インスタグラムの勢いは止まらない。世界で月間10億人、日本では月間2,900万人のアクティブユーザーがいる。(2018年データより)
月間でこれだけのユーザーが活用しているアプリは、他にはないだろう。
これだけ急成長をしながら、インスタグラムは「ストーリー 」という新しい機能を追加している。ユーザーを飽きさせることなく、アプリを成長させていくところに魅力を感じる。
さて、これだけの人気のアプリにおいて、新しい機能をビジネスに取り入れることはできるだろうか?
その特性を活かしながら、企業のビジネスを拡大させることができたら、さらに可能性は広がる。
今回は、インスタグラムのストーリー のビジネスチャンスについて探ってみたい。
目次
1.インスタグラムの特長
改めて、インスタグラムについて確認しておこう。
日本で展開されているSNSの中で、人気になっているのがインスタグラムだ。世界規模で見ると、Facebookが一番人気で変わりないが、日本でのユーザー数はインスタグラムが抜いている。
内容としては、写真や動画をメイン投稿としており、短いメッセージとハッシュタグが添えられている。「インスタ映え」という言葉が生まれるほど、どの写真もクオリティが高い。ユーザーがインスタグラムへの投稿ありきで撮影を行なっているのが分かる。
インスタグラムのメインユーザーは、女性であり、年齢層は20代〜40代だ。コスメ・ファッション・グルメなど、ジャンルが広く情報量が豊富なことから、検索エンジンではなく、インスタグラムでの情報を頼りにしているユーザーがいるほどだ。
2.新機能 ストーリーについて
インスタグラムでは、写真や動画の投稿以外に、IGTVやFacebookとの連携など、さまざまな機能があるが、ストーリーもその1つだ。
正式には、ストーリーではなく「ストーリーズ(Stories)」とされているが、馴染みやすいのか、「ストーリー」と呼び、これだけで十分に伝わる。
その機能について説明していこう。
2-1.24時間で消える
ストーリーでは、1枚または複数枚の写真と動画をスライドショーのように表示していく。
通常の投稿と同じようにメッセージや「いいね」ができる。
ただしストーリーは、投稿時間に制限があり、24時間で消えてしまう。「あとで見る」というわけにはいかない。
2-2.ライブ配信
ストーリーでは、ライブ配信も可能だ。イベントなどをフォロワーと一緒に楽しむこともできる。純粋にフォロワーとの交流が楽しみたいということであれば、メッセージを送ることができるから、質問をするなど普段の投稿にはない楽しみ方ができる。
2-3.アンケート機能
ストーリーの中には、アンケート機能がある。文字数は全角8文字、半角20文字まで使える。
「はい・いいえ」で答えるシンプルなものだが、フォロワーから直に反応が返ってくるので、参考意見として商品開発に活かせるのはメリットだ。
また、フォロワーもアンケートの結果や答えを、ストーリーで発表されるのを待つようになるから、注目度が上がる。
2-4.ハッシュタグの活用
通常の投稿と同様にハッシュタグを使って投稿することができる。機能的にも同じだから、マーケティング戦略として活用したい。
また、アカウントや場所も表記できる。
2-5.スワイプ機能
ストーリ投稿画面の下部に「もっと見る」と表示されるもの、これがスワイプ機能だ。ここには、自社サイトやキャンペーンのランディングページなどのリンクを貼ることができる。
フォロワーが見るだけで終わることなく、興味を持ったままにコンテンツを見てもらえるから、活用したい。
2-6.今を共有する
ストーリーの良いところは、多くの人たちと今を共有することができること。アプリを立ち上げると分かるが、ストーリーは画面の上部に表示され新しいものから順に並んでいる。「先に見て欲しい」「いま見て」と言わんばかりだ。
共有する・承認することを女性は望んでいる。誰かに「いいね」と言われることを、どこか期待している。
メインユーザーに女性が多いのもうなづけるし、女性が喜ぶ機能を追加していることが分かる。
3.限定感でユーザーを惹きつける
では、このストーリーをビジネスとして活かすには、どうしたら良いのだろうか?
24時間で消えてしまう投稿で、ユーザーの心を惹きつけることができるのだろうか?
3-1.ストーリーの中だけで情報配信
24時間で投稿が消えるということは、この投稿を「見れた人と見逃した人」に分けられる。ビジネスとして注目したいのは、「見れた人」だ。
投稿を見ることができた人にだけ、キャンペーンやイベントを告知して、ストーリの中だけでURLやキーワードを発表する。を発表をする。これだけでも十分に話題性がある。
また、新商品の発表前にカウントダウン形式で情報を公開していくのも面白い。
ホームページやSNSを活用して告知すれば、ストーリーを「見れた人」は必然的に増える。お得な限定情報に人は弱いから、24時間で投稿が消えてしまっても、価値のある投稿になることは、間違いない。
4.ストーリーを使った事例
では、実際に企業がどのようにストーリーを活用しているのか、事例を紹介したい。
4-1.東急ハンズ
文具をはじめ、日用品や便利グッズなど幅広い商品を取り扱っている東急ハンズ。
実際に購入されたお客様の実用例を紹介している。ただ、商品を紹介するだけでなく、実用例を紹介することで、ユーザーの購買意欲を掻き立てる。
4-2.旅行メディア・じゃらん(公式)
国内旅行の予約サイト「じゃらん」。季節に合わせて全国の風景を紹介したり、実際の取材レポートの様子を紹介している。アンケート機能も使い、その価値やニーズを調べることができる。
4-3.LUSH FRESH HANDMADE COSMETICS
オンラインで、コスメを購入する時に悩むのがカラーだ。画像からだけでは、実際の色が分からないため、購入をためらうユーザーもいるはずだ。LUSHでは、ストーリーを活用してテンポ良く、動画では肌診断を行う。ぴったりな色が見つかれば、ユーザーも納得して購入することができる。「よく見る」のタップはwebサイトへ誘導して、さらに購入の確率を上げている。
4-4.starbucks_j(スターバックス公式)
新商品の発売に合わせてストーリで紹介をしている。商品名のハッシュタグを加えることで、フォロワーが購入した際や、カスタマイズなどを投稿していくこともできる。ハッシュタグで投稿が増えれば、検索の画面にも登場するので新商品やキャンペーンへの興味・関心を高めることができる。
4-5.BMW
車のドライブ風景やシリーズごとに紹介することで、「乗ってみたい」という興味を抱かせる。ドライブ風景も街乗りからオフロードまで用意されているから、その車のスタイリッシュな様子だけでなく、性能や特長まで伝えることができる。
また、アカウントを表記することで、公式アカウントに誘導することができる。
5.まとめ
インスタグラムのストーリーについて紹介した。
ビジネスとしての活用について、ストーリーの「24時間で投稿が消える」という特長について懸念されたが、逆にそれを良さとして取り入れている企業が多いことが分かった。
また、ストーリーでできる豊富な機能を使って投稿することで、データ収集や分析もできるから、マーケティングの戦略にも利用できる。
ストーリーを活用ありきで、インスタグラムでのビジネス展開を考えていきたい。