DSPのトップランナー!フリークアウトのビジネスモデルとマネタイズ

広告業界は現在、過渡期を迎えている。新聞やテレビなどの広告に変わり、デジタル広告の市場が拡大していることがその背景にある。
このような状況において躍進しているスタートアップが、日本で初めてDSP(興味関心の高いユーザにターゲットを絞り、配信することができる仕組み)業者となったフリークアウトだ。

この記事では、フリークアウトのビジネスモデルとは何か、どのようなサービスを提供してマネタイズしているのか紹介する。

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1. フリークアウトのビジネスモデルは広告主が顧客

DSPのトップランナーと呼ばれることもあるフリークアウト、そのビジネスモデルを紹介する。

1-1 DSP広告を主力とするベンチャー企業

フリークアウトは、RTB(リアルタイムビッティング)の仕組みを活用したDSP(Demand-Side Platformデマンドサイドプラットフォーム)を提供している企業だ。

基本的には、CPC(クリック単価)、CPM(1000回あたりのページ表示単価)などを元にして広告主に課金することによって、マネタイズをしている。

1-2 国内で初めてDSP事業に取り組んだ企業

フリークアウトはヤフー株式会社の広告事業をしていた本田謙氏によって2010年に創業された会社。
東京の六本木に本社がある。

2011年には現COOの佐藤裕介氏が合流して、DSP事業を軌道に乗せ、同年、東証マザーズに上場した。

1-3 事業推移

2018年3月時点で売上高合計は約35億、2019年3月には40億を突破している。
右肩あがりの堅調な経営だ。

現預金等の額も2019年3月時点で50億を越えている。

しかし、当期純利益は2018年6月でマイナスに転じ、2019年3月時点では、約2億円の赤字だ。

こうした赤字には、海外進出などを見越した事業投資なども含まれている。
今後は、ビッグデータ関連の事業によって、利益率が押し上げられると予想されている。

2. フリークアウトが提供するサービスとは

フリークアウトが提供しているサービスの理解に欠かせないのが、RTBDSPの2つのキーワードだ。

また、フリークアウトが手掛けているビッグデータ解析のためのDMP、「MOTHER」についても解説する。

2-1 RTBとDSP

RTBはリアルタイム入札とも呼ばれている。
RTBは、ウェブサイトに訪れた人などのデータを瞬時に解析することにより、広告主に適切な広告枠を入札システムによって提供する。

オークションのように、その広告枠を競り落とした広告主の広告が、閲覧者に届けられる仕組みだ。
この過程で重要なのは、広告主にとって何が適切だと判断するかである。

そのために必要なのが、DSPと呼ばれる総合プラットフォームだ。

DSPでは、リアルタイムデータや蓄積されていた過去のデータを元に、クリエイティブ分析と呼ばれる事前リサーチ・効果分析・改善などを行う。それによって、広告主にとってその広告枠がどれぐらいの価値を持つかを数値化するのだ。

また、DSPは分析するためのツールとしてだけでなく、広告枠の買い付け、広告の配信なども行う。
これによって、広告主は広告先の選定や、費用対効果の予測などの手間の多くから解放される。

また、DSPを利用することにより、入札から広告掲載までの流れも極めてスピーディだ。

DSPとは端的にいえば、広告主のためのプラットフォームといえる。
フリークアウトのサービスの直接的な提供先は、広告主なのだ。

2-2 DMP「MOTHER」

RTB、DSPとも大きく関係するところだが、フリークアウトはビッグデータ分析事業も行っている。
それがフリークアウトのDMP、「MOTHER」だ。

MOTHERはインターネット上のサーバーに蓄積された膨大なデータや、フリークアウトが運営するさまざまなサイトの詳細なデータを一元管理している。

これらの情報は、最終的に分析されて、広告配信のアクションプランの作成に役立てられる。

スマホ、パソコン、店舗来客など、あらゆる経路の顧客情報が蓄積・解析されているため、たとえばオムニチャネル戦略を実施したい企業へのサービス提供が、今後着実に増えていくだろう。

3. フリークアウトの立ち位置・評価は

フリークアウトが社会からどのように評価されているのか、企業や個人などいろいろな角度から紹介する。

3-1 業界からの評価

フリークアウトはDSP事業の分野ではトップクラスの実績があると評価されている。

競合他社ではサイバーエージェント子会社のマイクロアドがある。フリークアウトとマイクロアドの2強というのが、日本国内でのDSP事業の構図なのだ。

日本で初のDSP事業者となったフリークアウトだが、海外には先行する2社が競合している。
フランスのCriteoと北米のRocket Fuelという企業だ。フリークアウトは、アジアを中心に海外展開も行っている。

しかし、海外の事業者と戦う前に、まずは国内における事業を盤石にすることを優先するとみられている。

3-2 ビッグデータ銘柄

東証マザーズに上場したフリークアウトは、ときにビッグデータ銘柄として扱われる。
先に紹介したDMPのMOTHERによるビッグデータ分析事業が期待を集めているからだ。

フリークアウトは1秒間に数十万回の広告リクエストを常に処理している。
日々の経営がそのままビッグデータ収集につながっているともいえるのだ。

なお、フリークアウトはリターゲティング広告業者と誤解されることも多い。
しかし、一度、特定のサイトや広告を閲覧したら同系列の広告枠に継続的に同じ広告を表示する単純なシステムと、フリークアウトが提供しているシステムは違う。

フリークアウトが提供するDSPは、過去の閲覧履歴をより高度に、総合的に解析して、適切な広告を表示する。

たとえば、転職系のサイトの閲覧履歴が多いなら、転職先を探しているユーザーであると特定し、その人をターゲットにした広告を提供するなどだ。

3-3 就職先としての評価

フリークアウトによると、転職によって入社する人は、SIer(システムインテグレーションを行う業者)の経歴を持つ人が多いという。

ユーザーの業務を分析してシステムインテグレーションをするSIerと、マーケティング課題を持つ顧客ニーズに対応するフリークアウトの業務は似ているところが多いからだ。

逆に、メディアプランニングが主な業務の広告代理店経由で入社してきた場合、これらの作業の多くが自動化されているフリークアウトのシステムを前に、何をしたらよいのか戸惑いやすいという。

4. フリークアウトの成功の秘訣は

フリークアウトがなぜ成功したかを一言でいえば、広告業に従事する人たちのニーズに応えたからだ。具体的にどのような成果を挙げたのかを紹介する。

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4-1 広告業者の手間を大幅に減らした

広告業者は、広告枠を個別に交渉して買い付けることや、広告配信の効果を予想することが必要だ。
また、広告を出した後に、個別に情報を集めて解析するなどの作業なども重要となる。

フリークアウトでは、広告業者が広告の効果を最大限に発揮できるところを、あらかじめ用意しているため、広告業者はこれらの手間がかからない。

また、情報が一元化されているので、さまざまなサイトでどれぐらいの広告効果を上げられたのかもすぐに把握できる。

4-2 1to1 マーケティングを実現

広告業者にとって理想的な広告とは、自社の製品やサービスに興味を持っていそうな人に対して広告を配信することだ。

フリークアウトのDSPやMOTHERは、この夢のような広告配信を、かなり高いレベルで実現した。
もともと、フリークアウトは「オーディエンスターゲティング」という「広告を見る人を売る」という考え方を基本にしている。

過去にどのようなサイトを見たのか、どのような製品を購入したのか、などをリアルタイムで解析して広告を配信できるのだ。

これは新聞やテレビ、ラジオなどのメディアでは実現できない大きな強みといえる。

5. フリークアウトの経営理念とは

フリークアウトの経営理念は「人に人らしい仕事を」だ。その経営理念の原点や将来性を紹介する。

5-1 顧客第一

フリークアウトはセルサイド(広告枠を提供する媒体側)の事業はやらず、バイサイド(広告主)に対して優れた仕組みを作ることに注力してきたという。
そうすることによって、RTBを利用するバイサイドが増え、セルサイドが不当に優位な状況も変わっていくはずだと考えたからだ。

この考え方は、フリークアウトのCOOの佐藤裕介氏がアメリカでみた、機械と機械がネット広告の売り買いをする様子に強いインパクトを受けたことが原点となっている。
そこでは、RTB、DSPによって広告枠の流動性が高まり、健全な売買を促していたのだ。

5-2 バイサイドにも関与

それが一転、フリークアウトはバイサイドにもタッチするようになっていく。
これはデジタル広告が増えたものの、「踏ませるだけ」を目的にした粗悪な広告が急増したためだ。

たとえば、ウェブサイトを訪れた人に対して、広告が前面に表示され、閲覧者に不快な思いを与える。
広告主は、お金を払ってユーザーの反感を買う場合すらあるのだ。

こうした広告主にとっても、広告を閲覧する人にとってもデメリットが多い状況を打開するため、現在、ある程度バイサイドにも関与しなければならないと事業の方向転換を図っている。

たとえば、自社のサイトを運営するなどだ。DSPのコアを担当していた優秀なエンジニアを投入して、バイサイド事業を一気に加速させている。

5-3 フリークアウトが社会に与える影響とは

すでにDSP事業者の雄といえるのがフリークアウトだ。
今後、オプトやセプテーニといった大手広告代理店は事業の見直しを迫られるだろう。

すでに、これらの枠売りを中心とした事業より、フリークアウトのDSPのほうが優秀で広告効果が高いと評価され始めているからだ。

特に、純粋な認知向上を目的としたブランドマーケティングにおいて、フリークアウトの評価は高い。
2016年にはLINEの広告プラットフォームにRTBを接続するなどによって、多くの一般人もフリークアウトの影響を受けている。

6. フリークアウトは将来性の高い企業

日本で初めてDSP事業者になったのがフリークアウトだ。
デジタル広告の市場規模の拡大などの背景もあり、急速に業績を伸ばしてきた。

広告業者の手間を大幅に削減し、1to1 マーケティングを実現できるなどのサービスを提供するフリークアウトは、今後の成長が期待されている。

 

  
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