スタートアップ企業とは?その特徴やベンチャーとの違いを徹底解説

就職活動や転職活動をしているとき、「ベンチャー企業」という言葉を聞いたことのある人は多いだろう。同じく会社を表現する言葉として、「スタートアップ企業」という単語があるのはご存知だろうか。今回の記事では、一体スタートアップ企業とはどんな会社なのか、ベンチャーとの違いはあるのかなど、詳しく解説していく。

1. スタートアップとは何か

この言葉は英語の“startup”に由来する。
“startup”には「行動開始」「操業開始」といった意味があり、そこから派生して「新しいビジネスに挑戦している会社」のことを指す。

一般的には操業を始めてから2~3年程度の会社のことを指すことが多いが、スタートアップ企業の意味はそれだけではない。

ビジネスシーンでこの言葉が使われるときには、その会社が「これまでにないビジネスで成功をおさめ、急成長を遂げている企業あるいは事業」という意味も含まれているのだ。

企業の特徴を表現する言葉として“スタートアップ”が使われているのは日本だけではない。
元々はIT関連企業が多く集まるアメリカのシリコンバレーで頻繁に使われていた言葉である。

シリコンバレーはGoogleやApple、Facebookといった世界的IT企業が本社を置いているIT産業の聖地ともいえる場所だ。

そういった巨大企業に続けと言わんばかりに、アメリカ国内外から起業家たちが新たなビジネスを始めようとこぞって集まる場所でもある。
それゆえ、成長が見込まれるスタートアップ企業も多いのだ。

シリコンバレーは、街全体がスタートアップを支持するムードに包まれている。
それは、先に挙げたような巨大ITビジネスの成功例が多くあるからだ。

「ヒットするかどうかわからないが、とにかくやってみよう」という、トライ&エラーを良しとする風潮がそこにはある。
また、それを応援しようという投資家たちも多く集まっている。
それゆえ、シリコンバレーでは常に新しいビジネスの話題に事欠かないのである。

2. ベンチャーとの違いは?

日本では、起業してすぐの、勢いのある会社のことを“ベンチャー”と表現することもある。
英語の“venture”には「冒険」「思い切ってやる」といった意味があり、「ベンチャー企業」という言葉はそれに由来する。

しかし、実はこの言葉は和製英語であり、「スタートアップ企業」と完全に合致するものではないのだ。
両者の違いは、設定しているゴールとその取り組み方にある。ベンチャー企業は世の中の課題や問題について、中長期的に取り組み解決していこうという姿勢がある。

新たな知識や技術を用いて、小規模であることを活かした小回りの利く経営や、スピード感のある決断で安定した収益を生み出すことを目的としている。

それに対し、スタートアップ企業はもっと短期間で、一定程度の効果を引き出すことを目指している。
また、既存のビジネスモデルを踏襲するのではなく、新たなビジネスモデルを開発しそれによって社会や人々の暮らしを変えていこうという姿勢もスタートアップ企業の特徴である。

スタートアップには必ず「革新=イノベーション」が必要であり、既に世の中に存在している商品やサービスの延長でビジネスを展開するような会社では、スタートアップとは呼べないのだ。

短期間での成長を成し遂げようというのがスタートアップの特徴であるが、この「成長」とは、何も収益や売り上げのみを指すのではない。
ユーザー数であったり、露出の多さであったり、目に見える形で企業が大きくなっていることを示せればいいのである。

こういった数字は会社の価値を高め、次の資金調達M&Aの際に大きく役立つ。
短期的なゴールを設定しているからこそ、収益に囚われずにビジネスを展開していくことができるのだ。

3. 具体的にはどんな企業がある?

例えば、Amebaブログなどを展開するサイバーエージェントはベンチャー企業の代表例である。
1998年というインターネット黎明期に設立され、ブログ事業で成功を収め、その後もAbemaTVなどインターネット事業で成長し続けている会社である。

もちろん、新しいことに挑戦してはいるが、自社が持っている“インターネットビジネス”をさらに拡張する形でのビジネスモデルの展開である。

一方で、2007年に設立しクラウド型の名刺管理サービスという新たなアイディアを具現化したSansanはスタートアップ企業の代表例といえるだろう。

スタートアップもベンチャーも、それぞれに特徴があり「どちらが良い」というものではない。
自分の目的に合わせて、どういった形にすべきかを決めればいい。

例えば、既に世の中にあるサービスや商品をよりブラッシュアップして新たな価値を提供したい、という人ならばベンチャー向きといえるだろう。
一方で、「こんなものがあったらいいのに」と、他の人にはないアイディアを持っているという確信があるなら、スタートアップを目指して起業してみてもいいだろう。

4. どういったビジネスモデルを展開するのか

「イノベーション」「新たなビジネスモデル」がスタートアップのキーワードであり、“これ”といったビジネスモデルは存在しない。
むしろ、ビジネスモデルを見つける、作り出すことがスタートアップ企業にとっての最初の課題であり、最大の課題といえるだろう。
しかし、この状況は言い換えれば自分のアイディア次第でビジネスがいかようにも広がっていくということだ。
それこそがスタートアップ企業の醍醐味であるともいえるだろう。

スタートアップ企業を始めるには最低でも3チーム必要であるといわれている。開発担当(ハッカー)、デザイン担当(ヒップスター)、そしてビジネス担当(ハスラー)である。

この3つのチームが互いに協力し合い、「もしかしたらヒットするかもしれないアイディア」を具現化していく。
具現化した商品やサービスを市場に出し、消費者の反応を見て良し悪しを判断し、次の一手を決めていくのだ。

もちろん、市場に受け入れられずに消えていくアイディアも少なくない。

もし、商品やサービスが「当たらない」と思うのならすぐに次のビジネスを模索する必要がある。

常にスピード感が求められるため、会社や組織の形態も従来のものに囚われないで形成されている。

中には、立ち上げですぐは法人登記をしていないケースもあるほどだ。それでも、上記で挙げたような条件を満たしていれば立派なスタートアップ企業といえる。

5. スタートアップ企業の課題とは

起業するにあたっての最大ともいえる壁は資金集めである。
これはスタートアップ企業のみでなく、他の一般的な企業であっても同様であろう。

しかし、スタートアップ企業はその壁の高さが他とは異なる。
もちろん、どんな会社も将来的に成功するかどうかは断言できるものではない。
どれだけ堅固に見える経営計画でも、予期せぬ出来事が起きれば崩れる危険性はある。

しかし、スタートアップ企業の場合、そもそも「堅固な計画」を示すことが難しいのだ。
なにせ、自分たちですら「ヒットするかどうかわからない」のである。

投資家を説得することがいかに難しいかは想像に難くないだろう。

シリコンバレーにおいては、スタートアップの成功例がいくつもある一方で、失敗例も星の数ほどある。
そのため、投資家たちは「スタートアップ企業」がどういうものかを理解しており、それに合わせた投資方法も熟知している。

また、操業開始してすぐの企業に投資する富裕層=エンジェル投資家も少なくない。
そのため、アイディアやビジネスの進め方次第では資金を集めることも可能なのである。

また、シリコンバレーにはスタートアップを支える環境がある。

インキュベーターがいたり、コワーキングスペースが充実していたりといったように、街全体で起業家を支援しているのだ。
残念ながら、日本ではそういった環境が充実しているとはいえない。
加えて、失敗、成功に関わらず先例が多くない。

投資家にとって、スタートアップ企業は“未知”すぎるのである。

6. 始めるために必要なことは

このように、スタートアップ企業を始めるにあたっては資金集めが大きな課題となる。
先行きがはっきりしない中で資金調達するには、投資家たちから信頼を勝ち取ることが重要である。

つまり、「この会社なら成功するのではないか」と思ってもらうことがポイントになるのだ。

一般的には、先に挙げた3つのチーム(ハッカー、ヒップスター、ハスラー)のクオリティの高さが投資家にとってのひとつの基準になるといわれている。

同じアイディアでも、一般人にプレゼンされるのとスティーブ・ジョブスにプレゼンされるのでは、魅力度や言葉の信頼度は異なるだろう。彼にはそれだけの実績があるからだ。

これは非常に極端な例だが、要するに「誰とチームを組むかが重要になる」、ということだ。
これは、単に資金調達のためだけでなくビジネスを進めていく上でも重要なポイントになる。

自分のアイディアを実現するにあたって、自分に足りないスキルや経験を補ってくれる人材を探すことが、起業するにあたって非常に重要なプロセスになるのである。

もちろんひとりで起業することもできるが、その場合には自分自身の価値やアイディアの魅力度をさらに上げる必要があるといえるだろう。

7. 失敗を恐れずに駒を進めてみることが重要

スタートアップ企業とは、新たなビジネスモデルを作り出し短期間で急成長を達成する企業のことを指す。
もちろん、全員が全員成功できるものではないが、やってみなければ成功か失敗かはわからない。
「まずはやってみる」のチャレンジ精神を持ってトライしてみることが重要である。

  
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