000GB)、dropbox professionalは月額2400円で2TBまでが利用可能となり、その他にも追加機能が開放される。

dropboxのような多くのユーザーを獲得する企業には、優れたサービスを無料で提供することによりユーザーを拡大させていくという共通点があるが、フリーミアムにはその他にもいくつかの特徴が見られる。

3. フリーミアムというビジネスモデルに見られる3つの特徴

フリーミアムには大きな特徴が3つある。

3-1. 限界費用がゼロに近い

1つは限界費用がゼロに近いことだ。
限界費用とは簡単に言うと、生産量が一定の単位分増えたときに追加のコストはいくらになるのかを計算した数値をいう。

具体例として、ラーメン屋を考えてみるとわかりやすい。
ラーメン屋ではお客が増えて作るラーメンの数が多くなればなるほど、それにかかる材料費がどんどん追加されていく。

しかし、フリーミアムの場合はこれがない。

たとえば、ニュースアプリのユーザーが増えていったとしても、それに伴って追加しなければならない費用が不要だからだ。

みんなで同じ記事を読んでいるだけで個別にかかってくる費用が限りなくゼロに近い。
これは、webサービスやソフトウェアなどによく見られる特徴である。

3-2. 口コミや紹介による利用ユーザーの拡大

2つめはファンが口コミや紹介でユーザーを拡大していってくれることだ。
優れたサービスが無料で提供されていれば、それを気に入ってファンになったユーザーが自発的に拡散してくれる。

莫大な広告宣伝費を必要としないので、成功すれば低予算で多くのユーザーを獲得できるということになる。

実際に、dropboxでは既存のユーザーが新規のユーザーを1人紹介するごとに既存ユーザーへ500MBの追加容量をプレゼントするという特典でユーザー数を拡大してきた。
ただし重要なのは、あくまでも無料サービス自体が優れているというのが前提である点だ。

その優れたサービスを提供するために、dropboxは3つめの特徴をうまく利用している。

3-3. ユーザーからのフィードバックが豊富

3つめの特徴はユーザーのフィードバックが豊富に得られることだ。
エンジニアが満を持してリリースしたサービスがユーザーに全く響かなかったという事例は山ほど存在するが、それではユーザー数の拡大は見込めない。

フリーミアムでは優れたサービスを提供するためにユーザーからのフィードバックをサービス向上に役立てることが多い。

この特徴の利点は、機能の改善すべき点についての情報が実際のユーザーから随時得られるので、無駄な時間をかけずに対応ができるところだ。

ユーザーにとって有益な機能改善は新たなユーザー獲得のチャンスにもなる。
このとき、無料ユーザーのフィードバックをないがしろにしないことが重要だとされている。

無料ユーザーと有料ユーザーでは無料ユーザーのほうがフィードバックの回数が多い傾向にあるからだ。

実際にdropboxもユーザーの声に反応して機能改善を随時行っている。

4. フリーミアムのマネタイズに立ちはだかる課題とは?

フリーミアムの特徴を見ていると良い点ばかりが目につくが、マネタイズにはフリーミアムの抱える課題も心得ておく必要がある。

フリーミアム最大の課題は有料会員への転換の難しさだ。
そもそも、全ユーザーのうちどれだけのユーザーが有料化すればビジネスとして成立するのだろうか。

『フリー<無料>からお金を生み出す新戦略』では「5%ルール」というものが紹介されている。
これは、たとえ全ユーザーのうち95%が無料ユーザーであったとしても、残りの5%のユーザーが有料化していればビジネスとして成立するという意味だ。
そしてその根拠は、限界利益がゼロに等しい点にあるとしている。

全体の5%というと小さく見えるかもしれないが、実際はそこまで簡単な数字ではない。
たとえば、King of Freemiumと呼ばれるdropboxの場合でも、2017年の時点で獲得している5億人のユーザーのうち有料ユーザーは1100万人、約2.2%なのである。

したがって、dropboxは有料ユーザーを増やすために新たなサービスを常にリリースし続けている。

具体的には、中小企業を中心としたビジネス利用を促進するため、セキュリティや管理者機能などの追加機能を伴ったdropbox businessを開発リリースしたことが挙げられる。

これにより、有料の企業ユーザーが20万社まで増えた。さらに、アイデアを出し合ったり、共同作業ができたりするweb上ワークスペースのdropbox paperもある。

これは、画像やコメントが共有できてドキュメントも共同で作れるため、デザイン系の仕事をするユーザーからの評価が高い。

成功しやすいサービスをリリースできるのは、ユーザーのフィードバックやdropboxの実際の使い方を常に参照している証といえる。

5. フリーミアムで成功するための2つのカギ

フリーミアムで着実にマネタイズを目指すためのカギが2つある。

5-1. 資金力

1つは優れたサービスを長く提供し続けるための資金力だ。
フリーミアムでは無料ユーザー期間が長くなればなるほど、有料ユーザーへの転換率が高くなる傾向にある。

つまり、無料ユーザーが定着しないサービスでマネタイズを実現することは難しいということだ。

だから、優れたサービスが不可欠となる。dropboxでは無料ユーザーの離脱率が非常に低く、長く使っているユーザーを着実に有料ユーザーへと転換させているのが特徴だ。

ただし、そのためには資金も必要となる。dropboxの創業者であるドリュー・ヒューストンも過去のインタビューで資金調達の重要性を強調していて、実際に2017年までに17億ドルの資金調達を行っている。

それが優れたサービスを開発し、かつ無料で提供し続けられる原動力だからだ。
フリーミアムを導入するときは持続的に資金を投入できる環境を整えることが重要なのである。

5-2.  無料ユーザーと有料ユーザーの差別化

2つめのカギは無料ユーザーと有料ユーザーのサービスの差別化だ。

差別化はイメージ自体はしやすいが、どこにその境界線を置くのかが難しいとされている。
無料プランでできることが多すぎると有料ユーザーへの転換率は上がらない、かといって無料プランの制限が大きすぎても長期ユーザーは獲得できないからだ。

この部分は実際に運用しながら試行錯誤を重ねていくしかない。

dropboxの場合は、長く利用するほど格納するファイル数が増えていくので、いずれストレージに空きがなくなる。

すると、その時点で有料ユーザーへと転換していくという自然な流れが出来上がっているのが強みといえる。

どのポイントで無料ユーザーを有料ユーザーへと転換させるのかというのは常に意識しておく必要があるということだ。

6. dropboxは過去も現在も試行錯誤を繰り返している

King of Freemiumと呼ばれるdropboxだが、初めから大成功をしていたわけではないし、5億人のユーザーを集めてからも試行錯誤を続けている。

フリーミアムはビジネスモデルとしてはシンプルだ。

しかしだからこそ、成功するためには常に進化していかなければならないということをdropboxは教えてくれる。

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