皆さんは、「マネタイズ」という言葉をご存知だろうか?
なんとなく聞いたことはある、でも「何?」と聞かれると困るという方もいると思う。
「マネタイズ」とは、無料で提供するサービスから収益を得ることを意味する。
インターネットの普及により、ビジネスのあり方も変化してきた。
まさにマネタイズもその一つと言える。
そして、そのマネタイズの中でも、好きなことを隙間時間に行って収益を得ることを「スキマネタイズ」という。
現代人は皆忙しい。
その中でも本業の仕事以外のスキマ時間に、好きなことで簡単に収益を上げようという人に、今スキマネタイズはブームになっている。
この記事では、スキマネタイズの方法と副業の例、失敗しない戦略を紹介していく。
目次
1. マネタイズとは
マネタイズは、IT用語として主に「ネットの無料サービスから収益を上げる」という意味で使われる。
また、使われ始めたのが2007年ごろと言われるので、馴染みがないのも不思議ではない。
最近の副業ブームで、「スキマネタイズ」という言葉でも浸透しつつある。
改めてネットでの無料サービスといわれてもピンとこないかもしれないが、検索エンジンやニュース、メールサービスなど当たり前に使用しているものが該当する。
こうしたサービスは、無料だから雑で内容が薄いわけではなく、むしろ安心して利用ができるからこそ、マネタイズとなるポイントがあり収益化することができる。
2. どこでマネタイズできるのか
収益とは、サービスなど価値あるものを提供することで得るものだ。
つまり、マネタイズを行うには、「収益になるポイント」を見極める必要がある。
このポイントを間違えると、収益を上げることはできないし、無料サービスに対する評価も下げてしまう可能性がある。
見極めて、失敗しないためには、2つのことを行う必要がある。
2-1. 市場調査にてサービスを決める
現在のネットには無料サービスが数多く存在している。
同じようなサービスを始めたからマネタイズできるとは限らない。
同様に、未開拓であるからマネタイズできるとも言えないだろう。
まずは、世の中の動きなど徹底した市場調査を行う。
- 求められているサービス
- マネタイズできるポイント
- 必要としている人
この3つに的を絞って市場調査を行っていこう。
2-2. ターゲットとなる人物を決める
無料サービスは、性別・年齢問わず利用されている。
しかし、これは「ここまでになった」という結果でもある。
最初に、「このサービスを一番必要としてくれるターゲット」を考える必要がある。
SEO対策のような「20代女性未婚」というターゲットよりは、さらに具体的にターゲットを決める必要がある。
曖昧なままでは、マネタイズとなるポイントもブレてしまうのだ。
ターゲットを細部まで決めることで、「サービスの提供範囲が狭くなるのでは?」と、懸念されるかもしれない。
でも、その心配は無用だ。
市場調査にて必要とされていることは明確なので、「性別・年齢・居住地・結婚の有無・職業・生活パターン・性格」この程度の内容は、具体的に決めてもよい。
3. スキマネタイズできるサービスの例
3-1. アプリ制作
アプリとは、スマートフォン(Android、iPhoneなど)やタブレットなどに入れて使えるソフトウェアのことで、OS上で動くソフトウェアのことを意味する。
今はアプリ自体を簡単に作れるアプリがあるので、スキマ時間に簡単にできると人気だ。
おすすめはMonaca
Monacaは人気の無料アプリ開発ツールだ。
若干のHTML/CSSやPHPの基礎知識は必要だが、お試しでアプリを作ってみたいという方には最も手軽にできるツールである。
ビジネス向けのプランは有料だが、まずは無料で作ってみたいという方には手軽に導入できるのでぜひやってみてほしい。
人気アプリになると、1本で月に100万円近く稼いでいる人もいるので、日頃から世の中にあったら便利になるようなアイディアを思いついたらメモしておこう。
3-2. ラインスタンプ制作
スマートフォン(Android、iPhoneなど)にインストールして使うアプリであるLINEを使った副業が今流行っている。
「LINEで1日3万円」などの怪しい広告も出回っているが、ほとんどが詐欺なので読者の方は注意をしてほしい。
LINEを使った副業として安全なのは、スタンプを作成することだ。
人気スタンプになり、たくさんダウンロードされるとシリーズ化して毎月数10万円稼ぐことができるのが人気だ。
一度作ればほったらかしでも稼げるのがスキマネタイズにぴったりではないだろうか。
4. 具体的な戦略について
マネタイズできるサービスなどが決まったら、マネタイズできるポイントの戦略を考えよう。
マネタイズで必要なのは、「自然であること」だ。
ターゲットを始めとするユーザーの興味を持たせ、「気になる!必要だ!」という流れを作ることだ。
その仕組みを作るためには、以下のことを考えて戦略を立てるとよい。
4-1. リサーチを兼ねたユーザーの確保
無料のサービスの質が高いのは、ユーザーを確保することが目的だからである。
最初からマネタイズすることが見えない無料サービスでは、ユーザーは定着しないだろう。
ユーザーに喜ばれるサービスとして、3つのことが挙げられる。
- 便利なサービス
- また利用したい・使いたいと思うサービス
- お金がかからないサービス
同じサービスを無料と有料で提供した場合、ほとんどの人が無料を選択をするだろう。
お金を払うサービスには少し抵抗を感じるのが、人の行動心理として当然のことだ。
サービスの利用を繰り返すことで、ユーザー側も利用方法を理解してくる。
そこで「ここであれができたらいいな」と思う部分が必ず生まれる。
このポイントがマネタイズとなる。
こんな風に思ってもらうことでサービスは継続して利用され、ユーザーを確保していくであろう。
無料サービスにてユーザーが確保できたら、予め決めておいたマネタイズについてリサーチする。
思うような収益を得られていない場合には、ポイントがズレていたり価格設定に問題があることが考えらる。
もしくは、新たなマネタイズできるポイントが見つかることもあるだろう。
こうしたリサーチは繰り返し行うことで、無料サービスの質も上がるのでユーザー確保にも役立つ。
4-2. 無料と有料の差別化
マネタイズまで考えられている無料サービスは、無料のままでも十分に利用できるだけのクオリティがある。
実際に、検索エンジンにお金をかける人はいないし、記事が有料であれば読まない人もいる。
決してこれは失敗ではなく、ここに無料と有料を差別化するポイントがあるだろう。
有料となるサービズは、特別である必要はない。
むしろ「痒い所に手が届く」ような、「これができたらいいな」ぐらいであることで、自然な流れとなり受け入れやすくなるだろう。
さらに可能な限り、有料サービスをリピートしてもらえるように、ユーザーに満足させることが必要である。
4-3.コンテンツの質は下げない
無料サービスを提供し続けることは、思うほど簡単ではない。
できることなら早く、マネタイズさせて収益化したいはずである。
運営上苦しいことを理由にコンテンツの質を下げてしまうと、ユーザーはあっという間に離れてしまいますし、マネタイズするポイントに魅力がなくなるだろう。
ユーザー確保は時間がかかるが、少しでも早くマネタイズさせることも必要である。
無料サービスにおけるコンテンツの良さが、マネタイズを支えていると言っても過言ではない。
5. マネタイズの4つの手法
マネタイズには4つの手法がある。
一つずつ聞いてみると、「おぉー」と納得できる手法ばかりだろう。
4つの手法についてご紹介していく。
5-1. 広告モデル
ネットサービスを利用する際、WEBサイトのサイドバーなどに広告が表示されていることがある。
これは、広告主となるクライアントが依頼して出稿しているからだ。
広告と聞けばチラシや看板などをイメージしがちだが、アナログな手法よりユーザーが多いWEBサイトを狙って出稿する方が、成果に大きな違いが出る。
広告のタイプとしては3つある。
- 検索連動型広告
- クリック報酬型広告
- 成果報酬型広告
検検索することで広告が表示される「検索連動型広告」、バナー広告に用いられる「クリック報酬型広告・成果報酬型広告」がある。
5-2. 課金モデル
より質の高いサービスを求めたり、より便利になる機能を使用するために、一部有料サービスを提供することをいう。
分かりやすい例としては、ゲームの課金システムだ。
プレイできる回数が増やせたり、レアなアイテムを購入できたりと無料では不可能だったことが可能となり、よりゲームが楽しめるのでユーザーの満足度も上がるだろう。
また、有料会員だけに提供できるサービスは、「限られた人にだけ」という優越感がある。
音楽配信など、会員のランクによってダウンロード回数が無制限になるので、ユーザーは、その価値に対して対価を払うことになる。
5-3. ECモデル
ECサイトで、商品を提供して対価として収益を得ることをいう。
さらには、楽天やAmazonなどの有名ECサイトに出店することで知名度も上がる。
類似品が多い中で、クオリティが高いなど特化した商品が提供できたら、大きな収益になる。
5-4. 仲介モデル
提供する商品、サービス、情報について買い手を見つけ、契約を成立させ収益を得ることを仲介モデルという。
必要となるのは、提供する「売り手」と、探している「買い手」です。割合としては「売り手」を多くする必要がある。
マッチングプラットフォームとも呼ばれ「フリマアプリ」や「オークション」は仲介モデルに該当する。
6. 想像がマネタイズになる
マネタイズで大切なのは「こんなサービスがあったらいいな」を実現させることだ。
マネタイズの手法にもあるように、収益となるところは「あぁー、気づかなかった」と、口に出してしまうようなポイントでもある。
実現不可能なことでも、クリエイターによって可能になるだろう。
情報やアイデアを共有することで、マネタイズとさせることができる。
日常に当たり前のように存在することも、さらに良くなるように想像してみることもマネタイズへの近道である。
7. まとめ
マネタイズは、提供するサービスの中で得られる収益であることが分かった。
物を売る仕組みとは違い、ユーザーの満足度を維持しながら対価として得られる仕組みだとも言える。
日本においては、サービスを提供されてチップを支払うというシステムが、ほとんどない。
明確な金額が提示されない、得られた対価にお金を払うということは苦手かもしれないだろう。
しかし、手法を知ると意外と身近にあり、自然と利用していることにも気づかされる。
この自然な流れにおけるマネタイズなら、日本人にも受け入れやすいので企業もマーケティングと同様に取り組めるのではないだろうか。
想像豊かに一度チャレンジすることをおすすめする。