起業するなら知っておきたい! 資金調達メリット・デメリット

起業するにあたって避けては通れないのが、資金調達である。

そして、主な資金調達方法としては「自己資金」「融資」「投資」「個人借入」「ファクタリング」「補助金・助成金」「私募債」「クラウドファンディング」「ビジネスコンペティション」の10個ある。

ここでは、これらの資金調達のメリット・デメリットについて紹介する。

1. 自己資金

起業するときには、外部から資金調達するだけではなく自己資金も差し入れるのが基本である。

一般的には、起業に伴う資金の半分を自己資金で賄うのが理想的だといわれている。
現預金はもちろんのこと、車などの資産を売却して資金の一部にするのもいいだろう。

ただし、生活に必要な最低限の額は残しておくべきであることは言うまでもない。

自己資金の大きなメリットは返済義務がないということであり、事業を営むうえでの負担を大きく減らすことができる。

さらに、審査を受けたり出資者から干渉を受けたりすることもない。
自由度という点においては、自己資金を上回るものはないといえるだろう。

しかしながら、実際に多額の自己資金を用意するのは容易ではない。多くの場合は資金量が限られるため、ある程度は資金調達に頼ることになる。

そして、事業清算をすることになった場合には自分自身で所有していた資産が失われることになる。

自己資金で事業をスタートするときには、これらのデメリットを念頭に置いておかねばならない。

2. 融資

融資とは、簡単に言えばお金を借りることである。
返還義務がある、金利が発生するという点においてはどの融資も同じであるが、どの機関から借りるかによってさまざまな違いが生じる。

ここでは、銀行と信用金庫の2つをみていこう。
融資といって多くの人が最初に思い浮かべるのは、おそらく銀行であろう。
たしかに銀行は知名度が高く安心感があり、近所に支店があって便利な場合も多い。
しかしながら、特に大手銀行の場合は審査が厳しい傾向にある。

そのため事業を立ち上げたばかりの頃に融資が実行されることはまずなく、起業における資金調達には向かない方法だといえる。

その点、信用金庫からの借り入れであれば銀行に比べてハードルはかなり下がる。

また、起業家向けのセミナーの開催やビジネスパートナーの紹介を行っている場合もある。

このような細やかなサポートをフル活用すれば、事業を軌道に乗せる資金確保も可能だろう。

ただし、信用金庫であっても必ず融資を受けられるという保証はない。

それぞれの信用金庫で条件が異なるので、しっかり調査する必要があるといえるだろう。

2-1. 起業するなら知っておきたい「創業融資」

起業したての会社や個人は、銀行からの融資は難易度が高いだろう。
なぜなら、銀行側も儲けるためにお金を貸しているからである。

つまり、実績がない企業には基本的に融資をしていないのである。

しかしそれでは、新しい企業が市場に参入できなくなり、サービスや商品が生まれない。
つまり、経済が滞るリスクが生じる。

そこで「国」が設けている制度が「新創業融資制度」である。

新創業融資制度には3種類ある。

1.新事業育成資金
2.女性、若者/シニア起業家支援資金
3.再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)

【1.新事業育成資金】
ご利用いただける方:
新規性、成長性のある事業を始めておおむね7年以内の方

融資限度額:
6億円

融資期間(うち据置期間):
設備資金:20年以内(5年以内)
運転資金:7年以内(2年以内)

【2.女性、若者/シニア起業家支援資金】
ご利用いただける方:
女性または35歳未満か55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方

融資限度額:
7億2000万円(うち運転資金2億5000万円)

融資期間(うち据置期間):
設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金:7年以内(2年以内)

【3.再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)】
ご利用いただける方:
「経営革新計画」の認定を受けた方、「新連携計画」の認定を受けたプロジェクトに係る連携体を構成する方、経営多角化、事業転換などにより、第二創業または新たな取り組みなどを図る方など

融資限度額:
7億2000万円(うち運転資金2億5000万円)

融資期間(うち据置期間):
設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金:7年以内(2年以内)

参考資料:日本政策金融公庫

3. 投資

・VC(ベンチャーキャピタル)
・エンジェル投資家

VC(ベンチャーキャピタル)とは、投資ファンドのことである。
将来的に成長が見込めるベンチャー企業(未上場)の株式を引き受ける代わりに、出資を行う。

その個人版であるのがエンジェル投資家である。

利用するメリットは3つある。

1.アイデア評価で投資をしてくれるため、過去の経歴にとらわれない
2.経営プランナーとして相談可能
3.事業が失敗しても、返還義務はない

一方でデメリットは2つある。

1.事業の成果や株の配当金でリターンを求められるため、常に「成果や成長度合い」をチェックされる。プレッシャーを感じやすい。

2.契約相手の選択ミスをすると、「成長や成果が見られない」時、企業側の経営方針などに細かく口出しをされる恐れがある。結果として、経営権の弱小化などのリスクが出てくる。

資金力はないけれども、アイデアをたくさん保持していている場合や、プレッシャーをかけられても事業を推進できる心意気をお持ちの方は、「投資」による資金調達も考えてみることをおすすめする。

4. 個人借入

個人借入とは会社としてではなく個人として資金を借りることであり、借入先としては消費者金融や親族・知人などが考えられる。
また、小規模企業共済や中小企業倒産防止共済などの経営者向け共済を利用するという選択肢もある。ここでは、これら一つひとつのメリット・デメリットをみていこう。

4-1. 消費者金融

まず、消費者金融は審査に通りやすいことがメリットとして挙げられる。
簡単かつスピーディーに資金調達ができるため、いざというときには役に立つといえるだろう。

ただし、金利が高いということは忘れてはいけない。
そもそも消費者金融は事業資金としての融資を想定していないため、どうしてもという場合以外は利用しないのが賢明だといえる。

4-2. 親族・知人

そして、場合によっては消費者金融以上に簡単に資金調達できる借入先が親族・知人である。

自己資金ではないにもかかわらず経営権を保持できるのは、大きなメリットである。

また自由に条件を設定できるため、相手によっては非常に安い金利で借り入れられる可能性もある。
とはいえ、金銭の貸し借りによって親族・知人とリスクを共有するのは好ましいことではない。

事業が上手くいかなければ、相手との関係が破綻する可能性もあるだろう。
さらに専門家からのアドバイスなども期待できないため、親族・知人から借り入れるのであっても検討は慎重にすることをおすすめする。

4-3. 経営者向け共済

最後に、経営者向け共済だ。

小規模企業共済や中小企業倒産防止共済に加入しておけば、万が一資金がショートしてしまった場合には資金調達の手段となる。

また、節税対策になるなどのメリットもある。

場合によっては元本割れしてしまうこともあるが、起業をするのであれば経営者向け共済の加入を検討する価値はあるといえるだろう。

5. ファクタリング

企業が保有する売掛金や受取手形等を、ファクタリング会社へ売買することで資金化できる方法である。
今後、売上として見込のある売上金を、先に回収する手段だ。

中には、手数料がやたらとかかったり、悪徳業者や違法業者も存在するため、トラブルに巻き込まれないように、ファクタリング業者を選定する時には注意する必要がある。

6. 補助金・助成金

まず、補助金についてみていこう。
主な補助金としては、地域創造的起業補助金と小規模事業者持続化補助金がある。

6-1. 地域創造的起業補助金

地域創造的起業補助金は創業時に必要な経費の一部を国や地方公共団体が補助する制度であり、多くの起業家がこの制度を利用している。

補助金の範囲は50万~200万円で、返済は不要である。
ただし実際に補助金を受け取れるのは2~3割ほどの起業家であるため、あまり当てにはできない。

また、補助金支給後から一定期間内に一定以上の収益を上げた場合には返還義務が生じることも覚えておこう。

6-2. 小規模事業者持続化補助金

そして、小規模事業者持続化補助金は従業員が5~20人の企業を対象とした補助金制度である。

申請が通れば、50万円の補助金を受け取れる。
創業者のほとんどが申請対象となることがメリットとして挙げられるが、補助金の使用目的は制限されているので注意が必要である。

さらに補助金を受け取るまでにかなりの時間と手間がかかるのも、忙しい起業家にとっては大きなデメリットだといえるだろう。

6-3. 助成金

次に、助成金である。
助成金として知っておきたいのはキャリアアップ助成金であり、これは非正規雇用の社員をキャリアアップさせたいときに申請できる。

非正規社員を正社員にする場合などには、ぜひ活用したい。

また、地域中小企業応援ファンドもチェックしておきたい助成金の1つである。
これは地域への貢献度が高い企業を対象とした助成金であり、受け取った助成金は設備投資や新商品開発などさまざまな用途に利用できる。

なお支給額は都道府県によって異なるため、あらかじめ確認しておくといいだろう。

補助金と助成金は、どちらも基本的に返還義務がないという点において共通している。
ただしどちらも申請してすぐに支給できるわけではなく、受給までに2年近くかかるケースもある。

そのため申請が通ったとしても起業資金として使えるわけではなく、他にも資金調達方法を考える必要がある。

7. 私募債(しぼさい)

募集人数50人以下に発行される社債のことである。

小規模な社債なので、公募社債と比較すると、手続きが簡略されており、ベンチャー企業や小規模企業でも可能である。

社債を購入してもらう対象は主に、企業と関係のある取引先や知人である。

私募債のメリットとは、

・金融機関より借入しやすい
・資金調達によるコストを抑えやすい
・公募社債より手続きが簡略化されている

8. クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネット経由で不特定多数の人に資金援助を求める方法である。

そして目標金額に達したときには、支援金額に応じて支援者に商品やサービスなどの見返りを用意する。

アイデアやプロジェクトに共感してくれる人が多ければ多いほど、資金調達しやすくなるといえるだろう。

クラウドファンディングで多くの資金が集まれば、新たな事業機会を得られる可能性がある。

また、支援者に金銭以外の形でお返しできるのもメリットだといえるだろう。

しかし、資金援助を求めたからといって必ずしも目標額が集まるとは限らない。

さらに管理コストがかかるなどのデメリットもあるため、クラウドファンディングを利用するときには事前にしっかりと計画を練ることが大切である。

9. ビジネスコンテスト

最後に、ビジネスコンテストである。
ビジネスコンテストとは、その名の通りビジネスモデルやアイデアの完成度やユニークさを競うコンテストのことだ。

さまざまな機関がビジネスコンテストを主催しており、入賞賞金を得られれば資金に使うことができる。

ビジネスコンテストは、自分の力を試すためには良い機会といえる。
しかし、当然ながら必ず賞金を受け取れるわけではない。

あくまでも可能性の1つとして考えておくといいだろう。

10. 資金調達方法はよく検討すること

起業するにあたっては、資金調達が必要不可欠である。
そして、それぞれの方法にはやはりメリットとデメリットがある。

起業してからスムーズに事業を運営するためにも、資金調達方法については起業前からじっくりと検討しておくことをおすすめしたい。

  
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