Instagramは若者層に人気のSNSであり、多くの企業や団体で宣伝ツールとしても利用されている。自治体の行う「地方創生」にもInstagramが一役買っているという。
この記事では、Instagramを使った地方創生の方法やメリット、成功事例などを解説していく。
目次
1.Instagramは地方創生に欠かせない2つの理由
いま、どの分野でもSNSの活用なしに、成功はないとも言える。
例外なく地方創生にとっても、Instagramは欠かせない存在でもある。
まずは、その理由について知っておこう。
1-1.視覚のSNSとして人気のInstagram
Instagramは、他のSNSを上回る勢いで、ユーザー数を伸ばしている。
その理由は、「簡単で使いやすい」ということ。
画像や動画に文章を添えるInstagramは、誰もが気軽に投稿できるし、閲覧も可能だ。スマートフォンなどで、簡単に操作できるから、シチュエーションを選ばずに楽しめる。
そして、視覚のSNSであるInstagramは有名人や店舗、ブランドの宣伝ツールとしても機能している。
例えば、衣類や食品などは文字情報で訴求するよりも、画像で見せるからイメージがしやすい。だから、消費者の購買意欲は自然と高まるという仕組みだ。
インフルエンサーに自社商品を使ってもらい、Instagramに投稿してもらう宣伝も一般的になってきた。
1-2.地方創生との相性
実はいま、人気のInstagramを、地方創生にも取り入れたいという動きが高まっている。
地方創生とは、過疎化が進む地域で人口減少を止め、日本全体の活力を上げることを目的としている。
主な内容としては、人口が集中する都心や、他の地域からの移住者を増やすことと、観光資源をPRして経済を活性化させる事業に取り組んでいる。
ただ、チラシを作ったり、イベントでPR活動を続けるだけでは成果は得られない。そこで始まったのが、InstagramでのPRだ。写真や動画をメインとするInstagramは、美しい景色や地域の様子を伝えるのに相性がいいのだ。
また、Instagramの中心ユーザーが10代から30代の若者層であることがポイントだ。地方では若年層がいない。人口減少、高齢化を止めるためには、若者層の受け入れが急務だ。
Instagramと地方創生のターゲット層が一致していることは、最大のメリットだ。簡単で訴求しやすいInstagramは、自治体にとって成果の出る宣伝ツールになりえる。
2.Instagramを地方創生に利用する3つのメリット
では、実際に成果の得られるメリットについて、ご紹介したい。
2-1.観光資源を視覚的にPR
地方の持つ魅力に、観光資源が挙げられる。
- 歴史ある建造物
- 自然豊かな景色
- ここでしか味わえない味覚
どれも、ブログやチラシといった文章だけでは伝わらない。
しかし、Instagramで視覚的にPRをすれば、「行ってみたい」という欲求にダイレクトに伝えることができる。
いきなり「移住」とするのはなく、まずは足を運んでもらうきっかけとして考えたい。Instagramで画像を投稿して、真に迫った魅力を発信できるのだ。
さらに、若者層はなんでもネットリサーチする。旅行先についても同様だ。
Instagramで画像が話題になれば、旅行先を探している若者層の目に止まりやすくなる。
2-2.ハッシュタグで拡散
Instagramの特徴として、ハッシュタグ機能がある。ハッシュタグで検索したり、同様の画像が紹介されるようになる。
方法は簡単だ。画像と一緒にハッシュタグを加えて投稿をするだけ。検索にヒットして、多くのユーザーが閲覧する確率が高くなる。
リアルタイムのトレンドワードに絡めて作ったり、同じ分野で使用されるハッシュタグを利用するのがポイントだ。
ターゲットに合わせたハッシュタグで、効率的に投稿を拡散できる。
2-3.外国人観光客にも訴求できる
いま、日本を訪れる外国人が多い。2020年の東京オリンピックが理由とされるが、地方創生においても、外国人観光客を集めることも重要だ。
外国人は長期滞在が多く、宿泊施設を連泊で利用したり、伝統や日本ならではのお土産を喜び民芸品も購入してくれることは、地方の活性化に繋がる。
しかし、ホームページやブログで、観光資源を訴求しても外国人には伝わりにくい。海外版のページを作るには、莫大な費用がかかる。
この悩みを解決してくれるのが、Instagramだ。Instagramは世界中にユーザーがいるため、拡散の方法次第では、日本だけでなく世界中に発信することができる。語学の不安も短い文章なら翻訳アプリなどで作成できる。
国によっては、日本以上にInstagramが浸透しているのも見逃せないから、外国人観光客からのコンタクトを増やすことができる。
3.Instagramを地方創生に活用するポイント
地方創生としてInstagramを活用する場合、ただ投稿をするだけでは思うような成果を得ることはできない。
注目を集めるために、押さえておきたいポイントを紹介したい。
3-1.投稿のクオリティを上げる
気軽に投稿できるのがInstagramの良さではあるものの、あくまでもビジネスであることを忘れないで欲しい。
なんといっても画像や動画には力を入れて欲しい。
例えば、景色や食べ物など伝えたいものがボヤけたり、アングルが甘いとその良さは半減してしまい購買意欲をそそることなく、逆効果になってしまう。
画像や動画のクオリティは高めたい。理想としては、プロのカメラマンに依頼したいところだが、自分たちで撮影方法を学んでみるのも良い。人が変われば見せ方も変わるから、多くの魅力が伝えやすい。
また、スマホのカメラ機能も高いから、スマートフォン向けの加工アプリを使うだけでも、画像の見映えはさらに良くなる。デジタルカメラでも、パソコン上で明るさや色味を調整することまでできたら、もはやプロの手を借りる必要はない。
3-2.ユーザーに参加を促す
Instagramでは、ユーザー参加型のイベントやキャンペーンを開催することができる。
これは、企業が商品やサービスのPRとして利用される。
例えば、新発売やインベントなどを自社アカウントやインフルエンサーを利用してPRをする。ここで投稿に加えらるのが、「お得になる情報」だ。割引されたり、特典商品がもらえるなどが、それに該当する。
Instagramの拡散力を引き出すには、ただ投稿を続けるだけでなくイベント参加型の企画を考えてみよう。
地方創生であれば、提携している宿泊施設で使える割引きや特典などのイベントを催す。ユーザー側のメリットがあれば、投稿につけたハッシュタグの拡散に協力してくれるはずだ。
3-3.親近感が持てる投稿を心がける
自治体主導の地方創生は、どうしても固いイメージを抱かれやすい。Instagramはトレンドに敏感な若者が集うSNSなので、固いイメージは払拭していきたい。
そこで、投稿内容では親近感を意識してみよう。ターゲット層と同世代のモデルを起用したり、スタイリッシュな撮り方をしたりして、若者層に響かせることが肝心だ。
親近感が持てる画像は「みんなにも見てほしい」と、ユーザーの共感を得ているから、Repsteされ、自然と拡散されていく。
4.Instagramを活用した地方創生の成功事例
実際に、地方創生の活動にInstagramを取り入れて成功している例がある。
今回は、インフルエンサーとのマッチングと、ユーザー参加型の成功事例を紹介したい。
4-1.岩手県
インフルエンサーとのマッチングで、地方創生を活性化させたのが岩手県である。
Instagramで大人気のアカウント「柴犬まる」(@marutaro)は、日常の様子を伝える投稿が人気となり、これまでに写真集の出版、観光大使に任命されるなど活躍の場を広げている。
当時(2015年)、柴犬まるのフォロワーは約130万人で内訳を分析すると、約90%が海外のフォロワーだったという。そこで考えられたのが、岩手県を満喫する旅行だ。
岩手県には、世界文化遺産の平泉や「わんこそば」など観光として魅力的なものが豊富にある。日本文化に興味のある外国人にはこれだけでも十分に魅力的だが、柴犬まるが同行するとなれば、かなりの相乗効果がある。
朝ドラや復興のイメージもある岩手県には、暖かいイメージがある。まさに、愛らしい柴犬まるとのコラボは、マッチングとして相性が良く、Instagramから大いに盛り上げてくれる。
4-2.土佐れいほく博(高知県)
アウトドアや生活文化、食をテーマとした高知県のイベント、「土佐れいほく博」のInstagramも多くのフォロワーから人気だ。
れいほく博の公式アカウントでは、イベントの良さを知ってもらうために、美しい景色や建造物の画像を投稿している。ここまでなら、SNSからの宣伝として終わってしまうが、Instagramにて、ユーザー参加型のフォトコンテストを実施している。
参加方法は簡単で、れいほく博が開催されている高知県嶺北地域で撮影された写真を「#土佐れいほく博」とハッシュタグをつけて投稿するだけ。
期間中に公式アカウントで紹介されるだけでなく、豪華商品も当たるというから、ユーザーにとっても嬉しい特典がある。
発信するだけでは、一方通行で手応えが感じられない。しかし、ユーザーに参加してもらうことで喜びがあり、集約へつながる戦略が立てやすくなる。
5.地方とユーザーを繋ぐInstagram
地方であっても、Instagramを活用して、都心や国内さらには海外とも繋がれる。そこで知っておいてもらいたいポイントを紹介する。
5-1.Instagram上でコミュニケーションも
成功事例からも分かるように、地方の自治体とユーザーの間でコミュニケーションが生まれている。
まずは、ユーザーが興味あること、知りたいことなどに基づいた投稿をしたい。Instagramでは共感を得ることがスタートとなる。
- フォローしてもう
- Repostしてもらう
- ハッシュタグでの拡散希望
ユーザーは、これらを闇雲にしているわけではない。自分が興味あることや応援したいと思うことだから、行動にする。
その後、ユーザー自身がその町を訪れることもあるだろう。地方創生のゴールへと近づけることができる。
若年層がネット検索することで情報収集をしているから、こうした地道な活動だが世間からも認められているともいえるだろう。
5-2.地方創生のためにInstagramの活用を考える
Instagramの良いところは、視覚的にユーザーに魅力が伝えられることだ。それを上手く活用して、人気の商品の口コミ投稿や、メイクなどの使い方を紹介する投稿をして、人気のインフルエンサーになったユーザーがいるほどだ。
ネットの情報をメインとしながら、「実際はどうなんだ?」と気になるのがユーザーだ。
地方創生として活動のゴールはやはり若年層の移住ではないだろうか?
移住が気になるユーザーにどのようにアピールをしていくか。そのためにInstagramを戦略としてどう取り入れていくかを考えて欲しい。
成功事例でも紹介したように、興味を持ってもらいユーザーを引き込むことが重要だ。
伝統を守りながら、新しいものを取り入れていく。スタートはここからだ。
地方創生にはInstagramを使おう
地方と都心、高齢者と若者、生まれた環境や世代が違うことで、様々なギャップがある。お互いが理解していくこと自体、難しいことかもしれない。
しかし、Instagramは、そんな現実的な問題を解決するきっかけにもなるのではないだろうか?1枚の写真を良いと言えるもの同士、そこからスタートできる。地方に今あるもの、人を魅力として伝えていこう。
ぜひ、地方創生を成功させて欲しい。