オウンドメディアは広告収益を始めとした様々なマネタイズ方法を持つメディアツールだ。
今回はオウンドメディアで収益を生み出すための方法と、メリットデメリット、そしてオウンドメディアのマネタイズを高めるテクニックについて解説していく。
目次
1. オウンドメディアで収益を得る!マネタイズの方法とは?
オウンドメディアでマネタイズを測る方法には、大きく分けて以下の3通りの方法が存在する。
- 広告掲載によるマネタイズ
- 有料コンテンツ配信によるマネタイズ
- 自社サービス提供によるマネタイズ
それぞれマネタイズの手段がいくつか存在するので、一つ一つ収益が得られる方法について見ていこう。
2. マネタイズ方法1:広告掲載
広告掲載はオウンドメディアで最もポピュラーなマネタイズ方法である。
広告掲載とは、言葉通りオウンドメディア内に何らかの方法で広告を掲載し、広告収入を得るマネタイズ形式を指す。
具体的にどんな掲載方法があるのか一つずつ解説していく。
2-1. 純広告
純広告とは、オウンドメディア内に広告枠を作り他社の広告を掲載することで「掲載費」を受け取る形式を指している。
広告の効果に問わず一定の掲載費を受け取れるため、安定した収益が得られるが広告を掲載してくれる企業を自身で探さなければならない。
2-2. アフィリエイト
アフィリエイトとは成功報酬型の広告を指す。
オウンドメディア内に広告枠を作るのは純広告を一緒だが、そこにはASPと呼ばれる仕組みを介してさまざまな会社・サービスの広告が表示される。
ユーザーがメディア内から広告をクリックしたり広告のサービスを購入したりすると報酬が発生する。
アフィリエイトの場合は広告掲載枠ではなく、メディア内のブログで商品を紹介し広告先へのアクセスを促すなど自由度の高い掲載方法が導入できる。
2-3. アドネットワーク
アドネットワークとは、アドネットワーク事業者が広告枠を束ね一括で広告を掲載する形式を指す。
多くの広告主から自社のメディアと親和性が高い広告を選択できるため広告報酬の割合を高められる確率が上がる。
また、様々なジャンルの広告を掲載できるので広い購買層にアプローチできるという利点がある。
2-4. SSP・DSP
広告による収益を最大限に高めたいならSSP・DSPと呼ばれるツールも欠かせない。
SSPに広告枠の価格や掲載したいジャンルをあらかじめ設定しておくと、DSPと呼ばれるプラットフォームを通して収益性が高い希望の広告が自動で配信されるという仕組みだ。
これによって、自社のメディアに訪れるユーザーに合った広告配信が可能になる。
2-5. インフィード広告
インフィード広告とは、上から下に読み進めるコンテンツの中に広告を挟み込んで表示する形式である。Yahoo!Japanのトップページがタイムライン形式となり、インディード広告が表示されるようになったことで認知度が一気に上昇した。
FacebookやTwitterなどのタイムライン型SNSで多く見られる形態で、メディアデザインに馴染みやすくユーザーの目に留まりやすいという特徴がある。
3. マネタイズ方法2:有料コンテンツ配信
有料コンテンツ配信とは、無料コンテンツを提供している一方で課金しなければ見られない有料コンテンツを配信し、その料金から収益を得るマネタイズ方法である。
有料会員が増えれば安定した収益が見込めるが、オウンドメディアの信頼が高まり「料金を払って情報を得たい」と認識されなければ効果は低いという欠点もある。
3-1. 有料コンテンツの成功事例
有料コンテンツ配信で成功しているのが「クラシル」だ。
プレミアム会員という名前で特別感を演出し、特別なレシピやお役立ち記事で顧客満足度を高めることで一定の収益をあげている代表的な例と言えるだろう。
同様に有料コンテンツでの収益を成功させているサービスに「東京カレンダー」というサービスがある。
こちらの場合は無料記事の続編を有料記事に切り替えることでより多くのユーザーを課金に流入させるシステムが取られている。
どちらも良質なオリジナルコンテンツを提供しているサイトだからこそ実現しているマネタイズ方法だ。
4. 自社サービス・自社製品の提供
オウンドメディアの最終目標はやはり自社製品、自社サービスの提供だ。
メディアに信頼を感じその会社に対して利用したいという気持ちを持ってもらえれば、その後の会社全体の収益に大きな貢献をもたらすだろう。
そのためには、ユーザーを惹きつける記事の中に適度なペースで自社のサービスや製品の情報を配信し続ける必要がある。
ユーザーは販促の気配を感じるとページから離脱する割合が高くなるため、最後まで読ませる充実した内容が求められる。
4-1. 自社商品がない場合は?
自社で提供するサービス、製品がない場合には記事広告で収益化を図る方法もある。記事広告とは自社のメディアで他社の製品を紹介し、それが利用されることで報酬を得るという仕組みだ。オウンドメディアが有名になれば掲載してほしいという依頼も増加し、掲載料と成功報酬で高いマネタイズ効果が生まれるだろう。
様々なツール、サイトの宣伝をクオリティの高い記事とともに紹介し、記事広告収益を得ているメディアサイトの代表例が「オモコロ」だ。広告とは思えない充実したコンテンツはユーザーを惹きつける高い効果を感じさせる。
5. オウンドメディアマネタイズのメリット・デメリット
オウンドメディアにはマネタイズの可能性が多く隠れている。では、実際にオウンドメディアでマネタイズを行うことにはどのようなメリットがあるのだろうか。
5-1. オウンドメディアマネタイズのメリット
オウンドメディアの大きなメリットはコストがかからないと言う点だ。
ドメインやサーバーなどサイトを作るための初期費用は発生するが、運用や管理の面ではほぼ費用が発生しないため広告・宣伝コストをかけずに自社のアピールが行える。
メディアで「価値のある記事」「信頼性の高い記事」を公開し評価が得られれば宣伝だけではなく、会社やサービスのブランドイメージが向上するきっかけにもなりうる。
また、サイトのアクセス解析や登録情報を分析すれば自社に関心を持つ潜在的な顧客候補の傾向が読み取れるため、その後の運営戦略に活かすこともできるだろう。
5-2. オウンドメディアマネタイズのデメリット
オウンドメディアはマネタイズ効果が生まれるまでに時間がかかる。
メディアを育てる時間、SNSからの流入を安定させる時間などを考えて運営を行わなければ「いつまでも成果が出ない」と失敗策として扱われる恐れもある。
オウンドメディア運営を開始する時は「長期的スパンでのマネタイズである」という理解を深めておかなければならない。
また、長期的な運営でマネタイズを成功させるのはサイト運営の知識がある担当者の抜擢も不可欠だ。
社内に適した人材がいない場合、外注依頼や新規雇用によって人件費コストがかかることもあるだろう。
6. オウンドメディのマネタイズを促進する3ステップ
最後に、オウンドメディアでマネタイズを促進するための手順を4つに分けて解説しよう。
今後オウンドメディアの運営を検討している場合は以下を参考に効率的な収益化を実現してほしい。
6-1. アクセス数を増加させる
まずはオウンドメディアへの流入数を高めることが最重要項目だ。
閲覧するユーザーがいなければいくら効果的な広告を掲示したとしても大きな効果は得られないだろう。
ユーザー母数を増やすには記事のSEO対策を徹底しなければならない。
SEO対策とは、Google検索で関連した単語が検索された時、記事が上位に表示されるようにコンテンツを作成することを指す。
記事が上位に表示されればアクセスするユーザーも増加し、メディアの認知度も高まっていくだろう。
また、メディアの周知にはSNSの活用が欠かせない。
記事やメディアについて、Twitterやインスタグラム、Facebookなどで拡散しSNSからの流入を増やしていこう。
現代における情報交換ツールとして最も活用されているSNSだからこそオウンドメディアの認知度向上にも一役買ってくれるだろう。
6-2. サイトの回遊率を高める
メディアにアクセスする人が増えてもトップページで離脱する人が多ければマネタイズには繋がらない。広告報酬を得るためには、一定の割合でサイトを回遊してくれるユーザーを増やすことが重要だ。一つの記事を読み終わってもメディア内の別の記事にアクセスするように仕向けるには内部リンクや記事紹介などをコンテンツに取り入れる必要がある。
6-3. ユーザーのファン化を狙う
メディアの認知度が高まったら、次はユーザーのファン化を目指そう。
オウンドメディア自体のファンが増加すればサイトに足を運ぶ回数が増え、マネタイズにつながる土台となる。
そのためには他のメディアでは得られない有益な情報やお役立ちコラムなどを継続的に配信し「ここでしか得られない価値がある」と判断してもらうことが重要だ。
7. まとめ:オウンドメディアでユーザーを集めてマネタイズを図ろう
オウンドメディアでマネタイズを図るには、メディア自体の価値を高め閲覧ユーザーを増やす長期的な戦略が求められる。
他のメディア、他社からは得られない特別な情報の提供を続けられれば、ユーザーの関心を集めて広告収益を増やすだけではなく、ユーザーを自社のサービスや自社発信する広告を利用する顧客へ変化させることもできるだろう。