巨大データベースを持つことで、多くの中から最適な業者を紹介することに成功したマッチングサイト「アイミツ」。
発注者が自分では探し切れなかった業者をさまざまな観点から紹介し、高品質なサービスを提供し続けている。
ビジネスモデルとして確立されたポータルサイトについて、アイミツの実態に触れながら紹介していく。
目次
1. 最大級のデータベースを誇るビジネスマッチングサイト
発注者が業者に業務を依頼するうえで、重要視することは金銭的なことだけではない。
地域性に沿ったプランニングや業界の流行など、さまざまな観点からみて自社にマッチしているかどうかをチェックして、はじめて発注依頼を決定する。
ダイバーシティ化する社会において、企業が重きを置きたいことはより細分化されている。
しかし、特にマンパワーが足りない企業にとっては、自分たちだけでより自社に合っているかどうかを調べるのには限界がある。
結局は限られた範囲でしかやり取りを行えず、逃したビジネスチャンスに気付かないことすらあり得るのが現状となっている。
1-1. 超巨大データベースでマンパワーを要せず受発注を成立
そんな現状を打破するために2014年に誕生したのが、BtoBに特化したビジネスマッチングサービス「アイミツ」である。
アイミツは2019年現在、実に9万社以上もの受発注取引データを有しており、さらに、発注利用社数も6万社を超える、国内最大級のデータベースを持ったサイトとなっている。
発注できる業者のカテゴリーも多岐にわたり、システム開発やWebマーケティングなどのIT関連や、営業代行や人事に関することなどさまざまな依頼に対応している。
この超巨大データベースにより可能となったのが、発注者側も受注者側も、マンパワーを必要としない自社に合った案件のやり取りである。
そのデータベースが、どうしても企業間取引において生まれていたデジタル化の壁を取り除くことも実現している。
アイミツは、自分では探し切れず逃してきたサービスの発掘や、今までのミスマッチを防ぐことを実現させる新しいビジネスモデルとして注目されている。
2. アイミツの3つの仕組み
アイミツが多くの企業に利用される要因となっている仕組みの詳細を見ていこう。3つの強力な仕組みを理解すれば、発注者側も受注者側も、両者の利用者数の多さにもうなずける。
2-1. SEO対策による集客力の強化
コンテンツ投資を怠らないことで、受注につながる確かな集客の仕組みを作っているのが、アイミツの魅力の一つである。
200個以上の主要キーワードで上位をキープし、有益なサイトとしてあり続けている。
結果的に、2019年の現在では、月間で2000件以上もの発注相談が集まっていることからも、その成果がうかがえる。
2-2. 高度なマッチングシステム
アイミツでは、発注者からの要望を細かくヒアリングしたうえで、具体化された案件のみが受注者側に紹介される。
また、AIを駆使した独自のマッチングシステムが組まれていることにも特徴がある。
受注者の過去の実績や評判などを集積し、AIが最適なものを選定したうえで、発注者側にフィードバックされる。
2-3. 充実したサポート体制
受注企業に専任のサポーターがつくことで、バップアップ体制の仕組みも保持しているのも特徴の一つだ。
まず、サポーターが発注企業と綿密なやり取りをして、その後、受注企業にフィードバックを行う。
これにより、なぜ受注に至ったか、もしくは、至らなかったのかを正確に分析することができ、次のマッチングに生かすことが可能になる。
また、受注の多い企業のノウハウを共有するなど、成果が出るようなマッチングサポート体制を作り上げている。
3. カテゴライズされた詳細な項目から業者を一括比較
アイミツでは、ただ巨大なデータベースがあるわけではない。詳細にカテゴライズされた項目から業者を一括で比較できることこそ、アイミツの最大のメリットといって過言ではないだろう。
3-1. より深いところで利用者の要望を聞き取る
たとえば従来のBtoB向けポータルサイトの場合、費用や地域などから比較して、業者を探し出すタイプのものも多い。
しかし、その場合、まさに相見積もりによる偏った面からしか業者の特徴を見ることができず、結局自社に本当に合っているかどうかを知ることは不可能となってしまう。
その点アイミツでは、よりさまざまな観点から業者を探し出せるように検索のカテゴライズがなされている。
たとえば、ホームページ製作を依頼する場合、都道府県別から探すことができるのはもちろん、コーポレートサイトを作りたいのか、SNSを構築したいのかなど、要望別からも業者を探し出すことが可能だ。
ほかにも、誰に向けてのサイトなのか、どういった特徴をもったサイトにしたいのかなどからも探すことができる。
これによって、発注者側は自分の要望により適切な業者を見つけることができるほか、受注者側にとっては自社の魅力を最大限公開することが可能になる。
実際に、アイミツを利用した業者の中で価格を理由に発注した企業は、全体の14%にしか満たない。
実に70%もの企業が、受注者側の対応や提案内容に魅力を感じて発注を決めている。
金銭面以外での取引決定は、今後の取引にも大きく関わってくるものである。
アイミツはこの詳細な検索カテゴライズにより、企業間の取引がデジタルになっても問題ないことを証明することに成功している。
4. アイミツにみるマッチングサイトの収益化
アイミツは基本的に広告費用で運営しているため、発注者側には料金は発生しない。
発注に至った場合でも、アイミツから紹介料などを請求されないことが特徴である。
反面、受注者側は、プランはさまざまあるが、基本的には紹介課金+成果報酬などを支払うことになっている。
4-1. マネタイズのしやすさ
紹介課金形式であれば、受注企業にとって掲載へのハードルが下がることになる。
加えてアイミツでは成果報酬制度をとることで、より掲載へのハードルを低く設定しているところにマネタイズの秘訣がある。
ハードルが下がれば、掲載企業も多くなる。
結果的に、マッチングサイトとしての情報量が増えることで、自然的なアクセスも増やしやすい。
一括見積もりタイプのマッチングサイトの場合、比較材料がどれだけそろっているかも重要なことの一つである。
アイミツは発注者のみならず受注者への配慮をすることで、マネタイズへとつなげている。
5. 紹介課金+成果報酬のデメリット
一括見積もりサイトの場合に限らず、どんなビジネスモデルにおいてもデメリットは存在してしまうことは事実である。
アイミツの場合の収益化におけるデメリットも把握しておこう。
5-1. 紹介課金のデメリット
当然のことながら、案件が発生しないと売り上げが立たないため、どうしても広告費用が高くなりがちである。
アイミツの場合、コンテンツに毎月数百万円という金額を投資している。
それが信頼につながる場合もあるが、自転車操業になってしまうこともある点には、注意しておく必要がある。
5-2. 成果報酬のデメリット
成果報酬においては、受注者側が出す見積もりが、成果報酬手数料分を考慮した金額を提示してくる可能性があるということがデメリットにつながる。
結果的に規模の小さい案件は受注までに至らないケースも増え、マネタイズが難しくなってしまうということも十分にあり得る。
5-3. 収益の安定を目指すなら月額課金型も考慮に入れる
継続的に顧客をキープしたり、増やしたりする必要があるが、もっとも収益を安定させるビジネスモデルに月額課金型がある。
掲載側のコストは格段に上がってしまうデメリットがあるが、顧客を常に抱え込むことができれば、半永久的にマネタイズすることができる。
6. まとめ
「日本最大級の発注業者比較サービス」を掲げた“アイミツ”は、発注利用社数6万社を超える巨大マッチングサービスに成長した。
成功した背景にはアイミツのビジネスモデルから学ぶ収益化を実現した5つの理由があると考えられる。
1.最大級のデータベースを誇るビジネスマッチングサイト
2.アイミツの3つの仕組み
3.カテゴライズされた詳細な項目から業者を一括比較
4.アイミツにみるマッチングサイトの収益化
5.紹介課金+成果報酬のデメリット
ビジネスモデルとして確立されたポータルサイトとして、学ぶべき教訓はとても多いと言えるのではないだろうか。